ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2009年07月19日(日) ノウイング

監督:アレックス・プロヤス
出演:ニコラス・ケイジ
    チャンドラー・カンタベリー
    ローズ・バーン、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
MIT宇宙物理学教授のジョンは、ある日息子のケイレブが学校から持ち帰った紙に書かれた数字に注目する。その紙は息子の小学校で50年前に当時の小学生達に「未来の地球」という題で描かせ、タイムカプセルに入れられた物の中の1つだったが、ジョンは紙を眺めている内に数字の羅列が過去50年間に起こった世界中の大惨事の日時と被害者数に合致している事に気付く。更に後3つ近い未来の日時で惨事が起こると読み取れる。そうこうする内に問題の日時がやって来て・・・


【感想】
「アイ,ロボット」で高い評価を受けたアレックス・プロヤス監督の最新作。
個人的には「アレックス・プロヤス監督の〜」と言うよりも、「ニコちゃん主演最新映画」というだけで鑑賞決定。予告編を見る限りではかなりスケールの大きなSFパニック映画?サスペンス?っぽい。期待値結構高め♪

うん。とりあえずSFパニック・サスペンス映画・・・ですかね?うん。←何この煮え切らない書き方(^-^;

なかなか面白いアプローチの作品です。
紙に書かれた数字の羅列は、確かにジョンが友人に口角泡を飛ばして語る「世界の大惨事」の日時・被害者数と合致する部分が沢山あるものの、その数字に当てはまらない数字羅列が必ずセットになっていて、この「当てはまらない数字羅列」の部分が何なのかはジョン自身にも判らない。
当然その「当てはまらない数字部分」を友人にもツッコミ入れられて「単なる偶然だよ」と一刀両断されるんですが、その謎の数字が何を示しているのかが判った辺りから話は怒涛の展開を見せて行きます。

「数字の謎解き」と並列して、ジョンと息子のケイレブとの親子関係を丁寧に描いています。
更にはジョン自身の家族関係・・・何か過去に確執があったらしく自身は親と音信不通状態。父親は教会の牧師をしているという設定から、「教会と相反する(敵対する?)宇宙物理学教授」になったジョンと何がしか宗教観と科学の折り合い辺りで、父親と意見の相違を来たしたのであろうと想像出来る訳です。

それから映画冒頭で、ジョンが大学の自身の講義で「地球の環境と生物進化の過程」について生徒と「地球の進化はあらかじめ決められていた事柄だったのか、それとも単なる偶然が積み重なっただけの出来事なのか」という事についてディスカッションするくだりが出てきます。

・・・ぶっちゃけ、この映画冒頭の講義シーンがこの映画のオチになっている訳ですが←オチ書いていいのかー!?
本作は伏線の張り方と拾い上げがとても上手いと思いましたね。見ている当初は何でもないエピソードだと思っていたものが、後で重要な意味を持っていたと気付かされる。気付かなかったら元も子もないのが痛いんですが(をい)、大抵の人は気付くと思うので「おお!良く出来てるじゃんコレ♪」と膝を打ちたくなります。

そんな訳で、いてもいなくてもどーでもいいと思ってた「ジョンのパパ」が本作のキーマンです。←え?
上にも書いたけど、パパは「教会の牧師」そして「宇宙物理学教授」のジョンはパパと確執があって・・・要するに本作は思いっきりSFちっく見せ方はしているものの、「宗教映画」と呼んで差し支えない題材だったという訳です。
「SFサスペンス」なら楽しめる日本人も、これが「宗教映画」となると途端に色褪せて見えてしまう。これは仕方ない。
一般的日本人には「終末論」も「最後の審判」も「復活」も「十戒」も「ノアの箱舟」も「ソドムとゴモラ」もないのだ。

途中まで「数字の謎解き」で盛り上がり、そこから導き出された「予言」を回避する為に遁走したりとハラハラドキドキするシーンが目白押しで大変楽しいのですが、コレが「例の方々」が登場して来た辺りで「まさか、あのネタ?」と一気に興醒める人は多いのではないでしょうか?(^-^;
それでも「あのネタ系も昔は多かったけど、最近ご無沙汰だったし・・・ま、いっか」と自分を納得させて見ていた人も、ラストのとてつもなくファンタジーなシーンを見て「あー。要するに宗教映画ね、コレ(溜息)」と肩を落とす二段オチ(こら)

でも、個人的には既存の「アルマゲドン映画」とは一味違う見せ方には楽しませてもらえましたけどね。
この手の作品はとりあえずヒーロー&ヒロインは最後の最後まで頑張ってくれるのがお約束だと思うのですが、一応本作のヒロインであろうダイアナ嬢は、いともあっけなく逝っちゃってくれますし(苦笑)、ジョン自身も然り。
正にこの映画の題材通りに、何一つ踏み外さずに逝っちゃうトコロは気持ちいい位です(^-^;

子供が意味ありげに手にしていた黒い石の意味は?「選ばれし者」の選定基準は?選ばれし者と予言の関連は?
・・・等々、意味不明な点も多々ありますが(多々あり過ぎだろ)、そこら辺りは全て「だって宗教映画だもん」とザックリと割り切って頂ければ、それはそれで案外楽しめちゃうんじゃないでしょうか?

