ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2005年10月27日(木) エリザベスタウン

監督:キャメロン・クロウ
出演:オーランド・ブルーム
    キルステン・ダンスト
    スーザン・サランドン、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
長年情熱を注いで来た新しいシューズの企画プロジェクトが大失敗。返品が相次ぎ、10億ドルもの損害を出したデザイナーのドリューは責任を問われて解雇。更に6日後には雑誌に全てドリューの責任であると発表される予定、加えて恋人は去っていく・・・6日後に世間の笑い者になるくらいなら、と自殺しようとした所に追い討ちをかけるように「突然の父の死」の連絡が入る。失意の中、父の故郷ケンタッキー州エリザベスタウンに出発するドリューだったが・・・


【感想】
「あの頃ペニー・レインと」「バニラ・スカイ」のキャメロン・クロウ監督最新作。
と言うよりも「オーリー(オーランド・ブルーム)」主演最新作と言った方が世間的認知度が高いかなー?
予告編を見た段階でちょっと「うるっ」と来ました。つーか、明らかに予告編が「泣かせ」を期待させる作りっすよね。

・・・という書き出しで、その後何が言いたいのか大体想像付くでしょうが(苦笑)

非常に出来のいい予告編です!・・・って、いきなり予告編の感想書いてどーするよ?<自分
まあ、要するに全く「泣かせ映画」ではありません。この映画を見に行きたいと切望するであろう女性層を刺激する為に、予告編は非常に上手くフィルムを繋いで「失意のオーリーとキルスティン・ダンストの恋愛絡みが柱のヒューマン泣かせ映画」というのを演出していますわね。

すごくいい言い方をすれば「ほのぼの癒し映画」って感じなんですが、雰囲気は良くても伝えたいモノがストレートにズシンと来ないので、結局何が言いたいんだかよくワカラナイ「謎の風味の作品」になってしまいました(^-^;

父親の友人達(田舎の朴訥でちょっとおせっかいなよくあるタイプの人達)との交流や、ポジティブシンキングが信条!という勘違いストーカーの(こらこら)スッチーとの恋愛、長年確執のあった母親と父の故郷の人々との氷解、スッチープロデュース@ドライブツアー等をタラタラと見せながら「後は観客の皆さんで、自分の心に響くモノを探してください」てな具合で放り出されてしまうという、非常に不親切な作りの作品です(苦笑)

このまったりした作りに「アタシもオーリーと一緒に癒されるわぁ〜ん♪」と同調出来る人には最強ですが、何が言いたいのかよくワカラナイ、結局新しい彼女候補が現れてウキウキしてるだけやんか・・・等と冷めた目で見てしまった人には、非常に辛く痛い作品になってしまうであろうと思われ。
ちなみにぴよは「痛い」とまでは思わなかったが、少なくとも感動はしなかったし泣けなかったし面白くもなかった(^-^;

「そもそも10億ドルの損失って・・・それで会社の経営危機って言うなら、デザイナーじゃなくて経営者がアホって事やろ」
「客の隣に座り込んで客の迷惑も顧みずお喋りするキャビンアテンダントなんてクビだ!クビッ!」
「町中から嫌われてたオカンが受入れられるきっかけは・・・夫の葬式の席で下ネタで沸かせたからっすか(涙)」
「音楽にこだわりがあるのはよーく判るけど、こういう使い方で“音楽にこだわり”って言われてもねぇ〜(溜息)」

・・・等とツッコミを入れてはいけません。(^-^;
そういう無意味なツッコミをする人は、この映画の見方を完全に間違えてしまったという事です。
もっと言うと、ぴよは完全にこの映画の見方を間違えてしまったよーです(をい)


映画を見終わった後、この映画の正しい鑑賞方法を友人が教えてくれました。
「オーリーの顔のアップシーン登場比率が高ければ高い程、満足度は高い」
「って言うか、オーリーさえ出てれば100点満点決定♪」・・・だそーです。

ナルホド。だとしたら本作は間違いなく☆5つ決定!少なくともオーリーファンなら必ず満足出来る!!(笑)








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2005年10月26日(水) ブラザーズ・グリム

監督:テリー・ギリアム
出演:マット・デイモン
    ヒース・レジャー
    モニカ・ベルッチ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
時は中世、フランス支配下のドイツ。兄ウィルと弟ジェイコブのグリム兄弟は、いかさま魔物退治で賞金稼ぎをしていた所を遂にフランス軍に逮捕されてしまう。将軍に、ある村で起こっている連続少女失踪事件の真相を解き明かせば処刑は見逃してやると言われ、調査に向かう事に。村の「呪われた猟師の娘」アンジェリカの案内で、森の奥深くにある謎の塔に辿り着いたグリム兄弟は、この塔にまつわる女王の伝説を知る。そしてこの森で異変が起り始めていたのだ・・・


【感想】
「赤ずきん」「ヘンゼルとグレーテル」「白雪姫」など、誰でも子供の頃に1度は読んだ事のあるグリム童話。この童話集を書いたグリム兄弟の伝記・・・じゃなくて、もしグリム兄弟が執筆したこれらの話には元ネタがあって、グリム兄弟が実際に体験した事が元になっていたとしたら?という架空のお話です。
テリー・ギリアム監督作品というのは結構クセがあると思うんですが、逆にクセがあるからファンも多い。

面白いアプローチだと思うんですよね。
グリム童話を1つも知らないって人は世界中探してもなかなかいないでしょうから、話の随所に現れるグリム童話の数々のネタやエピソードは誰が見ても判り易いし、舞台が中世ヨーロッパというのも絵的に楽しめる。
マット・デイモンの金髪は猛烈な違和感があるけど(苦笑)、弟ジェイコブを演じたヒース・レジャーは可愛いじょ♪
コレはなかなか面白い組合せだと思うな・・・逆立ちしてもドイツ人には見えない、ってのは痛いけど(^-^;
後、見た人の95%くらいは溜息を付くであろう・・・モニカ・ベルッチは恐ろしい程美しい!

