ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2003年01月31日(金) ミッション・ブルー

監督:ローレンス・マルキン
出演:スキート・ウーリッチ
    クリスティ・スワンソン
    デレク・デ・リント、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
オランダ・ロッテルダムの多国籍投資銀行「ヨルゲンセン・ファイナンシャル」で働く「ケビン」は、様々な国際取引に絡む危険からクライアントを守る為の、セキュリティー・エキスパートとして働いている。「保安部長」に昇進したケビンは、同社内で働く恋人にプロポーズしようとした、正にその瞬間、何者かによって恋人を殺されてしまったのだ。
ところが捜査にインターポールまで介入して来た事で、恋人の殺害に不審な物を感じたケビンは、彼女がクライアントの裏資金のマネーロンダリングに手を貸していた事を知り愕然とする。彼は事件の真相を暴こうと動き出したのだが・・・


【感想】
ロッテルダムはヨーロッパの金融中枢とも言える町。だからと言う訳でもないけど、表に出せない金をちょちょいといじくって表に出せる金に変える「マネーロンダリング」がこの町で行われているという話もよく耳にしますが・・・

話は割りと真っ当な「アクション・サスペンス」「犯人探し・犯人当て」物だと思うんだけど、何とも味気ない感じがすると言うのか・・・キャラクターがまるで掴めない、もっと言えば「魅力を感じない」って言うのかな(^_^;)

映画中に何度もフラッシュバックのように、殺されてしまった彼女の生前の愛すべき姿が挿入されていて、これはたぶんケビンがいかに彼女を愛していたのか・・という事を強調したかった?んだと思うんだけど、かなり挿入されている「生前の彼女」のシーンを見せられても、ちっともケビンが彼女を殺された事に打ちひしがれているとか、こんなに愛していたのか、とは思えないんだよね。
演出が悪いんだか、それともスキート・ウーリッチの演技が悪いんだか(苦笑)

話もとんとん拍子で進んでる割には、惹き込まれる要素が乏しい感じがするし、一応「犯人当て」としては最後にどんでん返しがあるものの、「えぇー!そーだったのぉー!?」という驚きも意外性も感じないというのは、相当痛いと思うんだけど〜。

話の筋の説明と展開に追われちゃって、各々のキャラの人物像の描き込みが余りに薄過ぎた・・・というのが一番マズかったんじゃないかと思うんだよね。
話のネタ的には決して悪くないと思うんだけど、キャラクターに「命」が感じられないと、どうしても見る側も話の筋だけを追う事になって、肝心の「恋人を殺された真相を暴きたい、事件の真相を突き止めたい」という主人公の感情が置き去りにされてしまって、面白味に欠けちゃうんだよね。


話の筋とは全然関係ないんだけどさ、恋人と一夜を過ごす大切な時は、ベッドにバラの花びらを撒き散らすというのが西欧式なんですか?・・・こーいう演出、日本男児も真似してよくってよぉ〜♪(笑)






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2003年01月30日(木) トランスポーター

監督:ルイ・レテリエ、コーリー・ユン
出演:ジェイスン・ステイサム
    スー・チー
    フランソワ・ベルレアン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
1.契約厳守、2.名前は聞かない、3.依頼品は開けない、・・・これがプロのトランスポーター(運び屋)フランクが掲げるルールだ。高額な報酬でどんな依頼品も確実に届けるフランクは、超一流のドライビング・テクニックと人並み外れた格闘技術を持ってして、この3つのルールを守り、安全に収入を得ていた。
ところがある日、あまりに不審な依頼品を受け取ったフランクは、つい中身を見てしまったのだ。
その中には何と手足を縛られた謎の美女が一人入っていたのだ・・・


【感想】
ダブル・ネーム監督だけど、映画宣伝のコピーには「リュック・ベッソン」の名前しか出て来ない。製作・脚本をリュック・ベッソンが手掛けた、いわゆるこれは「リュック・ベッソンの新作」って訳。

寡黙でストイック、どんな過酷な条件の依頼品も、確実に指定された場所に契約通りに届けるトランスポーター「フランク」が、とある謎のアジアン・ビューティー「ライ」を図らずも助けてしまった事から、謎の大物犯罪組織に追われるハメになってしまう・・・まぁ、判り易いと言ったら判り易いんだけど、なーんの展開のヒネりもなければオチもお約束通り。(^_^;)
これは完全に「アクションシーンさえ楽しめればそれで万事OK」な映画っすね。(笑)

映画冒頭から超ド迫力のカーチェイス・シーンが続いて、かなり見せてくれるんだけど、映画も進んで来てアクション・シーンが頻発して来ると、正直言って格闘ゲームの画面見てるのとそれ程大差ないよーな気がして来ちゃう(苦笑)
コマ割りが多過ぎて、何やってんだかわかんないし、今時トラックにしがみついたりセスナからパラセイルで飛び降りたって、観客はそれ程「すげー!」とは驚かない。これ程度のアクションなら、先程公開になって人気だった「トリプルX」の方がよっぽどスケールが大きくて、見て楽しめる・・・うーん。かなり酷評しちゃってますが。

誰でもそこそこ楽しめるアクション映画にはなっているものの、特筆すべき点はなく、この手の映画はよっぽど主役のキャラクターにカリスマ性があるか、はたまたあっと驚くようなアクションか演出がないと、目の肥えたアクション映画ファンを喜ばせるのは難しいんじゃないかなぁ?と思うんだけどネ。