く、苦しい・・・な。(滝汗)
いやでも私は結構面白く見させてもらいましたよ!ホントだってば(^-^;








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2009年07月16日(木) クヌート

監督:マイケル・ジョンソン
ナレーション:藤井フミヤ(日本版)
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
2006年、ドイツ・ベルリン動物園でホッキョクグマが2頭の子供を産んだ。ところが母熊が育児放棄した為に1頭は4日後に死亡してしまう。残った1頭に「クヌート」と名付けて飼育員のトーマス・デルフライン氏は動物園に泊まり込みで哺育にあたった。トーマスの献身的な哺育の甲斐もありすくすくと成長したクヌートは、やがて一般公開されるとその愛くるしい姿に世界中から注目をされる事となる。


【感想】
ベルリン動物園で人工哺育で育てられて大人気となったホッキョクグマの「クヌート」の成長を追うドキュメンタリー。
クヌートの成長を見せるのが一番の柱ではあるものの、その様子と平行して北極に生きる野性のホッキョクグマ親子の育児と成長の様子、それからロシアの西にあるベラルーシ共和国のある森で母熊を喪ってしまったヒグマの兄弟が成長して行く姿を同時進行で追って行きます。

個人的な事なんですが、ドイツの「シュタイフ」という会社が作っているテディベアを集めていましてね、何年か前にシュタイフ社が「クヌートベア」というテディベアを発売したんですよ。
通常テディベアは立たせたりお座り出来るような、いわゆる「お人形さん」の形をしているんですが、このクヌートベアは珍しく四足立ちのリアル小熊の形をしていました。当時は「クヌートベア」が何の意味があって製作されたものなのか知らなかったので「四足立ちは珍しいな」としか思わずに買う気もなかったんですが、今思えば手に入れておけばよかったと(苦笑)
(クヌートベアは本社では既に完売しているので、販売店で在庫を持っているか中古でしか今は手に入りません)

いきなり思いっきり話が脱線しましたが・・・そんな訳で小熊ちゃんは物凄く可愛い!
ホッキョクグマは現存する地球最大の肉食獣だと言われているそうですが、その姿の美しさも世界一・地球一だと褒めそやされています。
大人になった姿もその優美な様を称えられるホッキョクグマ、その子供が可愛くない訳がない。
それでなくても普通に母熊が子育てしていたとしてもきっと相当な人気者になったであろう事は想像に難くないですが、たまたま母熊が育児放棄したが為に「人工哺育で育てられた可哀想な小熊」という付加価値(嫌な言い方だな)が付いた事で、この運命の小熊・クヌートは世界中から愛され、良くも悪くも注目される事になった訳です。

クヌートを人工哺育するという事に関して、当時反対意見もかなりあったと映画中で紹介されています。
母熊が育児放棄した小熊を人の手で育てるのは自然に摂理に反すると。だから「クヌートを安楽死させろ」という意見があったそうですよ。世の中には恐ろしい事を言う人がいるものです。

これが北極でドキュメンタリー撮影していたターゲットの野生のホッキョクグマの母熊が育児放棄をしているらしい、という事だったら「人間の手を加えてはいけない」と言われても納得出来るんですが、そもそもクヌートは動物園で飼育されているホッキョクグマが産んだ子供な訳ですから。
「自然の生き物を人間が哺育してはいけない」と言うなら、大人になった自然界の生き物を飼育するのも自然の摂理に反するのではないかと。そうなれば世の中の動物園で飼われている全ての動物は安楽死させなくてはならないという理屈になるんじゃないのか?と私は見ていて思ったんですがね(苦笑)

まあそんなこんななトンデモ議論が持ち上がったお陰なのか?クヌートの存在は私達人間に、ホッキョクグマの繁殖・育児は人間でなくとも熊さんご自身で行っても非常に困難であるという事、それからホッキョクグマの生育環境が今著しく悪化していて絶滅の危機に瀕しているという事を認識させるきっかけを与えてくれる事になった。
災い転じて福と成すのか?クヌートは現在「環境保護大使」に任命されて、地球環境保護とホッキョクグマを絶滅から救うためのシンボル的存在となっています。

その地球環境悪化に伴うクマ達の過酷な生育の現状を広く知ってもらう為・・・だと思うのですが、北極で暮らす野生のホッキョクグマとベラルーシに生きる「母熊を亡くした小熊の兄弟」の成長振りも見せてくれる訳ですが、本作は少なくとも映像や構成からその主旨を汲み取れない・汲み取り難い作りだったというのがとても残念に思います。
この手の「可愛い小熊ちゃんドキュメンタリー」は明らかに「親子で夏休み鑑賞」を目的に製作されている為に、子供の目に留まりやすい「小熊ちゃんの愛らしい姿や様子」を見せる事に重点が置かれ、映画の訴えたかった地球の窮状や問題点を浮き彫りにさせるという効果を上げているとはお世辞にも言えない作りだったと思いますね。

多分親子で本作を見に行って、鑑賞後にガキお子様に感想を聞いたらほとんどが「クヌートが可愛かったー♪」という答えしか返って来ないであろうと簡単に想像が付きます。
もっとも、チビッコが人差し指でメガネを持ち上げつつ「ホッキョクグマの生育環境に対する地球規模での意見交換を」等と語り出したら、それはそれで「お、恐ろしい子・・・っ!(驚)」と思ってしまう訳だが(^-^;