こりゃー、面白くならなくちゃウソだな。ってか期待しない方が間違ってる!
・・・というぴよの思惑を、うっすらと裏切ってくれました(薄涙)

何がいけないのかよく判らないが、どこか薄っぺらい印象の作品でしてネ。
テンポがそれほど悪いとも思わないし、余り笑えないけど(をい)コメディっぽく見せるシーンもそこそこ挿入して観客を楽しませようという気概は充分感じるんですが、どーにもこーにも「小粒なファンタジー」という印象。

グリム童話というと「子供に道徳を説く」「ファンタジー」では片付けられない毒を持った、ちょっとダークな世界観のある作品集だとぴよは思うんですよね。
そんな「ダークな世界観」というのは本作にも充分に生かされているとは思った。
要するに、絵的にかなりグロいシーンがある。特に虫が嫌いな人は本作を鑑賞するのにかなりの覚悟が必要かと。

モチーフとしては充分面白くなりそうなのに、グリム童話のエピソードを話の中に盛り込むのに忙しくて、肝心の映画としての本筋部分が甘くなってしまったのか?盛り上がりそうで今ヒトツ盛り上がらない、微妙に平坦な作りの作品に仕上がってしまったという感じか。(^-^;
モニカ・ベルッチ降臨辺りのシーンはかなりワクワクしたんだけどなー。それ以前が長過ぎたのか?

コレはツッコミ入れちゃーいかんのかもしれないが・・・
舞台は「フランス支配下のドイツ」ですが、村人もフランス軍将軍も、それから主人公のグリム兄弟(ドイツ人)も、非常に流暢な英語で会話されますわ・・・英語はやっぱり世界の共通語っすかねー(コラコラ)

この内容なら別に無理して売れっ子ハリウッド俳優使わなくてもいいよーな気がするし・・・むしろ絵作りをここまでしっかりやる気があるなら、配役もちゃんと史実に則ってドイツ人俳優に演じてもらった方がよかったかも?







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2005年10月25日(火) ホールドアップダウン

監督:SABU
出演:V6(坂本昌行、長野博、井ノ原快彦、森田剛、三宅健、岡田准一)
    香椎由宇
    伊藤歩、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
サンタの衣装で銀行を襲撃した佐川と木俣は、強奪した金を駅のコインロッカーに入れようとストリートミュージシャン沢村から小銭を奪う。ところが沢村に追いかけられてロッカーの鍵を落としてしまった。鍵を拾った沢村がロッカーに向かう途中、木場と星野の2人組刑事の車に撥ねられてしまう。沢村が死んだと思い込み処置に困った刑事達は沢村を遺棄するが、人生に絶望した元牧師のデコトラ運転手平松が沢村を発見。沢村を見て神様だと勘違いしてしまう・・・


【感想】
V6のグループ結成10周年を記念して企画された作品。
2年前にV6とタッグを組んで「ハードラックヒーロー(DVD発売のみ)」を製作したSABUが再び協力。オリジナル脚本も氏が手掛けて、勿論氏が監督を務めています。

2人の強盗、2人の刑事、1人のデコトラ運転手と1人のストリートミュージシャンが絡み合いながらハチャメチャな騒動を巻き起こす、とある1日を描いているストーリー。上記の6人をV6のメンバーがそれぞれ演じてます。

まあ・・・本作は基本的にV6のファン以外は見ないでしょうねぇ(苦笑)
それを配給側も見越しているのか?東京と沖縄以外はワーナーマイカルシネマズだけでの限定公開ですよ。
ちなみにぴよが住んでいる名古屋にはワーナーマイカルシネマズがありませんから、本作がどうしても見たい!という名古屋市内在住のV6ファンの方は、見に行くのに相当苦労する事でしょう(^-^;

コレがですね、意外に面白かったですよ。
バカバカしい小ネタの連続で小さく「ぷぷっ」と笑わせてくれますし、コメディセンスと間合いに関してはさすが結成10周年だけあって、なかなか息が合ったトコロを見せてくれます。
演技に関しても個々のメンバーがドラマや映画に何度も出演しているだけあって、そこらの新人よりもよっぽど演じ慣れた感じがしますしね・・・って、実はぴよは結構V6が好きだったりするし♪(笑)

ま、それだけの映画なんですが(こらこら)
2時間番組の特番バラエティコントが豪華になって1つの話にまとまった・・・って感じですから、誰が見てもちゃんと楽しめるようにはなってますが、1,800円出してまで見る価値あるのか?と聞かれるとねぇ。
少なくともV6のファンだったら価値があるんでしょうけど。(^-^;

ちなみに、
ぴよがこの映画の中で一番「コレはすげー!」と思ったのは、何て言っても伊武雅刀サンでしたねー。
彼の出演シーン、よーく見て下さいヨ。かなり長回しのシーンがあるんですが、一度もまばたきしないんですよ!
妙な挙動のバーテンダー役なんですが、彼はアップ映しのシーン中に1度もまばたきしなかった。コレはスゴイ!!

・・・何書いてんだろ(笑)
ま、でもファンじゃなくてもちゃんと笑えますし楽しめます。1,800円の価値があるかどーかはさておき、ネ。








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2005年10月24日(月) パッチギ!

