ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2007年04月28日(土) バベル

監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演:ブラッド・ピット
    ガエル・ガルシア・ベルナル
    菊池凛子、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
アメリカ人夫婦リチャードとスーザンは壊れかけた絆を修復する為に、子供を家政婦に預けてモロッコにやって来た。ところがバスの車中でスーザンが何者かに狙撃されて瀕死の重傷を負ってしまう。スーザンを撃った銃の所有者は日本人だと判明。銃の持ち主は聾唖の娘との親子関係に悩み、娘も満たされない思いに苛立っていた。一方リチャード夫妻の子供を預かっている家政婦は、息子の結婚式に出席する為に子供達を連れてメキシコ国境を越えるのだが・・・


【感想】
菊池凛子嬢が今年のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされて話題になった作品。
もし彼女がノミネートされなかったとしても、ブラピの新作+役所さん出演というだけで充分話題性はあったでしょう。
監督は「21g」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ氏。名前が長過ぎてアホのぴよには覚えられない(苦笑)

もう今更説明するまでもないと思うけど、タイトルの「バベル」は旧約聖書のバベルの塔のエピソードから名付けられているそうです。かつてバベルの町で人間達が傲慢になり、神に近付こうと天にも届く塔を建てようとしたが、神の怒りに触れて人間達はお互い意志の疎通が出来ないようにバラバラの言葉しか話せなくなり国が分かたれてしまった、という話。
ある事件に近因・遠因に繋がる国も立場も違う人々のエピソードをバラバラに見せて「言葉の隔たり」「心の隔たり」をテーマに綴っていく変則オムニバス系作品、という感じですか。
かつて見た「トラフィック(2002.1.1鑑賞)」という作品と、作り方が結構似ている。

話の一番メインになるのはブラピとケイト・ブランシェットが夫婦役を演じる「モロッコ編」で、このモロッコ編はリチャード夫妻の心の隔たりとモロッコ人との意思の疎通が出来ない言葉の隔たりの2つを核に見せている。更にモロッコ編ではスーザンを誤って撃ってしまったモロッコ人兄弟の模様も見せていて、このエピソードだけで映画1本出来るくらいの厚みがある。
メインエピソードに絡む形で、リチャード夫妻の子供達を預かっているメキシコ人家政婦の話、そしてモロッコの事件に使用された銃の所有名義者・日本人親子のエピソードが入る。

ところで、日本のエピソードは必要だったんだろうか?
メキシコ人家政婦の話はまだ直接リチャード夫妻と関わりがあるので見ていて違和感はないけど、日本パートだけが完全にこの映画のメインストーリーから浮いていると思ったんですけどね。
ハリウッド映画に日本人俳優を起用すると日本での興行収入がグッと増えるのを見越して、ムリヤリ日本人エピソードをくっ付けました!という感じしかしない。なんだか・・・この話はぴよにはかなり不快です。

菊池凛子嬢のオスカー助演女優賞ノミニーで注目度が上がるのは当然としても、いくら聾唖の思春期少女とは言えここまですっ飛んだ設定ってのはちょっと・・・確かに性に興味を持って当たり前のお年頃かもしれませんが、いくら会話コミュニケーションが取れない事に苦しんでいても、ここまでゆがんだ性衝動を持つというのは理解に苦しみますよ。
聾唖の方々がご覧になったら噴飯モノじゃねーの?と思ったら、やっぱりその方面から抗議が来ているとか。

・・・と散々ブータレてますが、実を言うと本作の映画の作り自体は結構好きです。
言葉の壁、心の壁、国境の壁、人と人とを隔てる様々な壁を様々なシチュエーションで見せる手法は面白いし、それぞれのエピソードの時間軸を微妙にズラして見せる事で観客を惑わせようとさせつつ、個々のキャラクターの心情の動きを巧みに見せるように工夫されていたと思う。
特にモロッコパートはこの時間軸をズラす手法で、より夫婦の心の動きや彼らの心を隔てていた背景をさりげなく観客に見せる事に成功していたんじゃないかな?と思いましたね。

一緒に本作を見ていた相方は「結局アメリカさんが救われればそれでいいのかよーぅ!」と吠えてましたが(苦笑)
そういうもんでもないでしょ。モロッコ人兄弟とあの家政婦さんはすっごく切なかったけど、モロッコ人兄ちゃんの命は助かったんだろうか?助かっていて欲しいし、弟の心も救われて欲しい。それから家政婦のおばちゃん、大国との国境の壁に阻まれて辛い思いをしたけど、息子は優しいいい子に育ったよね。親子の絆は深いですよ。幸せになって欲しい。
人と人を隔てるものがあれば、それを繋ぐ何かもきっとある。そういう希望を感じさせる作品だと思いました。

せめて・・・もう少し日本パートがモロッコネタに絡むようなエピソードだったらなぁ。
インパクトは日本パートが圧倒的にあったけど(そりゃーあれだけ脱ぎ散らかせばな。苦笑)、あれは不快ですよ。
そして実はぴよが本作で一番楽しみにしてたガエル君が・・・トンデモ兄ちゃんだった件(しくしく)
でも相変わらずガエル君は可愛かったし、それに本作は音楽もすごく良かったですよ。うん♪

万人受けはしないだろうと思いますが、ツボに入った人にはきっとかなりの高評価でしょう。クセの強い作品ですね。







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2007年04月27日(金) ストリングス(STRINGS)〜愛と絆の旅路〜

監督:庵野秀明(日本公開版)
声の出演:草なぎ剛(ハル)
      中谷美紀(ジータ)
      優香(ジーナ)、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
手足や頭から天空に向かって操り糸が伸びているマリオネットの世界。この世界の片隅にあるヘバロン王国は何百年にも渡り戦争が絶えず、国王カーロは自らの罪深き統治を悔やみ、息子のハル王子に国に平和をもたらすようにと遺書を書き自害した。ところが遺書を先に見つけたカーロの弟ニゾは、国を我が物にしようと遺書を破り捨て、王は敵対するゼリス一族の長に殺されたとハルに吹き込む。ハルはニゾの言葉を信じ、父王の仇打ちの為に旅に出るのだが・・・