「小熊ドキュンメンタリーなんて、どうせ大人は見やしないよね?」という製作者側の思惑が透けて見えるとね・・・
もう少し「大人寄り」な、真面目で学術的な作りでもよかったのになーと思いますよ。
総じて本作、可愛い小熊ちゃんのお姿が見たい方にはオススメしますが、見たからと言って特に何かに啓発されるとか考えさせられるという程のものはありません。お子さんと暇潰しにドーゾ♪って感じですね。








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2009年07月15日(水) ハリー・ポッターと謎のプリンス

監督:デイヴィッド・イェーツ
出演:ダニエル・ラドクリフ
    ルパート・グリント
    エマ・ワトソン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
闇の帝王ヴォルデモートとの最終決戦は近いと予見しているダンブルドア校長は、かつての同僚ホラス・スラグホーンを魔法薬学教授として再びホグワーツへ招聘した。ホラスは若き日のヴォルデモートをよく知る人物で、何か重要な秘密を隠しているらしい事を感じていたダンブルドアは、ホラスが隠している内容を探るようにハリーに命ずる。一方ホグワーツでは思春期を迎えた生徒達の恋愛が花盛り。そんな中、ドラコは1人で不穏な動きををしていたのだった。


【感想】
ハリポタシリーズ第6弾。(※原作未読です)
今回水曜日に封切でしたね。シネコンは水曜日がレディースデーだったので初日に見に行きましたヨ♪まあ簡単に言えば少しでもお値打ちに見れれば得だよなーと・・・ええ、貧乏ですから(涙)

原作未読で映画を見るだけで追いかけている本シリーズ、正直言うと前作までの話を結構忘れてたりする(苦笑)
前作で覚えているのはハリー達が仲間を募ってコッソリ魔法の訓練をしていた事と、私が本シリーズで一番お気に入りだったキャラ「シリウス・ブラック」がいともアッサリ殺されてしまった事くらい。
こんな状態でこのシリーズ見ていて大丈夫なのか!?全然大丈夫ぢゃないだろーよっ!(薄涙)

さて本作。
前作の感想で「本作は次作の展開を楽しみにさせるという繋ぎの役目を果たしている」と書いたのですが、その続きの本作もまた次作への繋ぎの役目を担っておりました。つーか続き物なんだから全ての話が最終話への繋ぎの役割なのは当たり前っちゃー当たり前ですわな(苦笑)
まあそれにしても・・・上映時間が長い割りに盛り上がりに今一つ欠ける作品ではありました。←またいきなり結論か!

話はダンブルドア校長とハリーが2人3脚でヴォルデモートとの対決に備える「準備編」、それからハリー・ロン・ハーマイオニーの3人の恋模様を中心とした「学園恋愛編」の2つのネタを平行して見せて行きます。
更にそこにドラコの不穏な活動を織り交ぜている訳ですが・・・

今作、ドラコが妙にいい味出してました。
1作目から鼻持ちならないイヤなヤツだったんだけど、本作ではそのイヤなヤツ・ドラコの逡巡が伺える。本当に嫌味で感じ悪くてあんな顔(どんな顔だよ)なんだけど、根っからの悪人な訳じゃない。自分に課せられた特命を遂行したくない・したくないがしなければ自分の命が・・・と気持ちが揺れ動いている様子が痛々しい。
ハリーが表舞台の「選ばれし者」だとすれば、ドラコは望む・望まないに関わらず裏舞台(闇世界)の「選ばれし者」となってしまった。次作に突入すると、ハリーとドラコの間に何かドラマがあるんじゃないかろうか?と期待させてくれます。

ところで、映画冒頭でスネイプがドラコの母親と「破れぬ誓い」を立てるシーンが出てきます。
「あれ?この人悪者なの?なんでこーなる!?」と頭の中はハテナでいっぱいだったんですが、クライマックスのシーンを見ていて、もしかしてスネイプはー・・・あまり書くとネタバレになりそうなのでやめておきましょうか(苦笑)
そんなこんなで、本作のドラコとスネイプの動きはすごく気になって見ていました。

副題の「謎(半純血)のプリンス」が誰なのか?それから「半純血」とはどういう意味なのか?気になってましたが、少し考えれば直ぐに誰を指しているのかは判るだろうに、見ていてクライマックスまで全く気付きませんでしたよ。児童文学だからってナメちゃダメだぞ。<自分
でも「プリンス」とは?「半純血」とは?・・・きっとこの答えは最終章で明らかになるのであろうと。

まーそれにしても、劇中の中盤のかなりの時間を割いて描かれている「学園恋愛編」、かったるいですわ〜(^-^;
全くいらないとは言わない。でももう少しタイトに見せてもらえないだろうかと。
まあそうは言ってもハリーだって年中ヴォルデモートの事ばっかり考えて生きてる訳じゃない。思春期真っ盛りの健康な男子なら、普通は脳味噌のほとんどの部分が女の子の事でいっぱいいっぱいだろう(笑)
今作、ハーマイオニーが可愛かったですね。勝気でプライドが高い彼女の、やるせないヤキモチと自分の気持ちを素直に伝えられないもどかしい乙女心が、とてもよく描かれていたと思いますよ。

まあそんなこんなで、やっぱり本作も「最終章への繋ぎ」という印象が強いので、今一つ盛り上がりには欠けるものの、前作からメガホンを取っているデイヴィッド・イェーツ監督、映像がとてもキレイだしアングルの切り方も個人的に好み♪
「死の秘宝」も彼が引き続きメガホンを取るんですよね?いよいよクライマックスが楽しみになって来ました!








