ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2005年05月30日(月) エレクトラ

監督:ロブ・ボウマン
出演:ジェニファー・ガーナー
    キルステン・プラウド
    ゴラン・ヴィッシュニック、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
デアデビルとブルズアイの戦いに巻き込まれて命を落としたエレクトラは、善の戦士集団「キマグレ」のリーダー・スティックによって蘇生された。スティックの指導の下、武術や銃の使い方をマスターしたエレクトラだが何故か破門されて、今は殺し屋として生きている。ある日自分の子供の頃によく似た少女アビーとその父に出会い、2人に好意を抱くようになったエレクトラだが、彼らは悪の組織「ザ・ハンド」に追われる身だったのだ。


【感想】
マーヴェルコミック原作の映画「デアデビル」のスピンオフ企画。
デアデビルでヒロイン役だったものの、サックリと殺されちゃったエレクトラちゃん、実は蘇ってめっちゃ強い殺し屋になったんですよーん♪って話です。
エレクトラ役や「デアデビル」から続投のジェニファー・ガーナー。デアデビルでの共演がきっかけで婚約までした彼氏のベンベン(ベン・アフレック)は、本作に出てくれていません(涙)
・・・彼女の主演映画なんだからチョイ役でもいいから出てあげてチョーダイよぅ!←ただベンベンが見たいだけ(苦笑)

さて、予告編を見た段階で「とてつもなくB級臭の漂う映画だなぁ」とは思ったんですが、本当に超B級でした(笑)
大体からして善の集団の名前が「キマグレ」だよ。なんぢゃそりゃー!でしょ?
何故か判らないけどエレクトラがちょこっとだけ日本語で喋ってみたりするんだけど、全く意味不明です。これが日本の武術のイメージだとしたら、映画制作者にはもーちょっと日本の事を勉強してもらいたいもんです(^-^;

善と悪のそれぞれの集団が追いかけてる「トレジャー(宝)」の定義もよくわかりません。
トレジャーについて余り詳しく書くとネタバレになってしまうので記述を避けますが、確か映画冒頭ではトレジャーを手に入れたものが勝ち♪・・・みたいな表現をしてたよーな気がするんだけど、少なくともトレジャーはヘタレです(笑)
とてもじゃないけど、トレジャーを手に入れたから「勝ち組」になれるとは思えません(^-^;
(映画見てない人は意味が判らないだろーけど、見れば判りますって!苦笑)

エレクトラの母親が何故に殺されなければいけなかったのか?
何故エレクトラは母親の死のシーンの記憶が曖昧になっているのか?
もっと根本的な事言っちゃうと、何故エレクトラは「キマグレ」によって蘇生されたのか?

まー、ツッコミ始めたらキリがないほどメッタクソな脚本で、更にこのクソ脚本に華を添えてくれる超ショボいCG。
ある意味ここまでハチャメチャだと、逆に気分が晴々してくるから不思議です(爆)
ジェニファー・ガーナーはすっごくアクション頑張ってたと思うけど、ぴよが一番「おぉー!」と思ったのは、彼女が自宅で縄に掴って片手懸垂しているシーンだけでした・・・なんぢゃよ、そりゃ(^-^;

よくワカラナイ話ですが、そこそこ楽しませてはくれるように作っています。
ネタがどれもこれも中途半端なので、内容を咀嚼しようとしないでアクションとエレクトラの意味不明なエッチな衣装だけを楽しもうとすれば、それなりに楽しめる超ウルトラB級アクション映画になっているでしょう。

世間的にはかなり酷評でしたけど、ぴよ個人的には「デアデビル」がかなりお気に入りだったので、ベンベンが出ていないというだけで既に減点ですよ(苦笑)
どーせスピンオフ企画作るならコリン君演じたブルズアイでやって欲しかったにゃ〜(^-^;
・・・いやいや、それよりもデアデビル自体の続編が見たかったのにぃ〜!って感じです。くすん(涙)








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2005年05月26日(木) フォーガットン

監督:ジョセフ・ルーベン
出演:ジュリアン・ムーア
    ドミニク・ウェスト
    ゲイリー・シニーズ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
一人息子のサムを飛行機事故で喪って14ヶ月。テリーは未だに息子の死から立ち直れずにいた。そんなある日彼女の周囲で奇妙な変化が起こる。自分の周囲からサムの痕跡が全くなくなってしまったのだ。半狂乱になったテリーに主治医の精神科医は「アナタには元々子供がいなかった」と告げる。息子の存在を信じるテリーは、サムの存在を取り戻す為にサムの友達ローレンの父親アッシュの元を訪ねるのだが・・・


【感想】
2004年9月に全米公開されるや初登場1位を記録して、「シックス・センス以来、最も衝撃的なスリラー」という予告編のキャッチフレーズで話題のサスペンススリラー。
一人息子のサムを喪って心の傷が癒えないテリーを演じるのは、演技力の評価は折り紙付きのジュリアン・ムーア。
監督は「愛がこわれるとき」「危険な遊び」等、サスペンス物が得意のジョセフ・ルーベン氏という磐石な組合せ。

以下、本作の感想を書くとどれもこれもネタバレしそうです。
先入観なしに本作を楽しみたい方は、これから先は読まない方がいと思います。



とにかく予告編見た段階でめっちゃ期待してた作品ですが、予告編で見せ過ぎてるような気はしてたんですよ。
絶対に存在していたハズの息子が、ある日を境に全く痕跡がなくなってしまう。
ここまでは予告編で流してもOKだと思う。だけど予告編ではその後に夫まで自分の存在を忘れてしまうというシーンが映し出されていますよね?コレは見せ過ぎだとぴよは思いましたよ。

その存在の不確かなのが息子だけなら、映画序盤でテリーが記憶障害を持っているという伏線がバッチリ生きると思うんですが、それが夫にまで到ると「こりゃー何かきな臭いな」と誰もがオチをある程度想定すると思うんですよ。
ありきたりなトコロだと「霊ネタ」「エイリアンネタ」、ひねったトコロで「本当にテリーは記憶障害だった」辺りか。