【感想】
カンヌ映画祭で絶賛されたデンマーク製作の「ドール・ムービー」を、日本公開するに辺り「新世紀エヴァンゲリオン」の監督等で知られる庵野秀明氏が日本公開版用監督になり、オリジナル作品に多少手が加えられているらしい。
公式サイトを見てもオリジナルの作品と何がどう変わっているのか書いていないので、何が違うのかが判らない。そうなると元々カンヌで上映したデンマークのオリジナル作品が妙に気になる所なんですが(苦笑)

今までにもマリオネットを使ったドール・ムービーやクレイアニメ等は数多く作られていますが、既存の考え方だとこれらの職人芸的な作品というのは「いかに観客に人形が演じていると感じさせないか」「いかにリアルに見せるか」というのが一番苦心する部分だったんじゃなかろうかと思う。

ところが本作は全く発想を逆転させて、マリオネットという存在を最大限アピールする設定になっているのが面白い。
普通ならマリオネットを操る糸というのは最も観客に注目してもらいたくない部分のハズ。ところが本作は「操り糸」こそがマリオネットの命であり魂であり、感情を表し人形達の「生」を表現する為の重要なツールになっている。
体の全てのパーツから糸が伸びているけど、やっぱり一番重要なのは頭を動かす糸。頭から伸びている糸が切れるとそのマリオネットは命を失うという設定になっている。

この操り糸には色んな意味を持たせていて、生命を司っているというのも重要だけど・・・例えば自分と心を通わせて愛し合う相手とは天空に伸びた糸の先が繋がっているんだよ、という設定にもなってたりする。これは正に「運命の赤い糸」って感じだし、戦闘シーン等もお互いが傷つけ合う様を見せずに天空から伸びる糸が次々と切れて落ちていく様を見せる事で、戦の無常さや惨さや命の儚さを表現している。
妙にリアルな惨殺シーンを延々と見せられるより、本作の戦闘シーンの方が心情的に訴えられるモノがありましたよ。

ぴよが個人的に「うっわー♪」と思ったのは、ハルとジータが結ばれるシーン。
何となくムフフ♪な感じになってCHU☆した後は・・・最近過激な性描写シーンが当たり前になってる昨今、何もそれらしいものを見せないで「操り糸」だけでこれだけ情緒的で官能的なシーンが作れるって、これはもう本当にスゴイ!
生本番を見せ付けられるよりも(こらこら)断然本作の方が「うふーん♪」な気分になっちゃいます♪

作品が発するメッセージや表現・演出等は本当に素晴らしいと思ったんですが・・・
正直言って草なぎ君は声優をやらない方がいいんじゃないの?余りにもセリフが棒読み過ぎるでしょ(^-^;
映画冒頭から市村正規さんや伊武雅刀さんが素晴らしい声優っぷりを披露してくれた後に、いよいよ草なぎ君声優のハル王子が登場したら・・・腰が砕けましたよぅ〜(涙)
しかし慎吾クンはなかなかいい。ってかスタッフテロップ見るまで慎吾クンが声を当ててるって判らなかった。それから女性陣もそれぞれキャラクターに合ってたと思うし、劇団ひとりさんも全く違和感なし。1人草なぎ君だけ浮きまくってますよ。

アイドルに声優をさせれば話題性も出て観客動員を望めるという思惑は判らなくもない。
草なぎ君だって役者としてドラマに出ている分にはなかなか味があっていいキャラだと思う。
でも「俳優」と「声優」は必ずしも同じ資質ではないと思う。確かに俳優であっても声優として表現力の豊かな才能をお持ちの役者さんも数多くいるのは認めるけど、少なくとも草なぎ君には「声優の資質」は持ち合わせていないと思うんですよ。

正直、ハルの声がもっと声優の資質のある方(又は本職の声優)だったら、本作の評価はもっと高くなったと思う。
日本では吹替版しか公開しないんだから、もう少しこの点は考えて欲しいですよ。作品自体は素晴らしいんですから。







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2007年04月26日(木) 眉山 -びざん-

監督:犬童一心
出演:松嶋菜々子
    大沢たかお
    宮本信子、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
東京の旅行代理店に勤める咲子は、一人暮らしの母が入院したという知らせを聞いて久し振りに徳島へ帰郷した。チャキチャキの江戸っ子でかつて「神田のお龍」と呼ばれた母・龍子の威勢の良さは相変わらずだが、主治医から母が末期ガンだと知らされて戦慄する。独断専行で父の事すら教えてくれない母に寂しさと苛立ちを募らせていた咲子だが、病院で知り合った医師・寺澤の後押しで、母の過去の苦しい恋愛を辿る決意をする。


【感想】
さだまさし氏のベストセラー小説の映画化。
過去にも「精霊流し」「解夏」が映画化されていますね。さだ氏の原作小説を読んだ事が一度もないんだけど、何故か映画だけは全部見ていたりする。(しかも全て試写会ってのがまたセコい。苦笑)
「解夏」に登場していた大沢たかおクンが本作でも登場。確かに彼はさだ氏の小説キャラにとても似合うんだけど、もしかしてさだ氏は自分と大沢たかおクンってキャラ被ってるぅ?って勘違いしてるんじゃ・・・と心配になる今日この頃(笑)

予告編を見れば「末期ガンの母親の過去の恋愛(不倫)を探るヒューマン」だと誰もが察しが付きますが、勿論それが一番大きな柱になっているとは思うものの、それ以外にも「献体」という珍しいネタがテーマにもなっていました。
「献体」ってご存知ですか?知らなくても本作を見れば説明してくれるので、映画見てお勉強しましょう(^-^;