監督:井筒和幸
出演:塩谷瞬
    高岡蒼佑
    江尻エリカ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
1968年京都。朝鮮高校の番長アンソン率いる一派と京都府立東高校空手部が激しく対立する中、東高校の教員の発案で朝鮮高校との親善サッカー試合が行われた。朝鮮高校に出向いた東高校の松山康介は、フルートを演奏する美少女キョンジャと彼女が演奏していた曲に魅了される。キョンジャと何とかして親しくなりたい康介は、彼女が演奏していた曲「イムジン川」のギター弾き語りと朝鮮語の勉強を始めるのだが・・・


【感想】
公開時、ネタが「在日vs日本人」という事で随分物議を醸し出した一作。
実はぴよはあまり井筒氏が好きではないので(作品ではなくて彼のキャラクターが。苦笑)、公開時は敬遠して見に行かなかったんだけど、友達から強く勧められたので今頃になって鑑賞する事に。
鑑賞する決め手は・・・ぴよ大好き♪オダギリジョー君が出演しているという事くらいでしょうかネ(こらこら)

基本的に本作は「青春映画」だとは思うんですよ。
2005年だろーが1968年の京都だろーが、高校生の関心は「女の子にモテたい」「やりたい(きゃー)」
で、たまたま日本人(しかも寺の息子)の康介が好きになったのが、在日朝鮮人の女の子だった・・・という話。

でも正直言ってさ、この映画ってズルくないか?(^-^;
だって内容に触れるとどうしても在日朝鮮人vs日本人に対する個人的見解云々って言われそうでさ、そーするとこの映画を褒めれば「左寄り」、批判すれば「右寄り」って決め付けられちゃいそうじゃん?

「青春映画」としては充分面白いんですよ。
小ネタも面白いし、舞台が京都というのも京都弁の雰囲気がこの映画のカラーに合っていてとてもいい。当時の風俗を面白く見せてくれるし、青春恋愛モノとして見るには面白いしジーンとするシーンもあってなかなか♪
クライマックスの乱闘シーンでチラッとファミリーマートらしき店舗が写るのはご愛嬌って事で(笑)

でもなぁ〜んか・・・違和感って言うのか、嫌悪感って言うのかなぁ?

在日の方は徹底的に日本人を嫌って呪って拒絶して、日本人は日本人で滅多やたらと差別して、目が合っただけで難癖付けては暴力ふるうというシーンが延々続くってのは・・・彼女と仲良くなりたくて一生懸命歩み寄っていく康介と、そして次第に康介に心を開いていくキョンジャの様子を際立たせたいが為の演出なのかもしれないけど、ぴよはこーいう描き方は好きになれなかったし、違和感があったって言うのか。

簡単に言っちゃえば「ロミオとジュリエット@日本版」みたいなネタですが、設定がなぁ・・・
ぴよが一番苦手としている部類の設定と描き方だっただけに、どーにも乗れない作品でしたわ。








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2005年10月23日(日) 夢のチョコレート工場

監督:メル・スチュアート
出演:ジーン・ワイルダー
    ピーター・オストラム
    ジャック・アルバートソン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ウィリー・ワンカのチョコレートは世界中の子供達に愛されている。ワンカが新しいお菓子を発明したらしい噂を聞いたライバル会社は、レシピを盗み出そうと必死の状態だ。ある日ワンカは世界中の子供達から5人だけチョコレート工場の見学をさせると発表。ワンカのチョコレートの中に入ったゴールデンチケットを手にした子供だけが工場に入れるのだ。貧しくも心優しい少年チャーリーは5枚目のチケットを手にする事が出来、ジョー爺さんと共に工場を訪れるのだが・・・


【感想】
現在公開中のティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の「チャーリーとチョコレート工場」ではないです。
本作は1971年に制作された作品。バートンが本作のリメイクをしている訳ですわね。今更説明するまでもないけど、本作はオリジナルではなく元ネタはロアルド・ダール氏著の同名児童小説。

と、いう訳で先にバートン版を見てから本作鑑賞。
実は両方見た友達に「1971年版の方が面白い」と聞いたので、ぴよも見比べたくなったってー訳ですワ。

基本的な筋は同じですね。(当たり前ですが)
本作と原作がどれくらい違うのかがまず判らないんですが(原作未読)、バートン版との大きな違いはまずチャーリーに父親がいない事(その理由は明かされていない)、それからバートン版にはウィリー・ウォンカ(本作ではワンカ)の幼少時代のトラウマと父親との確執が描かれているが、本作ではワンカ自身の横顔に触れる事はない。

あくまでもチャーリー自身にスポットが当てられていて、ウィリー・ワンカは水先案内人の役に徹しているというスタンスが最も大きな違いだろうと思う。
本作の方がより子供向けに作られている・・・と言うよりも、バートン版がジョニー・デップを起用した事で、主役をチャーリーではなくウィリー・ウォンカにしてしまった、と言った方がいいのかも?
(話の筋を考えれば、明らかに本来主役はチャーリーのハズですしね)

2005年の現在見ると何とも微妙な絵ではありますが、コレが34年も前に製作された作品だと考えると驚異的です。
バートン版に比べてもっとミュージカル色の濃い作風で、楽曲もとても作風に合っていてステキ♪個人的にはウンパ・ルンパのキャラクターとミュージカル部分はバートン版よりも本作の方がぴよは好きです。

で、本作とバートン版のどちらが好きですか?と聞かれると・・・ぴよはやっぱりバートン版の方が好きかなー?
だってジョニー・デップだもん♪(←それだけかよ。苦笑)何だかんだでジョニー・デップが好きな人だったらバートン版を支持しちゃいますよね?(^-^;
もしバートン版を見る前にコチラを見ていれば「1971年版の方がやっぱりオリジナリティを感じて面白い」という感想になるんだろうけど、少なくともジョニー・デップファンの人がバートン版を先に見てしまうと、どうしても「ジョニーのウォンカ」のキャラが頭に染み付いて、どうしても本作のワンカの印象が薄くなる。

・・・って言うか、だから自分でも「本作の主人公は本来チャーリーのハズ」って書いてんじゃん(苦笑)
少なくとも本作の方がチャーリーに焦点を合わせていますし、バートン版よりもずっと子供らしいキャラだった。
バートン版のチャーリーは非の打ち所のない清廉潔白な少年という描き方だったけど、本作のチャーリーはちょっぴりいたずらもしちゃう・・・でも悪気のない普通の少年です。
だからこそクライマックスのシーンで「心の優しい子ぢゃねーか!」という気にさせるんですよね。