この作品の大失敗は、映画冒頭でかなり面白くなりそうな伏線を張っているのに、観客にオチを想像させる間もなくネタの落としどころを限定させてしまうという部分でしょう。
通常なら「そーは言ってもまだどんでん返しがあるよネ?」と、更に観客をミスリードさせるハズなのですが、本作は予告編で「夫すらテリーの存在を忘れてしまう」というシーンを見せている為に、この後にどんでん返しは在り得ない、もうコレしかオチはない!と誰もが悟ってしまうんですよ(^-^;

オチを早々に観客に提示するなら、せめて映画の中の登場人物に事件の真相を追う第三者を加える事で、話を膨らませたり観客を更にミスリードするしかお楽しみがなくなってしまうと思うんですわ。
一応本作ではその役回りとして、地元の警察官ポープ刑事をあてがっている(と思う)ものの、ポープ刑事の使い方が余りに稚拙過ぎて単なるB級スリラー物に成り下がってしまいました。

ジュリアン・ムーアの演技は相変わらず磐石ですから(でも実言うと、ぴよはあんまり彼女が好きじゃないのさ)、母と子の絆の深さというヒューマン的な部分の描写は丁寧ですよ。子供のいる方だったら彼女の演技にホロリと来るでしょう。
いや、きっとこの作品のヒューマン部分に感動する事間違いなしでしょう。

ですが、「サスペンス・スリラー映画」として考えるとどうでしょう?
とてもじゃないけど評価出来るものではありません。むしろ「サスペンス映画」というカテゴリは間違っていると誰もが思うに違いない。この作品はサスペンスではなく、あくまでも「X-FILE」的SFドラマだと誰もが納得出来るでしょう。
要するに、映画配給会社の宣伝の仕方が大問題な訳ですよ。予告編で見せなくてもいい部分まで見せておいて、キャッチコピーはあくまでもサスペンス・スリラーと言い張る。これはどーにもいただけません。

せめて「SFヒューマンドラマ」と言ってくれたら、もっとこの映画の評価は上がったでしょう。
これは映画配給会社の大罪ですよ!予告編の作り方をもーちょっと考えて欲しいっすね。







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2005年05月25日(水) 最後の恋のはじめ方

監督:アンディ・テナント
出演:ウィル・スミス
    エヴァ・メンデス
    ケヴィン・ジェームズ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
ヒッチはNYで恋愛下手な人の恋の成就を手助けする「デート・ドクター」というコンサルタントをしている。まるで住む世界の違うセレブ・アレグラ嬢に真剣に恋をするアレックスの手助けをして、何とか彼女の気を引く事に成功。一方真剣な恋をした事のないヒッチはバーで出会ったゴシップ記者のサラをデートに誘い、それがきっかけで段々彼女に真剣に惹かれて行くようになる。ところがアレグラのスキャンダルを追っていたサラは、ひょんな事でヒッチの正体を知ってしまうのだ。


【感想】
ウィル・スミス主演最新作は、初めてチャレンジする「ロマコメ」というジャンル。
ヒッチが初めて真剣な恋をするゴシップ記者のサラ役にはエヴァ・メンデス(あんまりこの人知らないよー)、ヒッチが恋の手助けをするデブでドジで冴えない会計士アレックスを演じるのは、日本では馴染みがないけど本国アメリカでは大人気のコメディアン、ケヴィン・ジェームズ。彼は本作でスクリーンデビューを果たしています。

いかにもウィル主演のロマコメらしい、映画冒頭からスクリーンを見る観客に呼びかけるように自分の仕事振りを説明してみたり、何故ヒッチがデート・ドクターになったかという生い立ちをよどみなく語って行きます。
オシャレで軽快で物腰がスマートなヒッチ。正に「ウィル様プロモーション映画」っぽい作りです。

きちんと笑わせるツボを押さえつつ、ちょっとホロリとさせる辺りは「安心して楽しめるロマコメ」
吠える箇所はほとんどありませんし、ヒッチのキャラクターもファン大満足なイイヤツ加減。ヒッチが手助けする冴えないデブの会計士アレックスのキャラも秀逸です。
NYのオシャレな街角、洗練された室内装飾やステキな衣装の数々、その中で恋愛に真剣に悩む世の男性達に福音とも言える「恋の必勝テクニック」を見せながら女性観客をうっとり楽しませる・・・どれを取ってもロマコメの必要条件をきちんと押さえていて、この映画を見て不快感を持つ人は多分ほとんどいないでしょう。

強いて文句を垂れるなら(←言わなくてもいいのに、つい横槍入れたくなるタイプ。苦笑)
ヒッチがサラに「真剣な恋」をしている、という印象が薄かったという事か・・・逆にサラもそれほどヒッチに思い入れがあるようにも見えないし、2人がそこまで惹かれ合ってるって感じがしなかったんだよな。
多少サラの方は「ヒッチが気に入ったんだネ?」と思わせるシーンを盛り込んでいるものの、ヒッチの心の動きが余り丁寧な描写じゃなかったような気がしたんですけどね。

まあでも良く出来たロマコメだと思いますよ。
ちゃんと楽しめるし、オチは見えてるから安心して見ていられるし、オシャレでウィル様はカッコいいし♪
デートムービーにはもってこいの一作だと言えますネ(^-^)

・・・この映画見て、ヒッチのアドバイス通りに女を口説くヤローが出て来たりして!?(笑)








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2005年05月23日(月) 四日間の奇蹟

監督:佐々部清
出演:吉岡秀隆
   石田ユリ子
   尾高杏奈、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
将来を嘱望されたピアニスト如月敬輔は、留学中のロンドンで暴漢に襲われた家族を助けようとして薬指の神経を断裂、この事件で両親を失った少女・千織を引き取った。千織はサヴァン症候群という脳の障害を持つものの、彼女の音楽の才能を見抜いた敬輔は、自分の代わりに千織にピアノを弾かせて全国の施設を慰問する日々を送る事となった。ある日訪れた療養センターで敬輔達を待っていたのは、彼を「初恋の人」と密かに慕う岩村真理子だったのだが・・・