まー、とにかく宮本信子さんはスゴイ!
宮本さん演じる「龍子」は神田の生まれのチャキチャキ江戸っ子(美空ひばりの歌の歌詞みたいだな)、訳あって東京から徳島に移住して(コレは作品中のネタなので理由は書きません)徳島市内一の評判の料亭のおかみをしていたという設定なんですが・・・ホントにチャキチャキだ!すんげーカッコイイ!!
完全に主役の菜々子嬢を食っちゃってましたね。と言うよりも映画の内容を考えると菜々子嬢は狂言回し役で、宮本さんが主役と言ってもいいと思うな。うん。

宮本さんが異常な程のオーラを発しているので、菜々子嬢はちょっと分が悪い。
慣れない徳島弁はたどたどしい感じだし(いや、徳島弁を知らないのにこの言い方は良くないか)、大沢クンもかなり身長は高いと思うんだけど、それにしても菜々子嬢はデカい。2人のラブシーンなんてどうかすると大沢クンの方が背が低く見えるくらいデカさがやたら目に付くよ。演技も「いつもの菜々子ちゃん」ですしね・・・でも可愛いからいいや♪(をい)

話の内容自体は結構予想通りの展開なんだけど、王道泣かせヒューマン物として良く出来ていたと思いましたね。
阿波踊りのシーンが圧巻でした。ちょっとムダに踊りを見せるシーンが長過ぎる感はあったものの、この映画を見ると徳島に旅行に行きたくなる率がかなりアップしますので「ご当地映画」としては充分アピール出来てると思ったな。

母の過去の恋愛のあらましを、彼(咲子の父)との書簡を読む事で再現されているのですが、映像も古っぽく作って見せてくれていて叙情的でこの映画のカラーに合っていて良かった。
父と対峙するシーンも・・・夏八木サンがまた上手いんだなぁ〜!菜々子ちゃん、また食われちゃったじゃーん(^-^;
本作、キャスティングは完璧でしたね。菜々子嬢の事を辛らつに書いてますが、彼女も本当にキャラは合ってましたよ。

映画の前半、「献体ネタ」の中である説明があるのですが、見ていて「コレは何かあるな」と思っていたものの、その後の展開と宮本サンのため息モノの熱演と阿波踊りの熱気ですっかり忘れちゃってて・・・ラストシーン、すっかり忘れてたネタが登場した時には不覚にも涙がこぼれてしまいました。
長い間確執のあった母子関係、知られざる母と父の悲しく切ない恋、そして今ある自分。それらが全て氷解して1つになるその瞬間を切り取ったかのようなシーンでした。

「不治の病系のありきたりで地味なヒューマン物」だと言ったらそれまでですが、日本人の琴線に触れる作品です。
とにかく宮本さんの熱演ありき、ですね。龍子役を彼女が演じなかったらこれ程泣けなかったかもしんないっ!







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2007年04月25日(水) ユアン少年と小さな英雄

監督:ジョン・ヘンダーソン
出演:オリバー・ゴールディング
    ジェームス・コスモ
    グレッグ・ワイズ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
19世紀中期のスコットランド・エディンバラ。旧市街の貧困地区に住むユアン少年は、警察官ジョン・グレンが飼っているテリア犬の「ボビー」と大の仲良しだった。ところがグレン氏が病死してしまうと、ボビーは主人が埋葬されている教会の墓地に入り込み、主人の墓を守るようになった。教会は犬の立入りを禁止しているので管理人は何度もボビーを追い出すものの、決して諦めずに主人の墓を守る姿に、次第に周囲の感動を呼び人気犬となるのだが・・・


【感想】
19世紀にスコットランドに実在し、ご当地では教科書にも載る超有名犬「ボビー」の史実を脚色し映画化したもの。
過去にディズニーが1961年にこの犬を題材にした映画を製作しているそうですが、本作の方がボビーの周囲の状況をより史実に則った形で再構築してあるそうです。ただしタイトルにもある「ユアン少年」のキャラクターは完全な創作人物。

「忠犬ネタ」というのは世界共通で人の感動を呼ぶものです。
日本でも「ハチ公」が今も渋谷駅前で銅像となって主人の帰りを待っていますが、本作のボビーもエディンバラに銅像が建っているらしいです。英雄が銅像になるのは世界共通なんですね。

ボビー伝説自体は「主人の死後14年間もの長い間、主人の墓を守り続けたアッパレな犬」という事らしいですが、既に肝心の主人が亡くなってからがネタなので「主人と犬の心温まる交流」部分を見せる事が出来ない・・・という訳で、本作はド貧乏な上不遇な身の上だが賢い少年「ユアン」という創作人物を登場させて、「少年+犬」というこれまた王道感動動物モノという態を取りながら、少年をとりまく環境・・・当時の貧困層の実情だったり、貧困地区の改善を訴える教区の牧師と町の有力者達の対立等を盛り込んで、単なる「お子向け動物モノ」にはしないぞ!という気概を感じさせてくれます。

気概は感じさせてくれるんだけど、どうもピンと来ない。←また吠えかよ(苦笑)

ただ墓守してるだけの犬の話じゃー面白味もなければ感動も出来ないという配慮なのか?様々なエピソードを差し挟んでいるのですが、それぞれのネタが肝心の「忠犬ボビー」との繋がりを余り感じさせずに空回りしている感じ。
特に悪玉の町の実力者達が何故あそこまでボビーを目の敵にするのか、映画を見ていてよく判らない。自分達の悪行を貧困地区の住民達がボビーに絡めて風刺しているらしい?のですが、たったそれだけの事であそこまで躍起になってボビーを捕らえようとするというのはどうも合点がいかないんですよね。