児童書としては余りに風刺の効いたブラックユーモア、楽曲の素晴らしさ、展開の楽しさ、どれをとっても超一級のエンターテイメントになっていると思います。本作を先に見ておけばよかったなぁ〜・・・とちょっと後悔。
多くの方が「1971年版の方が面白い」と言う気持ちはよーく判りますね。

バートンはきっと本作と原作をとても愛しているんだろうな・・・と、思いましたね。
もしかしたら1971年版の素晴らしさに敬意を表して、バートンはCGを極力使わず実写にこだわったのかもしません。

本作も、バートン版も、どちらも作品に対する深い愛情とこだわりを感じさせる素晴らしい作品でした。








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2005年10月21日(金) マザー・テレサ

監督:ファブリッツィオ・コスタ
出演:オリビア・ハッセー
    セバスティアーノ・ソマ
    ラウラ・モランテ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
1946年インド・カルカッタ。カトリック修道院内の女学校で教鞭を取っていたテレサは神の声を聞き、自分がいるべき場所は修道院ではなく最も貧しい人々の元だと悟った。周囲の反対を押し切り、1人街に出て貧しい人々に救いの手を差し伸べるようになったテレサは、やがて自分の信念に従って行動する為に新しい修道会を設立する。心強い協力者に恵まれる一方で、彼女は数々のスキャンダルに巻き込まれて行く・・・


【感想】
誰もが名前くらいは知ってるであろう「マザー・テレサ」が、「神の声」を聞いて活動を始める36歳から亡くなった87歳までの半生を描いた作品。
元々は3時間位の作品を、再編集して2時間程度に短くしているらしい?(未確認情報)

ぴよが初めて彼女の名前と姿を知った頃には、既に干からびたばーちゃん状態になっていたし(コラ)、正直言ってどんな事をしている人なのかよく判っていなかった。
自分なりに判っていた事は「修道女にして究極のボランティアばーさん」という事ぐらい(^-^;
そんな訳で、本作は「マザー・テレサとはどんな人物だったのか」という入門編としておあつらえ向きな作品です。

まー・・・この映画見て酷評したら罰が当たりますねぇ。
いや酷評するつもりは毛頭ないですヨ。何しろ相手はマザー・テレサですから。究極のボランティアばーさんですから。

この映画を見て彼女の事を悪く思う人がいるとは思えない。確かに彼女は聖人だった。
いくら信仰心が突き動かしたんだったとしても、宗教を超えてここまで「人間を助ける」という事を出来る宗教人は多分過去にもそうそういなかったんじゃないだろうか?

だから見て損はないし、むしろ積極的にみんなに見てもらいたい作品だとぴよは思う。

ただね、
「映画」が良かったというよりも、「マザー・テレサ」という高潔な人物が素晴らしかった訳ですよ。
いい言い方をすれば「マザー・テレサの偉業を忠実に見せてくれている」、別の言い方をすれば「映画としての作り云々ではなくて、マザー・テレサという人物の行動や言葉をドキュメンタリータッチに見せているだけ」

マザー・テレサの様子を忠実に再現出来る能力を持った女優が演じれば、誰が作っても少なからず感動出来る訳です。
そういう意味ではオリビア・ハッセーの演技は素晴らしかったと思うし、彼女は観客を魅了するパワーを放っていた。

こういう作品って映画のどの部分を評価すればいいのかが非常に難しいですよね・・・
作品の作り自体を評価すれば「ヒネリのない単なる伝記映画」という事になりますし、「マザー・テレサ」という人物の評価となると誰が見ても素晴らしいの一語に尽きる訳ですし。

意外だったのは、ずーっと湿っぽく宗教心を煽る作品かと思ったら・・・マザー・テレサって結構ユーモア精神の溢れるお茶目な人だったんですねぇ。
映画中の彼女のセリフには随分笑わせてもらいましたヨ♪
ユーモアもあって慈愛にも富んでいる・・・本当に「究極のスーパーウーマン」だったんですねー

「映画」としての評価はちょっと難しい・・・ある意味かなり卑怯な作品ですな(苦笑)







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2005年10月20日(木) ティム・バートンのコープス・ブライド

監督:ティム・バートン
声の出演:ジョニー・デップ(ビクター)
      ヘレナ・ボナム=カーター(コープス・ブライド)
      エミリー・ワトソン(ビクトリア)、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
成金の一人息子ビクターと没落貴族の一人娘ビクトリアは政略結婚させられる事になったものの、お互い一目見て恋に落ちてしまった。内気なビクターは結婚式のリハーサルで失敗を繰り返し、1人森の奥で誓いの言葉の練習をする事に。ようやく上手に言えてビクトリアの指の代わりに近くにあった木の枝に指輪をはめると、突然地中から幽霊の花嫁が現れて「お受けします♪」と言うのだ。枝だと思った物は何と半分腐った死体の花嫁(コープズ・ブライド)の薬指だったのだ!


【感想】
バートンファン熱望のストップモーション・アニメの新作がようやく日本上陸ですよーん♪
ちなみに「ストップモーション・アニメ」というのは、パペットを1コマずつ動かしては撮影する手法のアニメーション。
とにかく膨大な時間と労力を費やさなければ作れない・・・要するに「CG技術見本市時代」に思いっきり逆行する、超古典的手法のアニメーションです。

この作品をわざわざ劇場まで見に行く大人は、当然だけど「バートンの新作」「ジョニー・デップが吹替え」「イマドキここまでこだわるか!?のストップモーション・アニメを楽しみたい」という思惑でしょうから、よもや「何?ただの人形アニメじゃん。しかも1800円も金出したのに、たったの1時間ちょいの小品?」なんてバカな事を言う人はいないでしょうが(苦笑)

とにかく物凄く細部にまでこだわったアニメーション!スゴイ、の一言しかありませんよっ!!