【感想】
浅倉卓弥氏のデビュー作にして、宝島社の「このミステリーはすごい!」第1回大賞受賞作品の映画化。
出版されたのは2年前だそうですが、今尚売れに売れ続けて100万部突破したそーです。もっとも今回映画化された事で更に増版されたみたいですよね・・・最近本屋に行くと、大抵一番目立つ場所に平積みされてますから。

原作未読のぴよなので(←いつものパターン。苦笑)、この映画だけに限ってしか語れませんが、
少なくとも映画化された本作は「ミステリー」じゃなくて「ファンタジー」というカテゴリーに入ると思いますよ。
公式サイトの「STORY」に記載されているのでネタバレじゃないと思うから書きますが、ネタはある事件がきっかけで千織の体の中に真理子の魂が宿ってしまうという話です。
多分千織の魂は事故で危篤状態の真理子の体の中にいるんでしょう・・・多分ネ(^-^;

ま、そんな訳で今まで数多く発表された「魂と体の入れ替わりネタ」なので、先の展開ミエミエです。
映画の作りを見れば誰もが納得出来ますが、驚きの展開なんてある訳ない作りですので、安心して見ていられる代わりに面白味はほとんどないという、「泣きたいヤツは好きなだけ泣いていいからネッ♪」的な・・・「セカチュウ」「今会い」に続くありきたりなファンタジー映画になってました。

んー。きっとこの映画見て「感動しました!」「涙なしには見れませんでした!」「癒しと再生を体現させる・・」という気持ちになる人がきっと大半なんだろうなぁ、と思いながらシラッとした気分で見ていたぴよです。
きっと性根が腐ってるんでしょうねぇ。えぇ。(薄涙)

割とツッコミどころも多いのですが、千織役の尾高杏奈ちゃんはなかなかの逸材です。
1000人のオーディションを勝ち抜いて抜擢された新人さんらしいですが、サヴァン症候群という難しい障害を持っている少女の役と、真理子の魂が乗り移った大人びた口調(と言うか石田ユリ子っぽい喋り)の使い分けが実に巧みでしたね。
難を言えばラストシーン辺りが映画冒頭よりも明らかに滑舌が良くなってる事と、ビジュアル的に華がない事か。
今後の彼女の成長ぶり次第では、もしかしたら大化けするかもしれません。もっと痩せましょう(コラ)

かなり違和感があったのが主役の敬輔を演じた吉岡秀隆クンか。
彼のファンは多いと思うので余り吠えると呪いのメールが届きそうで怖いんですが(苦笑)、彼に何の思い入れもないぴよが見ると「吉岡クンはいつも困った顔をしているだけでキャラクターが変わらない」という感じがするんですけど・・・

「呪いのメール」送信決定でしょうか?(^-^;

同じく療養所の医師・倉野を演じた西田敏行氏、彼もなんだかなぁ〜・・・なキャラでした。
ちなみにラストの倉野夫婦のシーン、あれは蛇足だと思いますよ。「まさかやるんぢゃねーだろーな」と思ってたら本当にやっちゃうんだもんなぁ〜!あのシーンははっきり言うけどこの作品を安くさせてますって!!
原作とどれくらい本作が違うのかわからないけど、少なくとも映画だけを見たぴよにとって、この映画を見た事で原作が是非読んでみたい!と思わせるだけの気持ちにはなりませんでしたねぇ。(薄涙)

吠えまくりですけど、多分世間的にはウケが良さそうな予感です。
愛と涙と感動の約2時間・・・素直に映画見て泣ける方でしたらきっとご満悦になる事でしょう。
でもぴよと似たよーな感覚の持ち主にとっては「底の浅いありがちなファンタジー」で片付けられそうです(笑)








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2005年05月17日(火) デンジャラス・ビューティー2

監督:ジョン・バスキンス
出演:サンドラ・ブロック
    レジーナ・キング
    エンリケ・ムルシアノ、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
潜入捜査の為にミスコン出場した事がきっかけで、一躍マスコミの寵児になってしまったFBI捜査官グレイシー。面が割れて捜査官として使えなくなった彼女は、FBIの広告塔として日々飛び回る事となった。ところが親友のミスコン女王・シェリルとMCのスタンが何者かによって誘拐されてしまった。シェリル達を救いたいグレイシーは、相棒のフラー捜査官と共に動き出すのだが・・・


【感想】
2000年に製作されて大ヒットした「デンジャラス・ビューティー」の続編。
前作でミスコン会場での殺人事件を未然に防ごうと、潜入捜査官として自らミスコンに出場して事件を解決した事で一躍有名になってしまったFBI捜査官「グレイシー」のその後を見せるという展開です。
そんな訳で(どんな訳よ?)またしても前作を見てないぴよです(^-^;

この作品を見る方は前作を必ず見ろ!とまでは言わないけれど、少なくとも前作の大まかなあらすじだけは知っておかないとかなり辛いだろうと思われます。もっと言えば・・・やっぱり前作は先に見ておいた方がいいだろうと。
前作未見のぴよは、一応前作の大まかなあらすじだけは仕入れた状態で鑑賞しましたが、きっと前作から見ていればもっと面白いと思えただろうなぁ・・・と思わせる、「前作から引き継いだ笑いネタ」というのが結構あったように思います。

本作だけを見たぴよの感想なので、前作がとっても気に入った方の感想とは随分違うでしょう。
それを理解して頂いたトコロで本作の話をしましょうか・・・


誰が見てもそこそこ楽しめるコメディになってます。(←いきなり結論攻撃)
グレイシーと今回相棒を組まされる事になった女性捜査官フラーとのバディ・ムービーで、最初はお互い敵対し合ってるんだけど段々相手の懐に入って行って、最後はいい感じにさせてホロリ☆とさせる磐石な作り。
親友のミスコン女王シェリルの誘拐事件の捜査をしながら、お笑いシーンをふんだんに盛り込み、前作から引き継いでいるであろうグレイシーのお笑いネタをチラチラと小出しにしながらファンを喜ばせようという作品です。