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2009年07月14日(火) アマルフィ 女神の報酬

監督:西谷弘
出演:織田裕二
    天海祐希
    佐藤浩市、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
クリスマス目前のローマ。イタリアで開催するG8でのテロ予告を受け、外交官・黒田はテロから邦人を守れとの密命を受けてこの地に赴任して来た。そんな中、観光でこの地を訪れていた邦人の少女が失踪したとの連絡が入る。研修生の安達と共に通報先に向かうと、少女の母・紗江子の携帯に娘を誘拐した事と身代金要求の電話が入った。イタリア語が話せない紗江子の代わりに電話を受けた黒田は、思わず自分は娘の父親だと偽ってしまい、事件捜査に巻き込まれる事に。


【感想】
真保裕一氏著の同名タイトル小説の映画化・・・ではなくて、本作はフジTV開局50周年記念作品として、真保氏にわざわざ映画の為に原作小説を書き下ろしてもらったそうです!
真保氏の小説大好きですー♪文庫化されたものは全て読んでますー♪貧乏だからハードカバーは買えませんー(涙)

しかも主演は織田ユージ君。織田君好きなの♪アンチが多い役者さんなのは判ってる。でも好き好き♪
更に本作全編イタリアロケ。イタリアも好き♪好き♪1回しか行った事ないけどー(苦笑)、更に主題歌は日本でも非常に人気の高い歌姫サラ・ブライトマン。ついでに本作のクライマックスシーンにご出演もされてる。
他に共演している方々は、どいつもこいつもピンで主役張れるレベルの役者さんを惜しみなく布陣。
流石フジTV!金の掛け方が半端ねぇ!流石亀山プロデューサー!でもコイツ嫌い。←をい(^-^;

前フリ長くなり過ぎましたが、本作。
そもそも真保氏の作品に登場する主人公の男性って、どれもこれもすごく織田君っぽい。もしかして真保氏って織田君が好きなのかしら?自分の作品を映像化した時は織田君に・・・みたいなつもりで書いてるとしか思えない。
そう言えば「ホワイトアウト」の時も織田君が主人公を演じていたよな、と。
まあそんな訳で何が言いたいかというと・・・織田君がめちゃくちゃカッコイイ!←すいません、相変わらず阿呆で(涙)

いやホント!当たり役ですよ。
イメージ的に言うとフジTVの昔のドラマ「振り返れば奴がいる」の織田君。クールで一見冷酷にも見える。仕事振りはピカイチで頭の回転も早く行動力がある。でも実はとても正義感が強い熱い男。それが織田ユージ!
あ、脱線しそう(苦笑)・・・いやホントだってば。本作の織田君ホントにカッコイイ!
天海さん演じる紗江子が「アンタが警察に通報なんかするからよ!」とKYな八つ当たりをするんだけど、その時にほんの少しだけションボリした顔するんですよ・・・コレがまたおばちゃんのハートにドキューン☆と来た♪←ただのバカ(^-^;

真保さんらしい、思いっきりサスペンスな展開。
でも老若男女に広く楽しんでもらおうという意図でしょう、「ココちょっと注目して欲しいポイントねー♪」という伏線部分がすごく判り易く提示してあります。織田君がちょっと眉をひそめてみたり、ボソボソとつぶやいてみたり、または思わせ振りなカメラアングル(意味ありげに何かを写す)になっていたり。

だからサスペンスやミステリ小説を読み慣れてない方でも「あれ?何かあるよねココ」「もしかしてこういう事じゃ?」と考え易いように誘導してあって、誰でもハラハラドキドキしながらも先の展開や犯人を想像して楽しめる仕様になってます。
逆にサスペンス物を読み慣れた手合いから「先読み丸々出来て面白味が半減だよー」と言われそうな危険が(^-^;

良くも悪くも「フジTV製作らしさ」がふんだんに出ている作品です。
娯楽に特化している為に、先に書いたように真保氏の小説ファンからは「もーちょっと考えさせる余地を残せよー」という不満も持たれそうな要素は充分はらんでいるし、逆にフジTVらしいヒーロー物を楽しみたいor織田君ファンにとっては、邦画らしからぬとてつもないスケールのご馳走を見せ付けられて大満足出来るんじゃなかろうかと。

また、黒田は外交官の中でも同僚にも話せぬ特殊任務を遂行する部署所属?のようですが、彼の人となりや具体的にどういう事情でこの任務に就いているのか等については映画中に一切の説明が成されていません。
要するに今後も情報を小出しにして「黒田外交官」というキャラでシリーズ化も視野に入れているという事?