バートンらしい遊びゴコロがふんだんに散りばめられていて、ちょっぴりミュージカル仕立てなオープニングで殆どのバートンファンは嬉しくってウキウキしちゃうでしょう♪
生者の世界はモノクロで暗い感じに、死者の世界はカラフルで楽しい感じに作ってあるのもかなりツボに入る。

技術的な事を云々・・・だけでは映画としては成功したと言えない。
この映画は、非常にシンプルでありきたりな作りとネタでありながら、誰が見てもジーン♪としちゃうのが素晴らしい!
主要な登場人物が少ないから感情移入がし易いし、主要キャラ3人(ビクター、コープス・ブライド、ビクトリア)の肉付けが非常に巧みで、誰が見ても3人甲乙付けがたい魅力をそれぞれ持っている。

そう・・・通常では映画のタイトルが「コープス・ブライド」なんだから、あくまでも主役は悲劇のヒロインであるコープス・ブライドのキャラクターが際立っていて、後は添え物・・・特にコープス・ブライドと花婿の取り合いをするビクトリアのキャラなんておざなりになっても仕方がない、むしろかなり悪役になって当たり前くらいに思うんだけど、この作品は本来悪役にならなければいけないハズ?のビクトリアが、誰が見ても「愛すべき乙女」として描かれているのが好感持てるんですよ。

その代わりに、観客全員の憎悪を集める「極悪キャラ」をちゃーんと用意してる辺り、非常にウマい♪

素晴らしい技術だけを売り物にするクソ映画は世の中にごまんとある。
わざとらしい「泣かせ話」をもっともらしいキャッチコピーで売る映画も沢山ある。
でも、技術の素晴らしさを誇るでもなく、これだけ素晴らしい脚本なのにおざなりな予告編(をい)で軽くお茶を濁し、それなのに見た人誰もがジーン♪としちゃう作品って、見たくってもそうそう世の中にあるもんじゃーありませんよ。

「ありふれたファンタジー」だと言われたら返す言葉はありませんが(苦笑)、それでも絶対に見て損はない!!


内容について余り多く触れたくないのでココには書きませんでしたが、蛇足って事で・・・
「いい役者」というのは声だけでも「いい演技」が出来るんですねぇ〜!
ジョニーといい、ヘレナといい、エミリー・ワトソンといい、とにかく声だけで素晴らしい「演技」をしています!
本作、信じられない事に「日本語吹替版」も公開されるそーですが(アニメだから子供向けだと思ってんでしょ?)、よもや映画ファンは吹替版なんて見る気じゃないよね?

ってか、ジョニーの声を聞かなくてもいい・・・なんて人、世の中にいるのぉ〜!? ←ジョニーファンの叫び(笑)








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2005年10月12日(水) 旅するジーンズと16歳の夏

監督:ケン・クワピス
出演:アンバー・タンブリン
    アメリカ・フェレーラ
    ブレイク・ライブリー、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
生まれる前から(!)ずっと一緒だった大親友の4人組の女の子。16歳の夏を生まれて初めて4人がバラバラの地で過ごす事になった。出発前日にウインドーショッピングをしていた4人は、ある店で体型も身長もバラバラの彼女達の誰が履いても何故かピッタリ似合う不思議なジーンズに出会う。この1本のジーンズを1週間交代で履いて4人に回していこうと約束して、彼女達はそれぞれに地に旅立って行くのだが・・・


【感想】
アン ブラッシェアーズ著の大ベストセラー青春小説「トラベリング・パンツ」の映画化。
メリーランドに住む4人の大親友グループの女の子達のひと夏の出会いや出来事を、「不思議なジーンズ」を介して綴っていくという青春物語。勿論原作未読ですわ(苦笑)

そもそも「どうして体型も身長も違う4人の女の子全員にピッタリ履けるというジーンズが存在するのか?」という事については考えてはいけません。←いきなり(^-^;
映画中でも触れていませんし、そこはファンタジーな部分で映画の内容自体には関係のない事です。
もっと言うと、ジーンズの不思議なパワーによって4人に重大な人生の転機が訪れるという訳でもありません。
不思議なジーンズについては、彼女達が勝手に「守り神」「ラッキーアイテム」のように考えているだけで、あくまでも彼女達自身の考えや力によってひと夏の貴重な体験と成長をするという話です。

ジーンズの存在はバラバラの地でひと夏を過ごす4人の女の子達のエピソードを繋ぐための橋のような役割な訳で、要するに本作は「4人の女の子それぞれのエピソードをオムニバスに見せて、4つの話に4つのオチ」という至極平凡な作りの映画なんですよ。なぁんだ・・・と思うでしょ?


これが・・・ツボ来ましたー!

久々に号泣レベルでしたよ。
もっともぴよが「号泣だぁー!」という作品、意外と皆さんシレッとご覧になってるケースが多いので(苦笑)、泣き映画をご所望の方はあまりアテにはしないで下さい。あくまでも「ぴよが号泣した」という事です。(^-^;

どこにでもいる普通のアメリカの16歳の女の子達が抱えている、様々な悩みや葛藤を、実に瑞々しく嫌味なく爽やかに気持ちよく見せてくれます。
4人はそれぞれ自分の中の壁にぶつかり、時に涙し、時に落ち込み、時にケンカをしながら成長して行く・・・もう余りにもありきたり過ぎて「何が面白いんぢゃい!」って思っちゃいそうなんだけど、何故だかぴよの涙腺のスイッチ入りまくってどーにもこーにも涙ダダ漏れ(笑)

今更こんな事書いたら「アホかお前は」って言われそうだけど、素直に「友達っていいよね!」って思っちゃう。
大人になる前の大切な時間を、一緒に成長したり叱ったり励ましてくれたり慰めてくれる友達って貴重だなと、いい歳コイたおばさんでもこの映画を見ると思っちゃう訳ですヨ(^-^;
自分の青春時代にこんなステキな映画に出会えていたらなぁ・・・いや、この映画を見る事で自分の青春時代を懐かしく優しい気持ちで思い返せる(こんなステキなエピソードなんてありゃしませんでしたがネ。苦笑)、そんな不思議なパワーを持った作品でした。

4人がそれぞれギリシャ、サウスカロライナ、メキシコ、そして地元メリーランドと別々の場所で過ごすので、当然だけどそれぞれの土地の様子が映画中に登場します。
・・・ギリシャが、ギリシャが、この映画見るとどーしても行きたくなるぅーーーー!!