特に驚くような展開もなく、誰もが想像した通りのラストに落ち着くという・・・全てが「予定調和」という王道映画なので、吠える場所もなければ退屈する程のものも、意外性も、新鮮な感動も、何もない。
暇潰しに見るのにもってこいの「脳味噌カラッポコメディー」ですな。

こういう作品は感想の書きようがありません。
だって過去に100回以上は見たであろう話を、役者を変えて見ているだけってヤツですから(^-^;

映画とは関係ないですが、友達と激しく一致した意見。
「サンドラ・ブロックってものすごーくゴージャスでキレイなオカマみたいな顔だよねー!」
・・・本作見てやっぱりオカマにしか見えなかった。でもすんごいキレイ。でもオカマにしか見えない(コラコラ)
うーん。まるで「メビウスの輪」のような不思議な女優さんです(笑)







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2005年05月16日(月) ミリオンダラー・ベイビー

監督:クリント・イーストウッド
出演:ヒラリー・スワンク
    クリント・イーストウッド
    モーガン・フリーマン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
老トレーナー・フランキーは23年来の付き合いの雑用係スクラップと共に、昔気質のボクシング・ジムでボクサーの育成に力を注いでいた。そこにある日31歳の女性ボクサーのマギーがトレーナーになって欲しいと通うようになる。女性ボクサーを認めないフランキーは最初は相手にしないものの、マギーの熱意にいつしか心動かされてトレーナーになってしまう。果たしてマギーはデビューすると連戦・連勝の快進撃を続け、いよいよタイトルに手を掛ける事になったのだが・・・


【感想】
今年のアカデミー主要4部門(監督賞、作品賞、主演女優賞、助演男優賞)を総なめにして話題になった作品。
よもや映画好きさんでこの作品を全く聞いた事もない、なんてー人はいないでしょう。

さて・・・ヒラリー・スワンクはとにかく凄かった。
彼女のこの渾身の演技・・・こりゃー誰が見ても主演女優賞は彼女以外に考えられないでしょう!の熱演です。
ボクシングシーンのあの迫力を、ノースタントで演じたというのは本当に拍手喝采です。
更にモーガン・フリーマンとイーストウッドの掛け合いもいい。
時に皮肉交じりに、時にユーモラスに、でも2人が共に生きてきた長い時間の重みと2人の信頼関係を誰もが感じさせずにはいられない、共に戦って来たからこそお互いを思い遣れる・・・そんな静かでありながら熱いモノを感じさせてくれる素晴らしい演技でした。

なかなか内容に触れませんネ(^-^;
・・・実は、あまり内容自体に触れたくない。というのが正直なトコロか。

本作はまだ一般公開していないので(試写会で鑑賞)、余り内容に触れるとお楽しみにが半減しそうです。
ですからなるべく内容の核心に触れないように書こうとは思いますが・・・
【この作品を先入観を入れずに楽しみたい方は、この先は読まない方がいいかもしれません】




なるべく核心部分の記述なしで感想を書いていきましょう(く、苦しい・・)

正直言うと、予告編を見た段階では「女性ボクサーの頑張るムービー(サクセスストーリー)」なんだなと思いながら鑑賞していたんですが、映画後半になって予想だにしない展開が待っていました。
コレには本当に驚いた。本当に全く考えてもいなかった展開だったので、唖然としまくった。

そーか。これは「頑張るムービー」じゃなかったんだ・・・そう判った時、正直に言うとぴよは「ズルいよ」と思った。

フランキーの決断について、賛否両論があるのはイーストウッド氏は織り込み済みだろう。
それを見越した上でモーガン・フリーマンを語りべにしているというあざとさ←言い方変えれば「巧み」なんですが。
マギーの家庭環境の劣悪さを散々見せ付けておいて、マギーにとって唯一無二の存在はフランキーしかいない、という事を散々観客に見せ付けておくというのもソツがないし。

更に言えば、どーやらフランキーは娘と長きに渡り確執があり(それもフランキーに非があるようだ)、毎日教会のミサに通っては神父に食ってかかってみたり、そうかと思えば読まれる事のない手紙を娘に送り続けていたり・・・フランキーの生い立ちや人生を多く語らずに観客の想像任せにする事で、逆に観客にフランキーとマギーの心の結びつきの強さを強調しようという趣向なんだろうと思います。
これはやり方を間違えると「説明不足で訳わかんない」と吠えられる危険をはらんでいるものの、今作はそれを上手にクリアして観客にクライマックスの感動を与える事に成功しているんじゃないかと思う。

確かにこの作品はその意外な展開、そして映画の主題を観客が理解した頃にはすっかりイーストウッドのペースに持ち込んでいるという妙技、役者の確かな演技に裏打ちされた感動と満足感を得られる、及第点以上の(もっと言うとアカデミー賞選考委員が大絶賛しそうな)作品だと評価されて然るべきだと思う。

でもぴよはこの作品が余り好きになれなかった。
誰もが考えさせられる、誰もが感動させられる、逆にそう思わない人間は冷徹だと思われるような・・・そんな「あざとさ」がどうにも鼻について、天邪鬼な性格のぴよは「これはズルいよぅ!」ってずーっと心の中で叫びまくってた。
そもそも後から考えると、話の作り方自体はそれ程凝ってる訳じゃない。どちらかというと稚拙なのかもしれない。

それでも「考えさせられる話だった!」って言わずにいられなくさせるパワーがあるって事は、やっぱり評価に値する作品だったって事なんだろうなぁ・・・いやぁ〜、でもぴよはやっぱりこの作品は余り好きじゃないですけどネ(^-^;







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2005年05月14日(土) バタフライ・エフェクト

監督:エリック・ブレス、マッキー・J・グラバー
出演:アシュトン・カッチャー
    エイミー・スマート
    ウィリアム・リー・スコット、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
幼い頃から度々記憶を失うエヴァンは、治療の為に7歳頃から日記を付けるようになった。13歳になったエヴァンはある事件がきっかけで引越す事になったのだが、肝心の事件の核心部分の記憶を失っていた。愛するケイリーに「必ず迎えに来る」と言い残し去ったまま時は流れる。7年後、大学生になったエヴァンは過去の日記を読んでいて失った記憶の断片を取り戻したのだが、それと同時に自分の力で過去を変えられる事に気付くのだ。