やや強引な部分もありますが、美しいイタリアの風景を見ながらテンポよく話が進むので、一定の満足感は得られるかと。
役者さん達は(特に織田君)イタリア語セリフもかなり話し、本当にそれらしい雰囲気をよく出していたと思います。イタリア通を気取る方が「発音がなっちゃいない」とか言い出しそうですが(苦笑)、実際の外交官だって全員ネイティブな発音してる訳じゃないでしょう?よくあそこまでイタリア語セリフを覚えたなぁ〜と感心しますよ。

イタリアの風景に関しては文句なしね。アマルフィの空撮映像がドーンと登場する辺り、本当に溜息出ますわ♪

そんなこんなで、ツッコミ入れたらキリがないけど(笑)、よく邦画でここまで作ったなと。
ハリウッド資本でキアヌ辺りが主役でリメイク出来そうな・・・ホント、予想以上に楽しませてもらえましたよ。








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2009年07月08日(水) MW−ムウ−

監督:岩本仁志
出演:玉木宏
    山田孝之
    石橋凌、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
「沖之真船島」で、一夜にして島民全員が惨殺されるという事件が発生。政府はこの事件を闇に葬るが、実は2人の少年が難から逃れてこの島を脱出していた。それから16年後、島の生き残り「賀来」は神父となり、そしてもう1人の生き残り「結城」は優秀な銀行員という表の顔を持ちつつも、人を殺す事をも厭わない凶悪なモンスターとなっていた。16年前の事件の後遺症に悩まされる結城は、復讐を益々エスカレートさせていく。賀来は結城の凶行を止めさせたいのだが・・・


【感想】
手塚治虫氏原作の同名タイトルコミックを映画化。
手塚氏のコミックはかーなーりー好きで読んでる方だとは思うのですが、実は本作のコミックは未見です。
そんな訳で敢えて前知識を全く入れないように心掛けて鑑賞。どうせ見るなら映画として楽しみたいしね♪

映画冒頭、バンコクで結城が身代金誘拐事件を起こすトコロから始まるのですが、有り得ない展開のオンパレード!
「コレで捕まらなかったら、世界中の誘拐事件の犯人は全員逃げ果せるな」とツッコミどころ満載の展開なんですが、意外な事に結構楽しんで見れましたね・・・玉木君のセミヌードなんか特に♪←阿呆

どう展開していくかこの段階では判らないからそれなりにハラハラしながら見てたんですが、結果的に言うとこの前フリ?の誘拐事件シーンは長過ぎですわね。身代金の受け渡しのオチも陳腐だし、その後の石橋凌さん演じる沢木刑事がメタボな体を揺さぶりつつ追い掛けるシーンは、手に汗握るというよりも「おっさん、心臓止まっちまうんぢゃねーか!?」とハラハラさせられたりして・・・ハラハラするツボが微妙にズレてるぞ、をい(^-^;

でもタイトルの「ムウ」とは何ぞや?という核心に迫る辺りまでは結構ワクドキして楽しめたんですよ。
そもそも、16年前に起こった事件というのは何だったのか?それをどうして同じ島出身の政治家や財界人が中心になって揉み消そうとしていたのか?通常なら自分の故郷の島が惨殺事件の舞台になったなら、とことん真相を突き止めて糾弾したいと思うのが筋ではないのか?
結城は何故同じ島出身の人間を殺して回るのか?賀来は何故情けない顔をするだけで結城の犯罪を止めようとしないばかりか、自分も犯罪の片棒を担いでしまうのか?

自分の中で疑問に思う項目を消し込みしつつ鑑賞するので、色々推理したり推測したりして楽しいんです。

原作では結城と賀来は同性愛の関係であるとはっきり表現しているそうですね。
でも映画では確かにそれらしく匂わせてはいるものの、かなりソフトな表現なので気付かない人もいるのでは?ここはもっと直接的に判りやすくドカーンと絵で見せて欲しかったかなーと。
いや、その、玉木君と山田君の「きゃ〜♪」なシーンが見たい!って訳じゃなくて(それもあるけど←をい)、映画をツラーっと見るだけでは「賀来はあの事件の際に結城に命を助けてもらったから、結城に強く出れない」という風にしか受け取れないし、要するに2人の関係性が薄っぺらく感じて、賀来がただの意気地なしにしか見えないと言うのか。

壮大な原作を数時間の映画にまとめてしまうのにムリがあった、と言われたらその通りなのかもしれないけど、どうも原作の世界観が生かし切れてないのではないか?(未読だから正直なトコロは判らないが)という気がしてならないです。
だから上にも書いたけど、主人公2人の関係性も薄っぺらく感じれば、16年前の事件の真相も薄っぺらく感じる。いとも簡単に島に上陸してお目当てのモノを見つけてしまうし、有り得ない位簡単に米軍基地内に潜入し、更に最重要且つ厳重保管物であろうブツにも手が届いてしまう。

途中までは「どーなるの?どーなってるの?」とワクドキしながら楽しめた割りに、話が進むとどんどん尻すぼみ。
だから後になって考えると「最初のタイのシーン、ムダに長くスタントシーンやってる位ならクライマックス丁寧に描けや」という感想になってしまう訳ですよ(苦笑)