ロケ地、4人の愛らしいキャラクター、愛すべきエピソード、さりげないセリフ、何もかもがツボ入りましたね。
青春映画なんて今更・・・と思ってる大人な皆さんにも是非見てもらいたい!!







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2005年10月11日(火) メトロで恋して

監督:アルノー・ヴィアール
出演:ジュリー・ガイエ
    ジュリアン・ボワスリエ
    ミシェル・オーモン、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
パリのモンパルナスに住む33歳のアントワーヌは売れない役者。孤独を感じて結婚を意識するようになったある日、メトロで乗り合わせた美しく聡明なクララと電撃的に恋に落ちる。クララは28歳の小説家希望の女性で、生活の為にTGVでウエイトレスのバイトをしている。2人はデートを重ねて深く愛し合い、結婚を望むようになるが、健康診断を受けたクララが不治の病におかされている事が判明したのだ。


【感想】
2004年フランス映画。
フランスの恋愛モノって結構難解なモノが多くないですか?好き・嫌いがはっきり出そうな予感ですが、予告編を見た段階で割と判り易い展開?・・・と言うか、結婚を望んだ彼女が不治の病におかされているという事までは予告編で提示されていたので、きっとコレは最終的に「彼女の病を2人で克服しよう!と頑張る涙チョチョ切れムービーだな♪」と勝手に予想を付けて見に行って来ました。

まあ・・・ある意味「裏切られました」ね。
予想に反して非常に微妙な着地点だったよーな気がします。
いい言い方すると「33歳と28歳の大人な男女の等身大の恋愛をリアルに見せている」というトコロなんでしょうけど、映画として見るには余りに「華」を感じない作りでしてネ(^-^;

彼女の病気が病気だけに(病名書いてもネタバレにならないかもしれないけど、敢えて病名は伏せておくわ)、逆にこの映画の主人公アントワーヌの選択や苦悩がリアルだと思わされるのかもしれません。
彼のクララに対する反応は、別段冷たいモノだとは感じませんでしたから。って言うか、ぴよがアントワーヌの立場だったらどういう反応をするだろう・・・実際にぴよの周囲やパートナーにこの病気の方がいないので即答出来ないですが、きっと聞いた瞬間はかなり微妙な反応になっちゃうと思うんですよね。

で、映画は最初はクララを突き放したアントワーヌが、でもやっぱり理想の女性だったクララの事が忘れられなくて悶々としながら父親との軋轢を乗り越えたりして自分の身の振りを考える・・・ってな感じなんですが。
まー、ここらが何ともぬるいですわ。いかにもこーいうトコロがフランス映画だなぁ!と思いながら見てたんですが、言い方変えると「心地いいぬるさ」に思わずウトウト・・・(苦笑)

映画全般通してパリの美しいデートスポットや町並み、オシャレでちょっとミュージカルちっくな音楽、非常に洗練されて心地いい映像が淡々と続きまして。
気持ちいいんですが展開はぬるいから(苦笑)、寝不足状態で見てはいけないヒーリングムービーになってますよ。

それにしても・・・散々ぬるい展開見せられた後に「オチなし」でシメですから。
これって「その後の事はみんなのご想像にお任せして」って事なんでしょうけど、どーにもしっくり来ませんでした。
スクリーンが暗転してスタッフロールが流れ出した瞬間「マジかよ」って思わず言っちゃったもん。(^-^;

いやぁ〜、ぴよもすっかり「お気楽ハリウッド恋愛モノ」に毒されちゃったんですかネ。
余りに中途半端な恋愛映画って「なんぢゃ、こりゃ」で片付けちゃうようになっちゃいました(薄涙)
    





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2005年10月05日(水) 私の頭の中の消しゴム

監督:イ・ジェハン
出演:チョン・ウソン
    ソン・イェジン
    ペク・チョンハク、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
建設会社の社長令嬢スジンは、不倫の恋に破れたその日に偶然コンビニで建築家志望の大工チョルスと運命的な出会いをし、やがて偶然再会した2人は恋に落ちて紆余曲折の末結婚する。孤独な人生を送って来たチョルスに、家族の愛を与えたスジン。幸せな結婚生活を送る2人だったが、スジンの物忘れが激しくなり余りに度を越すので病院で検査をすると、彼女は若年アルツハイマーだと診断されたのだ。


【感想】
今年1番の「泣かせ映画」になるか!?韓国からまたしても王道泣かせ映画がやって参りました!
主演のチョン・ウソン君は「MUSA 武士(2003.12.3鑑賞)」でぴよのハートを鷲掴みにした超ナイスガイ♪
お相手の愛くるしい笑顔が魅力のソン・イジェンちゃんは、現在公開中の「四月の雪」でヨン様と共演している事でおばさま方の知名度もグッと上がった人気女優さんです。

本作、2001年に日テレ系で放送されたTVドラマ「ピュア・ソウル」が原作なんだそーです。
このドラマ見てなかったよ・・・って言うか、Googleで「ピュア・ソウル」って検索したら一番最初にヒットしたのがデリヘルのサイトだったんだけど、ぴよのPCってどー思う?(^-^;

いきなり話が脱線しましたが、本作。

映画冒頭の出会い〜結婚に到るまでの経緯が、ぴよには結構意外でしたね。
「別に不倫してなくてもええんちゃう?」と思ったんだが、これは後にスジンのアルツハイマーが進行した際にチョルスが葛藤するシーンに対する伏線だったので、まあ・・・こーいう事なら不倫しててもしゃーないか、てな感じですか。