ボビーの忠犬振りが市民の間で評判となって、やがて新市街(富裕層)からも見物客が押し掛ける様になるというのが本来この映画のオチに対する一番のミソだと思うのですが、枝葉のどうでもいい?エピソードを盛り込んで見せる事に頑張り過ぎたのか?新市街にまでその評判を轟かせたという肝心の「ボビーの忠犬振り」をアピールするエピソードがまるでなかったのは痛いと思う。突然降って湧いたように「ボビー観光客」が現れるので、あんた達いつの間に評判聞いたんだよ?と、思わずツッコミ入れたくなる(苦笑)

多分、本作の作りでもご当地の方々が見れば物凄く判り易くて感動的な話なんだろうと思うんですが、当時のエディンバラの貧困層の実情と歴史やボビーの「英雄伝説」自体を全く知らない日本人が見ても、この映画が訴えている部分に全く共感も出来なければ感動も出来ないし・・・正直「訳が判らない」
スコットランドの子供達には判り易い話かもしれませんが、日本のお子様は見ても理解出来ない可能性大。

だから少なくとも「日本人のお子向け」という作りではないし、かと言って「大人向け」とも言い難い。
最低でもスコットランドの歴史、エディンバラの歴史、ボビー伝説自体を多少は勉強してから見る事をオススメしますね。







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2007年04月22日(日) クイーン

監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ヘレン・ミレン
    マイケル・シーン
    ジェイムズ・クロムウェル、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
1997年8月31日、ダイアナ元皇太子妃がフランス・パリで交通事故死した。既に離婚が成立していてイギリス王室とは関係のない民間人ではあるものの、将来の国王の母であり離婚後も精力的に活動する彼女は、イギリス国民に絶大な人気を誇っていた。エリザベス女王は王室としてコメントする必要はないと突っぱねるが、マスコミは激しい女王バッシングを展開し、最早一刻の猶予もなくなってしまう。そこへ就任したばかりの若きブレア首相が橋渡しを買って出たのだ。


【感想】
本作のエリザベス女王を演じ、ヘレン・ミレンが本年度アカデミー賞主演女優賞を受賞。おめでとーございました!
10年前にイギリス国民だけでなく世界中を悲しみの涙で包んだダイアナ元妃の事故死。ダイアナの死後、彼女とエリザベス女王の確執が随分とマスコミでバッシングされていましたが、本作は特にダイアナの死後1週間の出来事を中心に取り上げて「あの時本当は女王は何を思っていたのか?」という暴露ネタ。

やはりオスカー受賞という事で、ヘレン・ミレンの演技に目が行きますよね。
確かに上手い!ぴよはエリザベス女王と知り合いでもなきゃー直接お会いした事もないので(当たり前)、実際の女王の日常がどんな様子でどんな話し方でどんな所作なのかよく知らないのですが、射竦められそうな威厳のある視線、気品高い歩き方や立ち居振る舞い、落ち着いた物腰と話し方・・・「きっと実際のエリザベス女王もこんな気高いお方に違いない」と思わせる、エリザベス女王がご覧になっても大満足されそうな演技だったんじゃないでしょうか?

他の役者さんも、それぞれ実物に似た感じの役者さんを取り揃えて「いかにもこんな様子っぽい」演技をしてます。
皇太后なんてすっごく可愛いおばあちゃまだったわ。あーいう毒舌婆さん、結構好きですよ(笑)

ところで、どうしてダイアナの死後10年経った今、この映画なんでしょうか?
映画の構成は在りし日のダイアナ元妃の映像を時折挿みながら、そこへ役者さんの演技した映像を入れ込んで、さも本作の内容が正真正銘のイギリス王室のあの時の事実なんですよ、と誘導している訳ですが。
「誘導」って言い方は失礼か・・・でもどうも何かプロパガンダ臭がするなぁ〜と思うのはぴよだけなのだろうか?

「ダイアナは生きていても、死んでも(王室に)迷惑を掛ける」等と結構辛らつな事も言っていますが、チャールズが王室ジェットを飛ばしてダイアナを引き取りに行くと言うのを反対するのも、単に「ダイアナはもう王室の人間じゃない」という理由だけではなく、かねがね高額な王室費をバッシングされている事に胸を痛めている女王は、既に王室の人間でなくなったダイアナを王室ジェット飛ばして引き取りに行ったら、またマスコミに叩かれるんじゃないか?と心配しての事だし、バッキンガム宮殿に直ぐに戻らないのも、母親を亡くした幼い王子2人をマスコミの前に連れ出して更に傷付ける事のないように配慮しただけだし・・・と、まあ何もかも実に上手い具合に理由付けがされています。

それにブレア首相という人物がまた、とんでもなくクレバーで素晴らしい人格者です。
いや、別にブレア首相が嫌いな訳でもないし興味もないしよく知らないお方なので、クレバーで素晴らしい人格者に描かれてるからといって文句垂れるのはおかしいんですけどネ。
きっと本当にこの映画のような素晴らしいお方なんだろうとは思いますよ。←ホントかよ?(苦笑)

いやそれにしても・・・なんだかなぁ〜、という感じがしたんですよ。
別に自分の国の話じゃないんだからどうでもいいんですが、実際の話ダイアナとエリザベス女王は仲良しだった訳じゃないだろうし、本当に「目の上のたんこぶ」くらいに思ってたんだろうし、ブレア首相も就任早々エライ目に遭っちゃったものの、この一件を上手く仕切る事が出来れば支持率アップだけでなく英国王室に貸しも出来て一石二鳥の大チャンス♪と思っててもおかしくないだろうし。