【感想】
2003年に「最も美しい男女50人」の1人に選ばれ、アメリカでは人気の高い俳優アシュトン・キャッチャー主演最新作。
ですが日本ではあまり知名度は高くないですよね?「デミ・ムーアのツバメちゃん若き恋人」というゴシック記事で名前くらいは聞いた事があるかな?って感じですが(^-^;
他に出演している役者も、芸達者ながら日本での知名度がイマイチな顔ぶれのせいか?ぴよが住んでいる名古屋では微妙に行くのが面倒な場所にある映画館2館でしか公開されていません。
そして公開初日に見に行ってみると、客席5割くらいの入りか・・・コレは早く見ないと公開終了しちゃうかも?

タイトルの「バタフライ・エフェクト」は映画冒頭でも説明がありますが、「蝶の羽ばたきが世界の裏側で竜巻を起こす」
要するに「初期の些細な違いが後々の結果に大きな差異を生む」という「カオス理論」の事です。映画中にエヴァンが愛するケイリーの幸せを願う余り過去の事実を改ざんする事で、とんでもない結末に変わってしまう事を指しています。


この映画は面白いぞ!!


やー!久し振りに褒め言葉に赤太文字使いましたー♪(笑)

でもホントにサスペンス映画として、久し振りに「やられたー!」と感心させられる作品に出会いましたねー♪
軌道修正したハズの過去がもたらす現在の弊害の妙たるや、スリリングで先の展開が全く見えず、しかも考えもしなかった意外なオチ(これは人によっては想像付くかもしれないけど、ぴよには全く想定外だった)、どれを取ってもサスペンスとして超一級の出来だと太鼓判を押したいですよっ!

そもそも「過去を変える」という話は過去多く作られているけど、「過去改ざんネタ」の大前提って「結果的に未来(現在)の歴史を変える事は出来ない(もしくは変えてはいけない)」というセオリーの中でしか話が展開しませんでしたよね?
この作品は、既存のそういうセオリーをかなぐり捨てているトコロ、更に言えば「未来の結果を変えれば絶対に話の辻褄が合わなくなって破綻する」と誰もが思っていたのに、きちんと観客が納得出来る形で(しかもちょっぴり切ないけどステキな着地点ヨ♪)辻褄を合わせてオチを付けているという点が非常に評価が高いです。

もっとも、「過去のある1点を変える事で、その後エヴァンが出会う人物も環境もガラリと変わるハズなのに、どうしてメインで登場する人物が変わらないのか?」というツッコミはありそうですが(←実際ぴよもそー思った。苦笑)
そこまでリアルを追求したら、世の中から「映画」「サスペンス」という娯楽がなくなっちゃいますからネ。
そこんとこは片目をつぶって、ひとまず「エヴァンの周囲だけの未来変化」という事で納得して見てやって下さい(^-^;

少なくとも、サスペンス物としてこの映画はほぼパーフェクトに近いでしょう!
これは間違いなくオススメの一本です!

ただし、上映館が少ないようですので・・・気になる方はお早めに見に行って下さい!本当にオススメですよ!!







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2005年05月13日(金) クローサー(米・2004年)

監督:マイク・ニコルズ
出演:ジュリア・ロバーツ
    ジュード・ロウ
    ナタリー・ポートマン、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
ロンドンに住む新聞記者のダンは、ある朝事故に遭った女性アリスを助けてお互いたちまち恋に落ちた。それから1年後に本を出版する事になったダンは、ポートレートを撮影してもらいに行った女性写真家アンナにまたしても一目惚れするものの、アンナに拒絶される。その後ダンのいたずらがきっかけで知り合った医師ラリーと結婚したアンナだったが・・・


【感想】
1997年に劇作家パトリック・マーバーが発表した大ヒット戯曲「CLOSER」の映画化。
30ヶ国に翻訳され、ブロードウェイや東京等100都市以上で上演されたこの伝説的戯曲を、マーバー氏自身が脚本を手掛けて映画化したというんだから・・・力の入れようが違いますよネ!

そんな訳で、当然だけどこの大ヒット戯曲の映画化に相応しいゴージャスなキャスティングが必要でしょう。
2組の男女の織り成す恋愛模様を演じる4人は、上記の出演者の他に「キング・アーサー(2004.7.29鑑賞)」ですっかり日本の映画ファンにもお馴染みになった「クライヴ・オーウェン@宇梶剛士に激似」を加えて、今世界の映画界で誰もが注目せざるを得ないよーな、まぶしくて目も眩むメンバーを取り揃えています。

・・・と、エラソーな事を書いてるぴよですが、実はこの作品の事をずーっと2003年に公開された(製作2002年)同名タイトルの香港映画(2003.4.24鑑賞)と勘違いしてました(^-^;

さて、本作ですが。
まず時系列に書いて行くと、まず新聞記者のダンとNYからやって来た元ストリッパーのアリスが恋に落ち、その後ダンとアンナが知り合ってダンがアンナに一目惚れ(でもこの時はアンナに拒絶される)。その後ダンのちょっとしたいたずらがきっかけでアンナと医師のラリーが知り合って恋人同士になるものの、ダンとアンナはお互いパートナーがいながらも惹かれ合う気持ちを抑えきれずに・・・てな感じですか。

登場人物が極端に少ない割に、なんともグチャグチャな話でして。

簡単に言えば、お互いパートナーがいるもの同士の不倫話なんですが、本作はそんなに簡単には語れそうにもない。
不倫自体にスポットを当てている訳ではなくて、どちらかと言うと浮気されちゃった側のパートナーそれぞれにスポットが当たっているような感じがしましたね・・・んー。でもそれだけでは説明が不十分な気がするなぁ(^-^;
少なくともジュート・ロウ演じた「ダン」は随分頑張ってたし、この物語をある意味引っ張ってましたしねぇ。