でも役者さんの演技はなかなか見応えありましたよ。
玉木君が美しくも冷酷な殺人鬼を演じていますが、もうこの人の声にはシビれるわー♪

それから本作、かなり豪華な役者さんを布陣していると思うのですが、豪華な役者がバンバン無駄死にしていくのが個人的にはすごく意外で楽しめた・・・いや、映画も見慣れるとヒネくれた見方をするようになるんですよね。
「この役者が使われてるという事は、コイツが真相を明らかにして最終的にヒーローになる役回りかな?」みたいな、役者の名前で後の展開を考えちゃうというのかな、そういう「観客のいやらしい考え」をバッサリぶった切ってくれて、気持ちいい位アッサリと無駄死にさせてる辺りは「すげーなー」と妙に感心してしまいましたわ(^-^;

そんな訳で、きっと本作の原作愛読者さんからは怒号の嵐が吹き荒れそうな(苦笑)
でも私は本作を見て「よし!原作コミック絶対に読むぞ」という気持ちになりましたよ。そう思わせてくれただけでも、手塚氏の描いた世界観の一端くらいは本作にも受け継がれていたのだろうと思います。思いたいです(^-^;








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2009年07月04日(土) モンスターVSエイリアン(日本語吹替版)

監督:ボブ・レターマン、コンラッド・ヴァーノン
声の出演:ベッキー(スーザン)
      日村勇紀(ボブ)、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
結婚式当日、花嫁のスーザンは挙式直前に空から降ってきた巨大隕石に直撃し、何故か体が巨大化してしまう。更に軍隊に捕らえられて極秘のモンスター基地に監禁された上、今後は他のモンスター達と共に地球に侵略に来るエイリアンと戦うように通告される。折りしもアメリカ政府は地球侵略を企むギャラクサーが放ったエイリアン・ロボットに頭を痛めていた。そこで早速スーザン達に出動要請が掛かったのだ。


【感想】
ドリームワークス製作の最新3Dアニメーション。
本来は3Dメガネ掛けて見るんですね、コレ。隕石やらエイリアン達が飛び出して見えるんでしょう。きっと相当の迫力であろうと想像する訳ですが、残念ながら私は2D+日本語吹替版で鑑賞。仕方ないよ。子供向け試写会だもん(涙)

そんな訳で「なんだかなぁ」気分モリモリの鑑賞だった訳ですが(をい)
そりゃー3Dの迫力には当然負けますが、2Dでもかなりの映像クオリティではあります。正直2Dデジタルアニメだとピクサーにはどうしても勝てないんですが(毎回同じ事書くのも飽きてきました。苦笑)、それでもなかなかの迫力です。
コレきっと3Dバージョンで見たら全然評価が変わるんだろうなーと思いますよ。ええ。

まあ・・・内容に関してはどうでもいいですわ(^-^;
超〜不本意に巨大化してしまった為、勝手にモンスター扱いされた上に、仲間呼ばわりしてくる他のモンスター達はどいつもこいつもビジュアル的に絶対にお友達になれそうにもない手合いばかり。
でも話を聞いてみりゃ〜彼らの残念な事情に多少の同情も覚えたり。そうこうしてる内に都合よく地球がエイリアンから急襲された事で、ド気持ち悪いモンスター軍団と共に戦闘モードに突入し・・・ってな話。
そこにお約束の「友情、そして人間的成長」を絡めてある訳ですね。モロオチバレです。はいすいません(苦笑)

まあ完全子供向けアニメだから文句垂れるつもりは毛頭ないですよ。えー、とてもいい話です(棒読み)

で、余りにも先の見えた話をそのまんま描いたんじゃー子供は満足しても保護者の皆さんは退屈な訳で。
そこをカバーする為に?本作は徹底して既存のエイリアン・モンスター・SF映画をパロっています。ドリームワークスは日本のモンスター映画にリスペクトしているんでしょうか?明らかにモスラがいますし何となくゴジラもいます。ボブなんてドラクエのスライムに見えなくもないです。どうせならメタルキング化してもらいたかったです(笑)

明らかに何の映画をパクッてるか判りやすいキャラ(モスラ→ムシザウルス、ザ・フライ→コックローチ博士等)、未知との遭遇の音楽やETのあの名場面、スタートレックやスターウォーズ的シーン等々、徹底してパロる事で保護者の皆さんに「コレは何のパロでしょうか?」というパロ探しのお楽しみを提供して間を持たせようという工夫がふんだんに成されていて、そういう遊び心は大いに楽しませてもらえました。

まあそうは言っても「コレは広く大人にも子供にも見て考えて欲しい!」等という程ではありませんしね。
そこそこ良く出来た脚本で、なかなかいい映像で、まあ満足出来るかな・・・程度でしょうか。

日本語吹替版の声を誰が当ててるのか全く予備知識なしで鑑賞したんですが、主人公のスーザンをタレントのベッキーが担当していたんですね。はっきり言って最後のスタッフロール見るまで全く判らなかった。ってか、彼女上手いな!プロの声優と比べても遜色ありませんよ。
それからボブの声をバナナマンの日村さんが担当してましたが、コレもイメージピッタリ。個人的に俳優やタレントに声優をさせるというのは好きじゃないんですが、声の演技がしっかり出来ていて映像と違和感がなくすんなり楽しめるなら、特に問題はないなーと思いますね。少なくとも本作に限って言えばこの配役は当たりでしょう。