なーんか何もかもが「美し過ぎて」面白味がない。
もっとドロドロだったんちゃうん?王子2人の為とか言ってるけど、結局逃げてただけなんちゃうん?と思ってしまうぴよは、もう更生の余地もない性根の腐った2ちゃんニートってヤツなんでしょうか(薄涙)

役者の演技は確かに素晴らしかったけど、内容自体に「感動したー!」とか「エリザベス女王万歳!」とか「ブレア素敵」という気持ちには全くなりませんでした。別にぴよが英国王室やブレアを支持しても意味はありませんけどね(^-^;





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2007年04月20日(金) ブラック・ブック

監督:ポール・バーホーベン
出演:カリス・ファン・ハウテン
    セバスチャン・コッホ
    トム・ホフマン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
1944年、第二次世界大戦下でドイツに占領されているオランダ。ユダヤ人の元歌手ラヘルは既に解放されているオランダ南部へ逃亡しようとするが、ドイツ軍の急襲に遭い家族を惨殺されて財産を取られてしまう。命からがら逃げたラヘルは復讐を誓いレジスタンスに身を投じ、ドイツ軍将校ムンツェにその美貌を武器に近付いて女スパイとなった。ところがムンツェの優しさに触れた彼女は、次第にムンツェを愛するようになるのだが・・・


【感想】
今年の米アカデミー賞外国語映画賞のオランダ代表作品。
実際に受賞したのは「善き人のためのソナタ(ドイツ製作・2007.3.19鑑賞)でしたが、本作も善き人の〜と割と近しいネタの作品だと思います。善き人の〜は大戦後の東西分断中の東ドイツの話でしたが、本作はそれより以前の対戦中のドイツに侵略されているオランダが舞台。

何と本作は「善き人の〜」と同じキャストが出演している。
ドイツ人将校ムンツェを演じたのが、善き人の〜では才能溢れる劇作家ドライマンの役で登場していました。彼はどちらが受賞しても「オスカー作品に出演した名優」という名を勝ち得た訳ですね・・・いや、実は本作を見ていて「この人、絶対に最近見た事あるハズだけど何で見たんだろう?」と思っていたんだけど、最後まで判らなかった。それだけ役柄でキャラクターを使い分けられる素晴らしい才能をお持ちなんでしょう。

本作は「ロボコップ」「氷の微笑」等のハリウッド映画を撮るポール・バーホーベン監督が、実に23年振りに故郷のオランダに戻ってメガホンを取った作品だそうですが、バーホーベン監督らしい「リアルな惨殺シーン」と「やたらエロティックなシーン」をふんだんに盛り込んだサスペンス仕立てといった感じです。

こんな書き方をすると「ああ、あのラジー賞授賞式にご本人登場で会場を沸かせた監督さんねー」と、駄作をイメージしてしまう方も多いんじゃないかと危惧するのですが・・・本作は実に良く出来た素晴らしい作品だったと思います!
正直「善き人の〜」と両方鑑賞した今、どちらが受賞してもおかしくなかったと思える出来だったと思いますね。

「サスペンス」と上に書きましたが、映画冒頭で戦後イスラエルに渡ったラヘルと戦中ドイツ軍で共に働いたロニーが再会するシーンで始まり、ロニーに出会った事で過去を回想する・・・という形式で映画が構成されているので、最低でも「何が起ころうが主人公のラヘルが死ぬ事はない」というのは織り込み済みで鑑賞する事になります。
そういう意味では「一体ラヘルはどーなっちゃうのぉ!?」という不安はないので、サスペンス色がイマイチ押し出し難いのではないか?と、個人的にはちょっと不安になりながら映画を見ていたのですが・・・

なんのなんの!シロートのエセ映画好きが心配する必要なんざー全くありませんでしたわ(苦笑)
「ラヘル」という数奇な運命を辿る女性の半生を見せる事を主軸に、当時のレジスタンス活動家達の様子、ユダヤ人の様子とそれを手助けするレジスタンス活動グループとの関わり、ドイツ軍将校達個々の思惑や裏工作、レジスタンス側・ドイツ軍側双方の裏切りと密通者探し、そして主人公ラヘルとドイツ軍将校の心の交わり等々、非常に多くのネタを盛り込みながら、どのネタも実に丁寧に「ネタ振り→収束」まで見せてくれます。

流石のバーホーベンフィルムだけあって、やたらかたらお姉ちゃんが脱ぎ散らかします(笑)
でも脱ぎ散らかしてもそれほどムダにエロいという感じはしない。ネタがストイックな事もあるけど、彼女達が体を張って生きる理由付けが充分されていたし、観客もそれを納得して見られる丁寧な描写だったと評価していいと思いますね。

オランダ人監督が当時の自国を描いているのに、決して「ドイツ=絶対悪」という描き方をしなかった、むしろレジスタンス側(オランダ人)の裏切り、そして戦争終結後に自国民同士でありながら「ナチに擦り寄って生きた奴らを迫害する」という醜い部分をきちんと描いたのはとても勇気のある事だと思うし、非常に評価出来るし好感を持ちましたね。
タイトルの「ブラック・ブック」そして映画中に度々登場する「チョコレート」等の小道具の使い方も、後のネタ明かしのシーンで効果的に使用されていて、実にいい脚本だったと思いました。

痛ましい戦争、そして「戦争」という名の魔物に翻弄される人々、敵にも味方にも等しく良い人間もいれば私利私欲に走る汚い人間もいる。そして戦中のみならず戦後に到っても差別と迫害が待ち受ける。
映画冒頭に登場するキブツ(イスラエル国内にある労働ボランティア共同所)に何故ラヘルが移り住んでいるのかという部分まで、この映画のサスペンスネタに絡めてきっちりネタを収束させるという芸の細かさには、思わず舌を巻きました。