それにしても、どーにも理解の出来ない話でした(苦笑)
そもそも誰に感情移入していいのか判らないんですよ。もっとも誰か特定のキャラに感情移入する類の作品ではないんだろうと思うんですけど、それにしてもキャラの誰にも共感出来ない作品って見てて辛いんですよね。
もしかしたらこの映画と同じような境遇に遭った人、遭わされた人なら共感出来るのかもしれないけど・・・

それにしても、クライヴ・オーウェン演じる「医師ラリー」の行動は怖かった。
もし自分のパートナーがここまで計算し尽して事を起こすタイプだったらどーしますぅ?自分がジュリア・ロバーツと同じ立場だったとしたら、ここまでやられたらハメられてるって気付かないだろーなーって思うのよ。それだけに怖いさ(^-^;

ラリーと対照的なのがジュード・ロウ演じる「新聞記者ダン」
全く計算出来ない・・・って言うか、ほとんど本能の命じるままに動くバカ(笑)
「恋人にウソは付けないから何もかも話す」ってのも幼稚過ぎるけど、相手にもそれを強要するのは更に幼稚。イマドキこんな事言うヤツいるかぁ?ちょっと信じられないくらいステレオタイプの「マザコンバカ」やっちゃってるしさー・・・ジュード・ロウの使い方、もーちょっと考えてあげてよーん!あんなに美形なんだからさー!

ダラダラした展開だけど「この作品を理解出来るのはホンモノの『大人の恋愛』をした事のある人だけですネッ」とでも言いたいんだか?ムダにセクシャルなセリフを役者に言わせて気取ってますが、ストリッパーシーン以外に映像的にセクシャルなシーンは皆無ですので、会話だけでソソられる程ぴよはウブではありません(ひー)
・・・あ。『ホンモノの大人の恋愛』とやらをした事がある人なら、この会話だけでウルウルゾクゾク来るんすか?

まー何にしろ、ぴよには何が言いたいんだかさっぱり判りませんでした。
はっきり言って話自体もぜーんぜん面白くなかったもん!(^-^;
でもネ、やっぱ出てる役者がいいから絵的にはそれなりに満足出来るのよネ←ジュード・ロウ様の事ですぅ♪

意外な収穫だったのはナタリー・ポートマン。彼女はすんごく可愛かったし演技も良かった♪







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2005年05月12日(木) 父よ

監督:ジョゼ・ジョヴァンニ
出演:ブリュノ・クレメール
    ヴァンサン・ルクール
    リュフュス、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
殺人事件の犯人として逮捕され、死刑判決を受けた息子マニュに何とか大統領の特赦を受けたいと、父親のジョーは毎日刑務所の前にあるカフェに向かい、情報収集をし、そして足を棒にして遁走していた。賭博師のジョーのせいで一家は大きなホテルを手放しており、マニュとジョーの間は長年罵り合いが絶えなかった。マニュに嫌われている事を自覚しているジョーは自分がしている事を一言も息子に告げず、面会に行くとただ黙って息子と見詰め合うしか出来なかったのだ。


【感想】
2001年フランス作品。
本作の監督ジョゼ・ジョヴァンニ氏の自伝的小説の映画化で、本作の脚本も氏が手掛けています。

それにしても、全部が事実と一緒ではないでしょうけど、少なくとも映画中の一家は何ともスゴいです。
第二次世界大戦後にパリでギャングになったマニュは、ある殺人事件に関わったかどで死刑宣告を受ける。マニュの兄貴もギャングで行動を共にしていたものの、逮捕後に脱走した挙句に偽造旅券を手に入れる為にトラブルに巻き込まれて殺されてしまう。

更にスゴイのは両親ですわ。
そもそも兄貴の脱走の手引き?をしたのは親父だし、その親父の職業ってのが「賭博師」ときたもんんだ。
母親くらいは真っ当なのかと思うと、ルーレットで一山当てて息子の減刑活動費を捻出しようってーんだから、どう考えたってまともな家庭だとはお世辞にも言えない(笑)
そもそも息子達をギャングの道に引き入れたのは、母親の実兄(叔父)なんだから・・・一族腐ってますな(^-^;

さて、映画についてですが。
全般通して服役中のマニュの方ではなく、親父のジョーの視点と行動を追っていくという作りになっています。クライマックス以降はマニュの独白形式にバトンタッチしますが、映画の大筋は父親の行動を追う形。
どうしてマニュが死刑囚になっているのか、どうしてマニュとジョーは仲が悪いのか、等の物語の背景は映画が進む段階で少しずつ明かされていくという見せ方になっています。

これがまた・・・恐ろしく淡々としてて、ぜーんぜん話が展開して行かないんですヨ(^-^;
それでなくても死刑囚の息子の減刑活動をする親父の話ですからね、派手な展開もなければ絵的に楽しませてくれるようなエンターテイメントでもない。
「無実なのに投獄されている息子の冤罪を晴らすサスペンス」ならもう少し面白い展開も期待出来そうですが、少なくとも事件に関わっているのは事実なだけに(ただ殺人自体は犯していない)サスペンスという展開も在り得ない。

ダレるにゃ〜・・・こりゃ〜ダレまくりですにゃ〜・・・

と、思いつつもダラダラ見てたんですが、淡々ながらも話が進んでくるとすっかり親父に夢中になってました。
寡黙で自分の心の内をなかなか表に出せない親父。自分の育て方が悪かったという負い目を持ってて、自分は息子達に嫌われても仕方ないんだと自分を責め続ける親父。ロクでもない息子でも、それでも生きていてくれさえいればいいという無償の愛を捧げる親父。

とんでもない親父なんだけど、でも「愛」が溢れてる。
見てる内にジワジワと、ひたひたと、ジーンと、親父の愛に切なくなる。
良くも悪くも、古きよき時代の愛すべき親父がそこにいた。
そしてマニュ(ジョヴァンニ監督)の親父に対する愛が、作品中に溢れていた。