ま、そんなこんなで大絶賛!とまでは行きませんが、夏休みにご家族揃って是非どうぞ♪








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2009年07月02日(木) ディア・ドクター

監督:西川美和
出演:笑福亭鶴瓶
    瑛太
    八千草薫、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
山間の過疎村で1人の医師「伊野」が失踪した。警察が捜索に乗り出すが、医師を慕っていたハズの村民達は実は伊野の素性についてほとんど何も知らなかった。遡る事2ヶ月前、東京からこの村に研修医としてやって来た相馬は、この地で腰をすえて地域医療に専念する医師・伊野の姿に、そして伊野を神のように慕う村民達との関係に心打たれていた。ところがある日一人暮らしの未亡人「鳥飼かづ子」が倒れ、伊野は彼女から「一緒に嘘をついて欲しい」と頼まれる・・・


【感想】
「蛇イチゴ」で鮮烈なデビューを飾り、「ゆれる」でその才能を世間に広く知らしめた西川美和監督の最新作。
この方の作品は絶対に期待を裏切らないと信じている。彼女のデビュー作「蛇イチゴ」を見た時に既に感じていたが、本当にこの監督さんは人間の心の奥底に広がる闇や心理描写を描く天才。
本作でもその力量はいかんなく発揮されていたと思います。

前2作では「家族の心象」を見せていたが、本作では過疎の村で地域医療に従事する医師とその周囲を描いています。
予告編を見て「え・・・鶴瓶が主役?また何とも微妙なトコロ持って来たなぁ(苦笑)、瑛太が客寄せパンダか?」と思っていたんですが、この監督さんは脚本や絵の撮り方も素晴らしいけど、配役も意外でありながらドンピシャな人材を配置する才能を持ってますね。映画を見終わったら伊野役は鶴瓶しか考えられない!
八千草薫さんの演技にもやられたけど(台所で背中越しに伊野に語るシーンなんてゾクゾクしましたよ)、井川遥さんが全く期待していなかったのに実にいい演技をしていました。

人は嘘をつく。生まれてから一度も嘘をついた事がない、なんて人はいない。
ではその嘘は善意なのか悪意なのか?善意から出た嘘であっても巡り巡って、または違う立場の人の目から見渡した時に悪意になる事もあるのではないか?・・・そんな禅問答のような、そして誰もが持つ心の闇を見せる作品でした。

高齢者ばかりの山間の過疎の村に敢えて従事したいと思う医師は少ない。
ところが本作では、伊野がその過疎の村で献身的に医療を続けている。感想を語る上でネタバレをせざるを得ないので書いちゃいますが・・・
  ※ 以下、完全なネタバレなので本作未見で情報を入れたくない人は読まないで下さい



伊野はこの村で高齢者医療に従事しながら村人達から大いなる尊敬を集めて信頼を勝ち得ている。
だがそれは過疎の村だから出来た事で、都会では通用しない。伊野本人だって判っている。

彼は何を思い、この村で医療行為を続けていたのだろう?
伊野がやらなければ、この村はいつまでも無医村で高齢者ばかりの村民達は日々のちょっとした治療、風邪を引いたとか腰が痛いとかいった些細でありながら治療を必要とする医療行為を受ける事が出来ない。
伊野はそんな村民達にとって救世主だっただろう。伊野もまた村民達が自分の医療行為で元気になったり明るい笑顔を取り戻す姿を見る事で、その使命感を充分に果たす事が出来ただろう。

でもそれは伊野の完全なる「善意」から発せられるものだったのか?

優秀な医師である父を持ちつつも自分はその後継者とはなれなかったコンプレックスがあったのではないか?また法外な報酬を手に出来た上に周囲からの絶大なる尊敬を得る事に快感がなかったと言えるのか?
「どうせ高齢者ばかりの過疎村だし、よもや高度治療技術を必要とするような事態はなかろうて」とタカを括って、自分の心地良い居場所を確保するのを目的にこの村にやって来た・・・そういう気持ちはなかったと言えるのか?

伊野のした事を人は「人情に厚い」と言うかもしれないが、本来医師ならば絶対にしてはいけない行為。
それがたとえ善意から発せられた嘘でも、嘘をつかれた家族側からすれば「悪意の嘘」になってしまう。善意でありながら別の角度から見れば悪意たらしめてしまう。善意と悪意は正に表裏一体。
そこには間違いなく伊野の善意から発せられるホスピタリティ精神が宿っていただろうし、また同時に「虚栄心」を満足させてくれるという悪意も意識外に横たわっていただろう。

でも、その思惑に一片でも悪意が混じっていたら、全てを「悪」と一刀両断出来るのか?
そこが人間心理の微妙なトコロだろうと思う。本作でも伊野が何を思い・どういう気持ちであの村に留まっていたのかについてははっきりと明言はしていない。
それは見た観客1人1人がこの映画の登場人物の誰に感情移入出来るかによって評価は変わるだろうし、作り手もまたその評価を観客が自分自身に投影させる事で様々に味わって欲しいと委ねる形式を取っている。