「ユダヤ人迫害ネタ」と言ってしまうと、昨今多く製作され過ぎて食傷気味になってしまう人も多いと思いますが、本作は確かにユダヤ人女性の半生が主軸の構成にはなっているものの、決して単なるユダヤ人迫害ネタではありません。
是非多くの方に鑑賞して欲しい、素晴らしい作品だと思いましたね。








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2007年04月19日(木) かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート(日本語吹替版)

監督:ウィルソン・イップ
出演:ドニー・イェン
    ニコラス・ツェー
    ショーン・ユー、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
正義の為に武道に精進する「龍虎門」の愛弟子・タイガーは、悪の組織「江湖」とトラブルを起こし、そこで恐ろしく強い江湖の用心棒に出会う。その用心棒・ドラゴンが幼少期に生き別れた実の兄だと知ったタイガーは、龍虎門に戻って来て欲しいと切望する。江湖のボスが引退を決意したのを機に龍虎門に戻ろうとしていたドラゴンだったのだが・・・


【感想】
香港で35年以上に渡り愛され続けているベストセラーコミック「龍虎門」の映画化。
コレを香港映画界の巨星(と言ってもいいでしょ♪)ドニー・イェンがアクション監督兼主役「ドラゴン」を演じ、弟のタイガー役を香港映画界の貴公子(と言って勿論いいよね?)ニコラス・ツェー君、そして龍虎門に弟子入りしようと頑張る青年ターボ役を香港芸能界のトップアイドル(よく知らないけど多分そうよね?苦笑)ショーン・ユー君が演じています。

予告編を見た段階で「こりゃーすげー豪華なキャスティングのウルトラB級アクションコメディだな♪」とかなり期待していたのですが、蓋を開けてみると内容はかなり本気のシリアス路線。

でも、確かに脚本はシリアス街道まっしぐらなんだけど、何か滑稽なんですよね。アクションの展開はいかにもコミックらしい雰囲気がモリモリ出てますし、CGやワイヤーアクションをふんだんに使う事で有り得ない動きで楽しませるという類の「こんな下らない事を大真面目にやっちゃって、もぉ〜」という感じの滑稽さに溢れています。
・・・日本のコミックで言うと「北斗の拳」を実写化したらこんな感じになるのかなぁ?って感じ。

基本的には「CGなしの本格アクション」が好きなぴよですが、香港映画のこういうお遊び的作りも結構好きです♪
CGやワイヤーを駆使しているとは言え、役者さんの動き自体はかなりいいですし、アクションがハリウッドのアクション映画に比べてちょっと泥臭い所がまたいいんだな。

ドニー・イェンのアクション技術は誰もが認める所ですから、文句のつけようがありませんよネ♪
手技を駆使したキレのある動き、棒術の滑らかで洗練された一連のアクションの流れはとにかく素晴らしい!
ところでニコラス・ツェー君は特にアクション俳優という訳ではないでしょうから、随分アクションシーンには苦労されたんじゃなかろうかと思うのですが、コレも彼のスタイルの良さを生かして回し蹴りを多用した足技を中心にする事で、映像が派手で華やかになるように工夫されていました。
手技は本格的なカンフーや武術の基礎がなければ難しいと思うので、この選択は良かったと思いますよ。

話の展開も「いかにも香港映画!」という感じの垢抜けない作りで(苦笑)、昔のカンフー映画を見慣れている人だったら充分許容範囲だろうと思うのですが・・・まあ、はっきり言うけど説明不足だしキャラの掘り下げはなってませんヨ(^-^;

でもこういう垢抜けない作りだからこそ香港映画は楽しい。
コレがもしも「ドラゴン役:ブラッド・ピット、タイガー役:レオナルド・ディカプリオ」でワーナー配給、監督ウォシャウスキー兄弟だったら、今頃吠えまくってるトコロですよ!(^-^;
ハリウッド・アクションとは絶対に何かが違う泥臭さ♪それが香港映画の魅力だと思う訳です。

そういう「香港アクション映画」をこよなく愛してくれる、そんな泥臭いアナタにはオススメです(笑)
しかし、映画の質(脚本)自体を考えると決して誉められた出来ではありませんので、そこんとこ心して下さいネ








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2007年04月16日(月) ラブソングができるまで

監督:マーク・ローレンス
出演:ヒュー・グラント
    ドリュー・バリモア
    ブラッド・ギャレット、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
80年代に爆発的な人気を博したグループ「PoP」のボーカルだったアレックス。解散後は鳴かず飛ばずで、今では懐かしのスター番組で取り上げられたり遊園地で営業をして「過去にすがる」生活。ところが若者に大人気の歌姫カーラから「新曲を書いて欲しい」という依頼が入る。またとない復活のチャンスだがアレックスは作詞が大の苦手。ところが植木の世話に来たバイトのソフィーに作詞の才能があると気付いたアレックスは、嫌がるソフィーを必死で作詞するように説得するのだ。


【感想】
ヒュー×ドリュー共演の新作ラブコメ。
互いに「ラブコメ王」「ラブコメの女王」と呼ばれる2人だけど、共演するのは初めてだそうだ。意外な感じですね。
監督はヒューとも相性のいい「トゥー・ウィーク・ノーティス」のメガホンを取ったマーク・ローレンス。

本作の予告編を見た事がなく、映画ポスターを見ただけでどういう話なのか全く知識がない状態の鑑賞だったので、映画冒頭でいきなりヒューがすっ飛んだ衣装とメイクで腰をフリフリ歌って踊るPVが流れた時にはひっくり返りそうになった!
てっきり「売れない作曲家」の役だとばかり思ってて・・・本作でヒューは80年代にブイブイ言わせた(←死語)アイドルスターの役を演じてらっしゃったんですね。いやぁ〜!ハマり過ぎてて怖いくらい!!