決して面白い展開のある話ではないから、万人ウケする作品だとは思わない。
でもラストはとてもいい気分にさせてもらえる、静かで心豊かになる作品でしたね。フランス映画らしいまったりした作品ですが、たまには食わず嫌いしないで鑑賞してみて下さい。なかなかオススメの一作ですよ。







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2005年05月10日(火) ザ・インタープリター

監督: シドニー・ポラック
出演: ニコール・キッドマン
    ショーン・ペン
    キャサリン・キーナー、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
アフリカ・マトボ共和国出身でアメリカとマトボの両国籍を所持するシルヴィアは、国連通訳の仕事をしている。ひょんな事でマトボの大統領暗殺を臭わせる会話を盗み聞きしてしまったシルヴィアは、通報した事で逆に自身が危険に晒されることとなる。シルヴィアを保護するシークレットサービスのケラー捜査官はシルヴィアを疑いつつも、彼女の境遇と自分が妻を亡くしたばかりという状況がシンクロして、いつしか互いに優しい気持ちを抱くようになるのだが・・・


【感想】
「愛と哀しみの果て」「ザ・ファーム」等を手掛けるオスカー監督、シドニー・ポラック氏の最新作。
と言うよりも、フツーの映画好きさんならこの作品に食い付かずにはいられないでしょう!何しろニコール・キッドマンとショーン・ペンという、共にオスカー主演賞を受賞した大物俳優の共演ですヨ!!

話はアフリカの架空の国・マトボ共和国の大統領暗殺計画をたまたま聞いてしまった国連通訳の女性と、彼女を保護しつつも彼女に対して疑念を抱くシークレットサービスの男との丁々発止、疑いながらも共感して淡い恋心を抱く様子、そして肝心の大統領暗殺に絡むマトボの国状とシルヴィアの隠された過去、更に暗殺計画の黒幕は?
黒幕探しに並行して、シルヴィアの言ってる事は本当の事なの?もしかしてシルヴィアの自作自演?もっと言うとシルヴィアが暗殺計画の一端を担ってるんじゃないの?・・・という謎も提示してですねー


ネタがてんこ盛りー!盛り過ぎー!(笑)

本当にネタがてんこ盛りなんです。
ですが、赤太文字で吠えましたけど非常に上手にまとめ上げているなぁ〜!という感じがしました。

映画冒頭からしてクライマックス〜ラストに向けての伏線はバッチリ☆だし、シルヴィアの境遇とケラーの境遇を絡める辺りも非常にスマート。ありがちな「混乱した国状のアフリカの小国」と国連との関わり、何故暗殺計画が持ち上がるか?という事についての説明も実に判り易くて、観客をムダに惑わす事はないのに詰め込んだネタが破綻する事もない。
とにかく非常に練られたプロットの、非常によく出来た脚本になっていたと思います。

更に見ドコロも多い。
本作、初めて国連本部での撮影が許可されたそーでして、クライマックスの映像なんてスゴイ迫力です!
加えてオスカー俳優の演技合戦・・・ニコールの美しさにノッケからノックアウトされっぱなしのぴよですが、彼女はその美しさだけでなく非常に質の高い演技を見せてくれますし(でもどーしてもその美しさに目が奪われちゃうぴよですが♪苦笑)
ショーン・ペンも堂に入ったさすがの演技力!彼の演技は作り込み過ぎて鼻に付く、という意見もよく耳にしますが、確かにすごく作り込んでます。でもぴよは鼻に付く程ではないけどなーと思いながら見てた。

さて、本来ならコレだけ褒めたら☆5つ決定の太鼓判でしょー!と自分でも思うんだけど・・・

何だか面白くないんですよ(←をーい)
物凄くよく作り込まれてて、脚本良し・演技良し・映像良しの三拍子なのに、何故か面白味は感じない(^-^;
少なくともぴよは全くダレなかったけど、ダレるとかそーいう種類のモノじゃなくて単純に「面白い話じゃない」のだ。

いや・・・勿論ツボにハマる人にはすっごい面白いだろーし、冷静に考えると評価が高くて当たり前の作品には仕上がってるんじゃないだろうか?とは思うんですよ。
でも「何がどーすれば面白くなるのに・・・」という余裕すら持たせない、それなにの決して面白くはない(ふぅ〜)

何なんだろう?・・・ぴよが「バカ映画好き」だから?(^-^;
単純に「この映画とぴよとの相性が悪かったんだ」としか思えないんですが・・・みんなはどーなんだろ?






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2005年05月09日(月) 甘い人生

監督:キム・ジウン
出演:イ・ビョンホン
    キム・ヨンチョル
    シン・ミナ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
ホテルのマネージャー・ソヌは裏社会のボスで社長カンの元、殺し屋という別の顔を持ちカンの信頼を受けていた。ある日カンから「自分の出張中に愛人を見張れ」という命令が下る。愛人に最近若い恋人が出来たようで、もしそれが事実なら2人を殺せと言うのだ。カンの愛人ヒスが男を自宅に連れ込んだ現場を押さえたソヌだったが、ヒスの魅力に淡い恋心を抱いたソヌは2人を見逃してしまうのだ。


【感想】
ビョン様ファンのおば様方、こんにちわ♪韓流映画は結構好きですが、特にビョン様には興味のないぴよです(笑)
そんな訳で、公開して直ぐに本作を見に行った友人が「オバはん達が映画中キャーキャー騒いでうるせーんだヨ!(怒)」と吠えていたので、敢えて見に行く時期をハズさせて頂きました♪
ちなみに映画館内の観客、99%ご婦人(年齢層について触れるのはやめておきましょう)でした。

タイトルは「甘い人生」ですが、全然甘くない人生の話です。
もっと言うと「今まで甘くなかった人生の中で、一瞬甘い気持ちになったが為にとんでもなく辛い人生になってしまった」という話だと言った方が判り易いかもしれません(笑)
そんな訳で、ビョン様がおねーちゃんとイチャイチャして至福の笑顔を晒してくれる事を期待してるオバ様方が見ると、余りに過酷な「ビョン様イジメ」の様子に卒倒してしまうかもしれません。