相変わらずこの監督、やる事が上手い。

完全なる「善」は存在しないし、完全なる「悪」も存在しない。
沢山の善意にほんのカケラの悪が混じっていたり、圧倒的な悪の中に同情すべき善が混じっていたりする。それが人間。
小さな嘘、大きな嘘に潜む善と悪。まるで自分の心の中を見透かされたような気分になる、全く持って素晴らしい秀作。








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2009年07月01日(水) トランスフォーマー/リベンジ

監督:マイケル・ベイ
出演:シャイア・ラブーフ
    ミーガン・フォックス
    ジョシュ・デュアメル、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
オートボットとディセプティコンとの死闘から2年、平穏な日常を取り戻したサムは大学進学の為に生まれ育った街を出る事になった。恋人のミカエラとサムの戦友であり守護者でもあるバンブルビーと離れて暮らす事に不安はあったものの、大学生活を謳歌するハズだった・・・ところが2年前にメガトロンを倒した時の「キューブ」のかけらをたまたま見つけたサムは、新たな戦いの渦中に飲み込まれてしまうのだった。


【感想】
2007年に公開された「トランスフォーマー」の続編。
って、説明するまでもないわねぇ。前作が超ツボったので、本作はものすごーく楽しみにしていました♪

いきなりですが、本作だけ見ても舞台背景は全く判らないんじゃないかなぁ?
前作も売れ売れヒットしたから、本作を見に行くのは前作ファンがほとんどかな?とも思うのですが、この手の続編って案外あるのが「前作は見てないけど続編まで出来るって事は相当面白いの?」と、前作を見ずにいきなり続編を見に行っちゃうパターン。結構そういう人っているよね?
そういう「人気らしいから見てみるか?」程度の人をバッサリぶった切った設定になってました。

まあ前作ファンには面倒臭い世界観の説明なんぞ必要ないのでどーでもいいんですが(をい)
それにしても、続編というのは「前作以上のスケールを!」というのがお約束なんでしょうね・・・このシリーズも前作ではアメリカの片田舎に住んでるクソガキと共にアメリカのどこぞでコソコソと戦うという程度のお話だったんですが、本作ではいきなり上海でド派手な戦闘をおっ始めたかと思ったら、海上戦やってみたり、果てはエジプトでピラミッド崩壊の危機ですよ。
「やwwwりwww過wwwぎwww」と思うものの、映像は相変わらずステキングなのでどーでもいい(こら)

スケールがデカくなったものの、所詮は「ガキの玩具を映画化」なのに変わりはないから設定が破綻しまくってクソ(笑)
もうコレね、内容にツッコミ入れちゃいけないんだよね。判っちゃいるけど余りにもスゴ過ぎる「アメリカさん思考」には笑うのを通り越して怒るのも更に通り越して呆れるしかないと言うのか・・・まあ、とにかく「世界の警察・アメリカ」は今日も相変わらず唯我独尊で頑張っています(苦笑)

映像が更にド派手になったのは「派手なバカ映画好き」としては大いに嬉しい&楽しいのでオッケーなんですが・・・
自分的に一番ツボった「トランスフォームするシーン」がごっちゃごちゃになって何やってんだか訳が判んない+戦闘シーンも地味な機械色が重なり合って何がどーなってんだかさっぱり判んないのが痛過ぎる。
前作みたいにシンプルな絵でいいのよ〜。青空バックでカチャカチャとトランスフォームを引きの絵で見せてくれた方がコッチはワクドキ出来るんだからさー!
本作、やたらアップ多用でトランスフォームシーンも何がどーなってるんだか判り難い。これ大減点よ(怒)

ヌルいコメディちっくなシーンは本作も踏襲。コレはいい♪
相手はどー見ても変体するマシンでしかないんだけど、でも本当は地球外生命体だからね。そこには友情も愛情も未練も同情も色んな感情が交錯する訳ですよ。正に未知との遭遇ですよ。
「オプティマスがあぁぁー!」・・・なシーンなんて、正直言うけど私ショックで泣いちゃいましたもん。
どんだけお前はオプティマスが好きなんだよと(苦笑)、いやだってオプティマスってイケメンじゃね?←違っ(^-^;

アメリカの片田舎から一気に地球規模に話が大きくなったものの、ちょっと判り難い設定で。
オートボット達は太古の地球から繋がりがあったと。はいはい、イイデスヨ。大昔の地球だろうが人間の進化だろうが好きに関わってもらっても構いませんが・・・だから何なん?←それ言うか
まー正直「話の内容、小難しくしてくれなくていいから。もっとシンプルに派手に戦うだけで充分だし」てな感じ。
この手の作品に「脚本の深み」だの「重厚感」だの求める人っていないでしょ?だからガキの玩具が元ネタだって!

そんなこんなで大風呂敷を広げ過ぎて話が長くなり過ぎ。
バカ映画なのに150分の上映時間はちと厳しい。話ももっとシンプルでいい。それからアメリカ軍は出張り過ぎ(笑)
どうせコレ、更に続編作って完全にシリーズ化する気でいるでしょ?だったら初心に戻って、アメリカの小田舎だけで細々とトランスフォームしながら戦って下さい。

「ド派手バカ映画」としては映像は本当にピカイチなんですからっ!その部分は思いっきり評価してますからっ!!








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