あの当時はぴよ自身も随分ポップスロック(当時はまだユーロビートとも言わなかったと思う。ユーロビートという言葉を使うようになったのは80年代も後半になってからじゃないだろうか?)に心酔して、雑誌「ロッキンオン」の通販でカルチャークラブのTシャツを購入したり、毎週小林克也氏司会の「ベストヒットUSA」や「SONY MUSIC TV」等を見るのが楽しみだった。
・・・そういう世代(ぴよと同世代)の人だったら、本作は確実に楽しめる!

本作の楽曲は全て映画用に書き下ろしたオリジナルだそうですが、コレがまたよくぞここまで80年代を再現出来たものだと感心するほど「懐かし〜い」匂いのするメロディに仕上がっている。
この映画のサントラアルバムは80年代ポップスが大好きだった人なら購入決定ですね。ぴよは買いますよ!

ヒュー演じるアレックスのキャラクターがまた気持ちいいくらいに軽薄で可愛い(笑)
すっかり「過去の人」扱いされてるんだけど、自分もそれを認めて受け入れちゃってるので、冷静に聞いたら普通は相当ムカツク事を言われてると思うんだけど、全く堪えてない。むしろギャグにして笑い飛ばしちゃう。
こういうキャラって見てて気持ちいいし好感持てるんですが・・・「何としても返り咲きたい!」という野心を余り感じさせないので、ソフィーに何としても詩を書かせようとあそこまで口説き落とそうとする姿にちょっと違和感があったかな。

まあ、要するに「ラブコメ」としての内容自体は凡庸で、とりたてて面白いとは思わなかった。
正直言って途中かなり中だるみした感じ。ドリュー演じるソフィーはとってもキュートでちょっぴり変わり者っぽいキャラクターとして描かれていて、これはこれでとても魅力的なんですが・・・自分が受け入れられない事があるとアレックスの迷惑を考えずに独断専行で突っ走る。一度引き受けた仕事なのに、自分の思い通りに行かないと無責任に放棄しようとする。辛い事から直ぐに逃げようとする。

勿論彼女のそういうキャラクターが、最終的に全ていい方向に収束するように出来ているので問題ないのですが、ぴよは見ていてソフィーにイライラしましたね。
アレックスがブチ切れてソフィーに「君はあの本の通りだよ!」と畳み掛けるシーンがありますが、アレックスの言う事は何もかもがごもっともですよ!アレックスもっと言ってやれー!って気になっちゃいましたよ(苦笑)

そんなこんなで、映画としては「3歩歩いたら忘れる」系のどーでもいいラブコメなんですが(をい)
80年代音楽が大好きだった方は申し分なく楽しめるでしょう♪デートムービーにもぴったりの一作。






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2007年04月13日(金) ロッキー・ザ・ファイナル

監督:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン
    バート・ヤング
    アントニオ・ターヴァー、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
かつてボクシング界の頂点を極めた伝説のボクサー・ロッキーも老境に入り、現役引退後は愛妻エイドリアンの名を付けたレストランを経営する穏やかな生活を送っていた。その愛妻も数年前に他界、息子は父親の七光りを毛嫌いしてホワイトカラーになり、独立して家を出て行った。エイドリアンとの思い出を引きずり孤独な日々を過ごすロッキーだったが、ある日かつては不良娘だったものの今はシングルマザーとして頑張るマリーと再会、そして彼はある決意をするのだった。


【感想】
ロッキーシリーズの最新作・・・ってか、コレがホントにシリーズラスト?
邦画のタイトルは上記の通りですが、全米公開された原題は「ロッキー・バルボア」、ロッキーのフルネームだけで決して本作がファイナルだとは謳っていません。こんな邦題付けちゃって、もし数年後に更にロッキーシリーズが作られたら、この邦題付けた配給会社の宣伝担当マンはクビですよ(苦笑)

ロッキーシリーズは固定ファンがすっごく多いだろうと思います。
だからこそ過去に5作品も作られたんだろう。しかしながらぴよは子供の頃からロッキーシリーズには全く興味なし。
アクション映画は好きだけど、スポ根系って結果ミエミエだからあんまり好きじゃないし、スタローン自体も余り好きになれなかった事もあって、本シリーズを一度も映画館で鑑賞した事がありません。
もっと言うと、TVの洋画劇場でシリーズ1作目を見た事があるな・・・程度です。

そんな訳で本作ですが。
うる覚えの記憶しかないけれど、基本的な流れは「シリーズ1作目の設定を変えたリメイク?」という感じ。
演じてる人が同じなんだからリメイクってのも変だな。「1作目に対するオマージュに溢れた展開」と言うべきか。

映画中盤までは「エイドリアンとの思い出を辿る旅」みたいな感じで、ファンに懐かしいシーンを継ぎ接ぎで見せながらかつての栄光を思い出して頂きましょうという感じ。
で、何がきっかけなんだかよく判らなかったんだけど(こらこら)、突然「俺だってまだ夢を追い掛けたいんだぁー!」と猛然と立ち上がって、そこからはロッキー爺さんが1作目の名シーンを再現しながら1作目と同じ展開を繰り返す。
・・・あ、コレってもしかしてネタバレかも?(^-^;

多分本作が最も言いたい部分は、再びリングに上がる決意をしたロッキー爺さんに、息子が「ハズいから止めれ」と文句垂れにやって来た所で猛烈に息子に熱く語るセリフ部分だろうと思われます。
その後の展開の全てがこの息子に語る説教に集約されている。ってかこんなシーン見なくても、観客はみーんな何が言いたいか判り過ぎるくらい判ってるんですがネ。

ワンコと一緒に走ってみたり、肉屋で一人スパーリングしてみたり、フィラデルフィア美術館の大階段登ってお得意のポーズを決めてみたりと、どこまでもファン・サービスを忘れない。ってかサービスし過ぎ?(苦笑)

ファン・サービスは往年の名シーンの復刻だけに留まらない。
誰がどう見ても勝ち目はない(劇中でも言われてるけど、実際これは有り得ない)対戦なんだけど、ロッキーは不死鳥の如く立ち上がって今回もボッコボッコと遣り合う訳です。
冷静に考えると本当に滑稽だしリアリティなさ過ぎるんだけど・・・でもね、このシリーズに根強いファンが多いのもちょっと判るような気がしましたね。有り得なくてもこのファイトシーンには手に汗握る!マジで!