意外にストイックな内容なんですよネ。
もっと恋愛系に傾倒してるのかと思ってたら、物凄くストイックな「男の裏社会の話」でした。
韓流映画には必ずと言っていい程挿入される「ププッと笑わせるシーン」も、1ヶ所だけ(密輸拳銃購入のシーン)あるにはあるんですが、この映画のカラーから逆にこのシーンだけ浮いてて白けるくらいです(苦笑)

随分派手にやられちゃってるビョン様ですが、見ながら終始思ってた事は「これはプロモーションビデオか?」
クールなスーツ姿で派手な大立ち回りをしながら敵をバッタバッタとなぎ倒すビョン様、
泥だらけになってあえぎ、滅多打ちにされて血みどろになるビョン様、
険しい表情で有無も言わさず敵をブチ殺すビョン様、
映画中ただ1回だけ・・・ヒスの様子を思い出して至福の微笑みを一瞬浮かべるビョン様(あぁんっ♪)

ビョン様、どうもありがとぉぉぉぉー!オバ様達幸せですぅぅぅぅーーーー!←オバ様の代わりに叫んでおくネ♪(笑)

内容自体はストイックな裏社会の話なんだけど、ぶっちゃけ言うとヒスを演じたシン・ミナ嬢が余りに「魔性の女」から遠く離れた地味なキャラクターなので、どうしてこんなどこにでもいそうなオネーチャンにカンもソヌも一目でイチコロになるのか理解に苦しみます。だから「ソヌが人生狂わせる」という一番キモのエピソードが弱過ぎです。

他にも思わせぶりなのに何も語られないソヌの生い立ち、たかだか愛人との色恋ネタの後始末をしくじっただけなのに、どうしてここまで執拗にソヌは制裁を受けなければいけないのか?
更に言えば、ソヌをここまで痛めつけてるクセに、どうして肝心のヒスは無傷でのうのうとしていられるのか?等のツッコミたい部分は満載なんですが・・・

ビョン様がカッコ良ければOKですから♪(爆)
少なくとも「木の枝が揺れるのは風のせいでも枝のせいでもなく、それはアナタの心が揺れてるのヨ♪」という映画冒頭のナレーションは、きちんと生かされていたと思います。だから映画としてはコレでOKなんでしょう。

言っちゃ〜何だけど、この作品はビョン様が主演じゃない方が良かったんじゃないかなぁ?
彼が主演じゃなければもっと映画の内容をじっくり楽しめた気がするの・・・どーもプロモっぽく感じちゃってサ(^-^;







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2005年05月08日(日) レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

監督:ブラッド・シルバーリング
出演:ジム・キャリー
    エミリー・ブラウニング
    リアム・エイケン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
発明家の姉のヴァイオレット、読書家で一度読んだ内容は決して忘れない弟クラウス、噛み付き魔の末娘サニーは、裕福なボードレール家の仲良し天才三姉弟妹。ある日家が火事になり両親が他界、孤児になった3人は遠縁のオラフ伯爵に引き取られる事になった。ところが遺産を狙うオラフは3人の暗殺を企てる・・・次々と襲い掛かるオラフの陰謀を必死に回避するバイオレット達だったが・・・


【感想】
全世界40カ国語に翻訳され、3000万部を売り上げたレモニー・スニケット氏の大ベストセラー「世にも不幸なできごと」シリーズの映画化。ぴよは未読なんですけどネ。←こんなんばっかり(^-^;

ジム・キャリーが好きなので彼目当てで見に行ったんですが、映画見てドびっくり!
ダスティン・ホフマンやメリル・ストリープ等、名だたる名優がチョイ役でビシバシ登場するし、極めつけはエンドクレジットに記載されてるのを見てよーやく知った「ジュード・ロウ」様の存在!
存在って言うか、はっきり言って声の出演だけだよね・・・せっかくの美形なんだからサ、シルエットだけじゃなくてお姿も是非見せていただきたかったですぅ〜!くすん(薄涙)

ま、そーいう「誰が出てる」っていうネタは大人が楽しむ部分でして・・・内容自体は思いっきり「児童書」でした。
簡単に言うと「ヘンゼルとグレーテル」系の不幸モノ童話に「一休さん」と「桔梗屋」(←みんな覚えてる?苦笑)のとんち合戦を足してスケールをデカくした・・・みたいな話です。

内容自体は確かに「お子向け」ではありますが、映像は子供だけに楽しませるには余りに勿体無い!非常に美しく丁寧な絵作りがされていて、これは大人が見ても(むしろ大人が見たほうが)楽しめる部分でしょう。好感度大ですヨ♪
更に言えば、子役3人がどいつもこいつも可愛いったらない!
特に末娘のサニーは卑怯です(←いきなり)。「あー」「んばー」「うー」という赤ちゃん語にあのクールな字幕を付けるってのは余りに卑怯過ぎるというモノでしょう!
笑うよ!そりゃー誰だって笑うだろーさっ!!しかもめっちゃ可愛いんだもんっ!許ぅ〜す♪←どっちだよ(苦笑)

ぴよはジム・キャリー好きだから、あのすっ飛んだオラフ伯爵のキャラには随分笑わせてもらいましたが、彼独特の激しい顔筋の動きとクセがあってしかもクドい演技(をい)は、最初の内は大ウケするかもしれないけど延々見てると「もうお前そこら辺で引っ込んでろ」と言われないかと危惧してしまいます(^-^;

児童書の映画化だからコレでも充分だとは思うけど、欲張り言うと両親とその遠縁達が調べていた「火事」にまつわる繋がり部分や望遠鏡等の重要アイテム?が、もう少し詳しく(と言うかサスペンス?として)丁寧にプロットを練って描かれていると大人ももっと楽しめるだろうになぁ〜・・・とは思いますね。

まあ、そんな訳でそこそこ楽しませてもらえるけど、内容は大した事ないって感じでしょうか(苦笑)
でも絵はやっぱキレイ・・・エンドクレジットまで非常に手の込んだ美しい映像を楽しませてくれますヨ♪








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