基本的に非常にうまい作りの作品だと思う。
元のTVドラマの完成度が高いのかもしれませんが、映画の尺に収めるのに上手に料理してあったなーという印象。
ただ、元のドラマを知らないだけに、スジンがアルツハイマーになるまでの経緯を見せるくだりが長過ぎる感じはする。
割合的に、スジンがアルツハイマーだと判明してからの夫婦の葛藤や努力や進行する恐怖の部分をもう少し多く時間を取って丁寧に見せてくれると、もっと観客がドラマに入り込めると思うんだけどな。

ラストシーンは少し希望を持たせるような(でも決してハッピーエンディングとは言い切れないけどネ)、かなりファンタスティックでキレイなオチになっているので、とにかく「泣かせ映画」としては申し分ないでしょう。
かなりの確立で泣ける。特にチョン・ウソン君の涙にはぴよも思わずもらい泣きしちゃいましたヨ!
ここんとこ乱発されてた「泣き映画」の中では、頭一つ抜きん出た「泣かせ度」でしょう!!

でもね、
ウルウルしてたぴよが書くのもおこがましいんですが・・・余りにおキレイ過ぎて、リアリティは感じなかったんですよね。
妻がアルツハイマーになってしまった夫の葛藤と苦悩、ここらがファンタジーに片寄り過ぎていた気が・・・実際にこの病と戦って行く過程って、もっとドロドロしていてもっと醜いんじゃないかと思うんですよ。

いくら家族愛を与えてくれた唯一無二の存在の妻であったとしても、初めから何の迷いもなく「妻の面倒を見る!」と言い切れてしまうチョルスは、ちょっと高潔過ぎる気がしなくもないんですが。
どこか自分の中で迷いがあって当たり前だと思う。「本当にこの状態の妻の面倒をオレが見て行けるのか?」「看護の整った施設に預けた方が妻の病気の進行を抑えるのにも効果的なんじゃないか?」って普通は迷いませんかねぇ?

ま、リアリティを追求するだけがドラマではないし、ましてや「アルツハイマー」という病に冒された夫婦のドキュメンタリーを見せるのが主題の作品でもないので、この程度のおキレイなもので充分なんでしょうね。
少なくとも麗し過ぎるほどの「夫婦愛」は、これでもかー!と感じる事が出来ますから。

実際に世の中で在り得ないような美し過ぎる夫婦の形でも、映画なら在り得る。
そういう意味でこの作品は、観客の共感度と言うよりも「憧れ」を引き出すファンタジーとしてよく出来ていると思う。







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【私信】

「えんぴつメールフォーム」で「メゾン・ド・ヒミコ」に対する考察についてのメールを下さった方、
メールアドレスが入ってないからレスが出来ませんよぅ〜(>_<)

とても興味深くメール拝見しました。
これはいずれ時期を置いて再見しなくては!と思わせる、ぴよには目からウロコのご指摘でした。
同じ作品でも、見る時期や時代や自分の置かれた環境で、受け取るメッセージが全く異なるという事がよくあります。
本作もそういった作品の一つなのではないか?

もしかしたら、最初からぴよが見誤ったのかもしれませんし、今のぴよの状態では今直ぐに再見してもやっぱり同じ感想になってしまうのかもしれません。
いずれ時間が経って頭が冷えたら(?)、ご指摘下さった箇所に特に注目しながら再見したいと思います。

本当に丁寧なメール、ありがとうございました。






2005年10月03日(月) イルマーレ

監督:イ・ヒョンスン
出演:イ・ジョンジェ
    チョン・ジヒョン
    チョ・スンヨン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
2000年。海辺に建つ一軒家「イルマーレ」から引越すウンジュは、自宅ポストに「大切な手紙が届くハズなので、もし私宛に手紙が届いたら下記の住所に送って下さい」という置手紙を入れて立ち去る。その手紙を受け取ったのは2年前にこのイルマーレに住んでいたウンジュの前の住人ソンヒョンだった。時空を超えて1998年に生きるソンヒョンと2000年のウンジュは文通を始めるのだが。


【感想】
2000年製作の韓国作品。
「猟奇的な彼女」でブレイクしたチョン・ジヒョンちゃんの出演作品だったので前々から見たいと思ってたんだけど、この度めでたくぴよの友人がDVDを購入してくれたので、友達3人で仲良くビール片手に鑑賞。

要するに「SFファンタジー」な訳ですね。
何故か海辺の一軒家「イルマーレ」の自宅ポストが、ドラえもんの四次元ポケット状になっていて、1998年にこの家に住んでいた先住の男と、彼がこの家を出た後に住んでいた2000年の女が、この四次元ポストを介して文通を始めるという話。

キーがいくつかあって、その中でも比較的判り易いのはペットの「コーラ」
このペット(犬)が物凄く芸達者で、大抵の動物好きさんだったら「強奪してでもこんな可愛い子を飼いたい!」くらいは思って当たり前のラブリー度。
コーラは元々ソンヒョンが飼っていた犬なんだけど、どうやらソンヒョンがこの家を出た時にコーラだけ置き去りにされていた模様で、後にウンジュがこの家に引越して来た時には最初から家の前でチョコンと座っていた。
「どうしてコーラを置き去りにしたの?」という疑問符が、後の展開の伏線になっている・・・

毎回書いているので今更また書くのも忍びないのですが
ぴよはとぉーっても推理小説好き♪だからこーいう「後で驚きの展開系」の作品って直ぐに後のストーリーを想像したりオチを考えたりしちゃう。
友達その1(このDVDを買った友人。既に1回鑑賞済)に向かって
(以下猛烈なネタバレにつき文字隠します。読みたい方はドラッグしてちょ)

ウンジュは過去の男に会いに行けないけど、1998年に生きてるソンヒョンなら今のウンジュに会いに行けるやんか】とか、【来ないってー事は・・・ははーん。ソンヒョンは2000年にはもう生きてないんやな?死んだからコーラは家の前に置き去りになったままになってたんや!】等と次から次へと後の展開のネタバレを(しかもことごとく当たってるトコロがまた・・・)しまくって、友人は苦笑の連発。(^-^;