正直言って、全く新鮮味はないし映画中盤までダレダレだし結果もミエミエなんだけど、これは今まで長い間ロッキーを愛してくれたファンの為に作られた作品なんだろうなぁ、と思えば結構楽しめちゃうんじゃないかと思いますね。
もしぴよがロッキーシリーズの大ファンだったら、きっと文句なくオススメ度に☆5つ付けただろうと思いますよ。

そんな訳で、往年のロッキーシリーズファンなら必見、そうでない方や本シリーズをロクに見た事もない方は、本作を見る事で何故ロッキーシリーズがここまで熱狂的ファンを作り出したのか、そしてスタローンも還暦近くになってまでこのシリーズにこだわるのかを知って納得しながら、生温かい目でロッキー爺さんに声援を送ってあげましょう。
・・・決して「老害に振り回されて熱狂するシリーズなんだな」なんて勘違いしないでネ!(笑)








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2007年04月10日(火) プロジェクトBB

監督:ベニー・チャン
出演:ジャッキー・チェン
    ルイス・クー
    ユン・ピョウ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
「サンダル」「フリーパス」「大家」の3人組は「盗みはすれど非道はせず」がモットーの清く正しき(?)泥棒。ところがそれぞれ問題山積状態だった3人は遂に掟を破って「ある富豪の赤ん坊を誘拐する」という仕事に手を染めてしまう。赤ん坊誘拐までは上手く行ったものの、リーダー格の大家が交通違反で逮捕されてしまい、大家が釈放されるまで残されたサンダルとフリーパスの2人は慣れない「子育て」をさせられるハメになってしまう。


【感想】
ジャッキー・チェンの新作アクション・ヒューマンコメディ。
男3人組+赤ん坊が繰り広げるヒューマンコメディというと「赤ちゃんに乾杯!(米国リメイク版はスリーメン&ベビー)」がまず頭に浮かぶのですが、本作はそれの更にリメイク風味+いつものジャッキーアクションって感じの作品です。
・・・あ。感想終了しちゃった。どーしよう!(をい)

まあそんな訳で、話自体には余り興味がないぴよですが。
少なくとも本作はキャストが異常に豪華!勿論ジャッキー目当てで見に行ったんだからジャッキーさえ出演してくれていれば満足なんですが、本作で久し振りに「Mr.BOO!」のマイケル・ホイを見ましたよ。ジャッキーもお歳を召されましたがマイケル・ホイも本当に年を取りましたねぇ(感慨深げ)
それだけでなく、本作ではすんごい久し振りにユン・ピョウと共演も果たしていて嬉しい限り♪冴えない刑事役やってんなぁと思ってたら、きっちりアクションシーンもキレキレにキメてくれるじゃーないですか♪(むふふ)

キャストを全く調べずに行ったから、ニコラス・ツェー君やダニエル・ウー君がチョイ役で登場してくれるという更に嬉しいサプライズに気分は上々!更に女性陣も豪華で、フリーパスの不遇な若妻役に香港人気アイドルユニット「TWINS」のシャーリーン・チョイちゃんが潤んだ瞳で好演。可愛いのぅ〜♪メロディ役のカオ・ユアンユアン嬢をぴよは知らなかったんだけど、彼女も爽やかな美女で今後注目したいトコロ!

香港映画好きさんにはキャストだけで充分間が持つ訳ですが、話の内容自体はかなり凡庸なので(コラ)ちと退屈。
誘拐計画の黒幕の事情とその理由等は日本語字幕を追っているだけでは非常に判り難い・・・が、判ったトコロでどうという事もないショボさだったし(をいをい)、クライマックス?の赤ちゃん蘇生シーンは物凄く観客の感動を呼び起こさせようと煽りまくった音楽に乗せて、やってる事は「はぁ?」なネタ。脱力しまくりです(^-^;

でもアクションシーンは良かったですよー♪
ジャッキーの相棒を務めたフリーパス役のルイス・クー君、実は全く知らなかったのですが、彼もアクションの動きはかなりいい感じでしたね。香港では人気の役者さんなんでしょうか?今後の彼の活躍も注目したい♪
本作は往年の香港アクション映画好きさんなら、まずまず満足出来る構成だったんじゃないかな?と思いますよ。

今回のジャッキーの大技はビルの室外機を伝って降りるシーンとカーチェイスシーンでしたが、お歳を召されてもまだまだ健在を誇示する奮闘ぶりはジャッキーファンなら合格点(甘い?)でしょう。
手技・足技を駆使した従来のカンフーアクションシーンもふんだんに盛り込んでいるのも好感触。ワイヤー使いが少しわざとらしいのが気になりますが、フルCGで見せられる事を思えば・・・ねぇ?(^-^;

後気になったのがBABYちゃんの演出かな。糞尿ネタって余り好みじゃないんだけど、モロだったからゲロゲローという感じがしたし、このBABYちゃんの扱い方は児童福祉系に神経ピリピリな方々には許されるんでしょうか?
猛烈にラブリーな表情のBABYちゃんですが、PVっぽいシーンが多過ぎるのも気になりましたね。

ま、そんな訳で香港カンフーアクションが大好き♪ジャッキー大好き♪なぴよには満足出来る作品でしたが・・・内容については特に触れたくないなぁ〜って感じですか。万人にはオススメしませんが、アクション好きさんには是非!






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