山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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2008年07月25日(金) フランダースの犬

先日テレビ番組で、ベルギーのアントワープ市の観光局の人の話が出ていた。童話「フランダースの犬」についてである。

「フランダースの犬」はウィーダというイギリス人女性作家の原作だが、このアントワープ周辺のフランダース(フランドル)地方が舞台となっている。ホーボーケンという村だ。だが地元の人はこのことをあまりよく知らなかった。

日本人観光客が来て、この物語の舞台となった場所はどこかとよく尋ねるので、この物語を調べてみると、このアントワープ周辺のことがとても詳しく書かれているので驚いた。そのため、その後関係する建物などを整備したそうだ。

運良くNHKBSでアニメの「フランダースの犬」が放映されたので録画した。孫たちがいない平日の午後に一人でじっくり鑑賞した。すっかり入れ込んで、涙を拭き拭き見ることになった。

この物語は日本ではたいへん有名だが、ヨーロッパでは全然売れていない。物語の最後の場面で、教会のホールでやっとルーベンスの絵を見ることができたネロとパトラッシュが天に召されるシーンはなんとも心を打つ。日本人の琴線に触れるようだが、ヨーロッパ人には、負け犬の野垂れ死にとしか受け入れられないのだそうだ。

日本人と欧米人の考え方というか価値観の違いがはっきりと現れていてとても面白いと思う。もう一度原作を読み直してみなければならない。

(当時ルーベンスの絵は金貨一枚払わないと見せてもらえなかった。現在は公開している。)


2008年07月23日(水) 源氏物語

紫式部が源氏物語を書いてから今年が千年のミレニアムだそうである。

20年も前に与謝野晶子訳で読んだことがある。その時には前半の光源氏のイメージしか残らず、源氏が亡くなって以降のいわゆる宇治十帖などといわれる部分はほとんど覚えていなかった。

今回十年ほど前に購入していた瀬戸内寂聴訳の源氏物語全十巻の豪華装丁本を改めて手に取り通読した。ベッドに横になったまま、毎日少しずつ、他の本も読みながら、映画も観ながら、約8週間かかった。(ちなみにこの間読んだ他の本は7冊、映画は61作品)

購入した当時、予備校の古典の人気女性講師が源氏物語を解説した親しみやすい本を出版し好評を博していた。また瀬戸内寂聴氏だけでなくいろんな人が源氏を語っており、いわゆるブームになっていたような気がする。

読み勧めていくうちに、昔の貴族階級の男女の駆け引きが目に見えるようで、まるで現代の話でもあるかのような気がしてくるから不思議だ。

巻末の注釈や系図、装束の説明などが物語の理解を深めた。また寂聴氏の解説や彼女独自の解釈がなかなか独創的で面白さを倍増させた。

世界中に翻訳が出ているそうだが、例えば英語ではどのような表現がされているものかちょっと見てみたいきもする。


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