話自体は結構ラブリーで切なくてグッと来るいい作りなんですよ。
どーやって下水道処理してんだか謎(こらこら)の「イルマーレ」の様子も雰囲気があってとってもステキですし♪
でもぴよのよーな「展開先走りバカ」が見ると、映画のクライマックス以降が「答え合わせ」になってしまって、いささか興醒めしてしまうという難点はありましたネ。


ところで、
この映画を見終わってからが大変だった。

一緒に見ていた友人その2が「このラストだと絶対におかしいよ!辻褄合わないぢゃん!」と吠え出して、それから延々白熱した議論の展開が繰り返されたのだ。
確かにこの展開でこのラストシーンは絶対に辻褄が合わない。過去を変えたらその後の未来が変わる訳ですから、過去が変わった段階でソンヒョンとウンジュが知り合うきっかけ自体が消滅してしまうし、過去が変わった途端にソンヒョンの記憶からも文通という行為も、そしてやりとりしていた手紙の存在自体も消滅していないとおかしいですし。

・・・ま、そーいう事考えちゃ〜いけない作品なんだろーと思います。
映画中にもメビウスリングの映像が出て来ますが、どこからがスタートでどこからが過去に繋がるのかが曖昧・・・だから映画の中ではオイシイ部分だけを残して繋げて貼り合わせちゃおう!ってな感じだったんでしょう。(笑)

個人的に言うと、一人で見てたら吠えまくりだった予感・・・ところが友達と一緒に見た事で、後のディスカッションが楽しくて最終的にかなり面白い作品だった、という感想に落ち着いたというトコロか。

未見の方、是非週末に友達集めてビール片手に鑑賞してみましょう♪









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2005年10月01日(土) シン・シティ

監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
出演:ブルース・ウィリス
    ミッキー・ローク
    クライヴ・オーウェン、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
裏切りと絶望の町「シン・シティ(罪の町)」で、ある夜3人の男が絶滅したハズの「愛」に出会う――凶悪な幼女連続殺人犯を追い続けて、ついに引退の夜を迎えたハーディガン刑事。屈強な体と全身に醜い傷を持ち、誰も近付こうとしない前科者のマーヴ。己の過去を捨てて娼婦街の自警者として夜をさまようドワイト。それぞれ過去に傷持つ男達が、自分を一時でも愛してくれた女の為に邪悪なモノに命懸けで立ち向かって行くのだ。


【感想】
またしてもアメコミ原作の映画化。ホントに最近アメコミの映画化多いっすね・・・
でも、本作は既存のアメコミ映画とは一味も二味も違います!

何しろ監督が「世界を背負って立つバカ監督ロバート・ロドリゲス」←ぴよ的に最大級の賛辞のつもりなんですが(^-^;
そしてアメコミ原作者のフランク・ミラー氏の共同監督なんですヨ!
よっぽどフランク・ミラー氏は本作に思い入れがあったんでしょうねぇ・・・って言うか、ロドリゲスの名前を聞いたらほとんどの映画好きさんは「あのロドの相棒バカ監督タラっち(クエンティン・タランティーノ)は?」と思うでしょ?

参加してますがな!ちゃっかりタラっちも某シーンの撮影監督として参加しちゃってますがな!!

そんな訳で、本作は「ロド&タラ@バカ映画で世界征服を本気で狙うおバカ監督コンビ」、もしくはアメコミが大好きな方以外にはほとんど薦めるつもりはありません。
真面目に映画を批評して名作を追い続ける方には絶対に大不評だと太鼓判が押せます。(^-^;

全編モノクロ映像なんだけど、赤だけだったり瞳の色だけだったりを彩色しています。
コレがアメコミの世界観を効果的に見せているし、作品全編にトグロ巻いてるエグいシーンを上手に緩和している。
映画の展開としては3つの話をオムニバスっぽく見せているんだけど、同じ町(シン・シティ)で起こった出来事なので、最終的に微妙にキャラクターが繋がっているという・・・まあ最近よくある「いかにもオムニバス群像劇」な作り。

ま、作品の説明なんてどーでもいいや。←をい
とにかくすんごい映画なんですよ!笑う!笑う!笑って笑ってどーしよーもないですわっ!!

ピンで主役張れる役者がジャンジャン無駄遣いされてるんだけど、こーいう役者の使い方を平気で出来るのは、やっぱり世界制服を狙うバカ監督ロドの力量としかいいようがないでしょう!
逆にロド&フランク・ミラー氏&タラのゴールデントリオじゃなかったら、これだけの役者は揃えられなかったヨ。

ぴよは出演俳優の中では特にベニチオ・デル・トロの大ファンなんだけど・・・もうベニチオったら最高だったヨ!!
額に××が刺さった瞬間の「あぅっ」って表情なんて、劇場で見てるから声出しちゃダメって自戒してたにも関わらず、思わず「プーーーーッ!」って噴出しちゃったぢゃんかー!
後、ミッキー・ロークはこの作品で蘇ったネ。スゴイよ。カッコいいよ♪
それからカッコいいと言えばクライヴ・オーウェン。彼の事は今までそんなに興味なかったんだけど、この作品の彼はとってもセクシーでステキだったなぁ♪ダークヒーローが意外にお似合いなのネ♪

でも一番スゴかったのはイライジャ・ウッドかもしんない・・・ファンの方が見たらショック死するかも(苦笑)


とにかくバンバンビシバシエグエグ映像の連発。
ダメな人は絶対に受け付けない世界だと思うけど、ハマったら最強ですヨ♪
エグエグ映像なのに、すっごくキレイで楽しいんですよ・・・コレはまさしくロド&タラの真骨頂!
一部のマニアなファンだけにオススメします♪既存のアメコミ映画には絶対になかった映像世界!







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