カリスマ性には今1つ欠ける感はあるものの、ジェイスン・ステイサムの肉体美は素晴らしい♪(笑)
逆に、香港人気女優の「スー・チー」、彼女の魅力はそれ程この映画で引き出されている感じがしなかったね。相手役の謎の美女は、彼女じゃなくて思いっきりナイス・バディのフランス女優辺りを持って来た方が、まだ「見せドコロ」があったかもしんない・・・なぁんて思ったんだけど。(^◇^;)





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2003年01月29日(水) ケミカル51

監督:ロニー・ユー
出演:サミュエル・L・ジャクソン
    ロバート・カーライル
    エミイー・モーティマー、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
UCLAで薬理学修士号を取得するも、マリファナ所持の現行犯逮捕により輝かしい将来をパーにした男「エルモ」、彼は犯罪組織で得意の薬物調合を続け、「コカインの51倍飛べる」「LSDの51倍の幻覚作用」「エクスタシー51倍」しかも全て市販の薬を調合して作ったという、究極の合法ドラッグ「POS51」を開発した。ところがエルモは古巣の組織を裏切り、薬の調合法の取引をする為にイギリスのリヴァプールまでやって来たのだ。
エルモから調合法を入手したいリヴァプールの組織、そして古巣の組織に雇われてエルモの身柄を拘束したい殺し屋、きな臭いリヴァプールの刑事達・・・エルモに振り回されてリヴァプールの町は大混乱!!


【感想】
今ノリにノッてるサミュエル・L・ジャクソンが「俺が作りたかった映画はコレだ!」と、これまたノリノリでプロデュースから主演までこなしたという、アクション・コメディー。相棒役には「フル・モンティ」で、イギリス映画界に不動の地位を築いた「ロバート・カーライル」を迎えて、これは期待出来そうな一本なのかなぁ〜?

映画はロスの組織の元で合法ドラッグを完成させた男「エルモ」が、組織を裏切って大儲けしようとイギリスにやって来るという設定。イギリスの組織の使いっ走りで、エルモを取引場所まで案内したチンピラ「フィーリクス」が、大のアメリカ嫌いという設定も面白い。
この「アメリカ嫌い」のフィーリクスの登場シーンはかなり面白いのに、その後の話の流れでアメリカ嫌いの部分がいつの間にか宙に浮いてしまったのは実に惜しい。

かなりエゲつないギャグやシーンも満載で、ブラック・ユーモアもなかなか利いてるしコマメに笑わせてくれる、スピード感もあってテンポもいい、歯切れも良くて話の筋も悪くない・・・すっごく面白いんだけど、どう言えばいいのか・・・

一言で言うと「面白いけど、見終わって3歩歩いたら忘れちゃうよーな映画」(爆)

サミュエル・L・ジャクソンのユーモアたっぷりな演技も申し分ないし、本当に面白い映画なのに、どーしてこんな感想になっちゃうんでしょう?(^_^;)
何もかもが中途半端、と言うよりも「B級な映画」という感じがして仕方ないんだよね。

B級映画の中にも「これはいい!」って、いつまでも心に残るB級映画もぴよは沢山知ってるし、決してB級映画を卑下するつもりはないけれど、この映画のB級感というのは「こんなにいいキャストで、話の筋自体も決して悪くないのに、どーしてB級になっちゃったんだろう?勿体無い・・」っていう、そういう類のB級感なんだよね。(今日も言いたい放題だしぃ〜♪)


おうちで友達と集まって「楽しい映画でもみんなで見たいよねぇ〜」って、レンタルビデオでも借りて来て、ビール片手に見るには間違いなくオススメの一本だと言えるんだけど。
結局はそれ止まりの映画って感じ・・・いや、でも本当に面白かったんだけどね。(苦笑)





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2003年01月26日(日) スコルピオンの恋まじない

監督:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン
    ヘレン・ハント
    シャーリズ・セロン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
1940年ニューヨーク。一流保険会社に勤務するC.W.ブリッグスは、勤続20年のベテラン腕利き保険調査員。彼の会社に半年前に入社した同僚のベティ=アン・フィッツジェラルドとは顔を見るたび皮肉を言い合う犬猿の仲だ。ある日他の同僚の誕生日パーティーに出席していたブリッグズとベティ=アンは、店の余興でインチキ魔術師に、とある言葉を聞くとお互いが熱烈に愛し合うという催眠術をかけられてしまう。
一方、その日を境に謎の宝石泥棒事件が頻発。ブリッグスは犯人を探すべく遁走するのだが・・・


【感想】
ウディ・アレンと言えば、ハリウッド中の・・いや、世界中の俳優なら誰しもが彼の映画に出演したい、彼と一緒に仕事をして共演したい!と熱望する、正にハリウッドの生き神様。
そのウディ・アレンの新作となったら見に行かない訳にはいかないでしょう!!(^-^)

予告編を見た時は「コ洒落た恋愛映画なのね♪」と思ってたのに、実際に見てみると、話の筋自体はかなりサスペンスちっくでストイックなネタなのよ。(これは本当に意外だったんだけど)
にも関わらず、ウディ・アレンにかかると「007シリーズ」でも通用しそうなこのネタが、あっと言う間にロマンス・コメディに大変身してしまう!!これってある意味すんごい事だと思うんだけど!(笑)

何しろ、主人公の「腕利き保険調査員」が、あの風采のあがらないチビなウディ・アレンなんだもん(滅茶苦茶言ってる)
にも関わらず、彼が堂々と、当たり前のよーに、美女達と丁丁発止しながら事件の真相に挑み、更には上玉の美女とランデブーまでかまそうってー言うんだから、これはもう「ウディ・アレンファンに捧げるオマージュ」と呼んでも差し支えないよーな作品なんじゃないかと思う!(爆)

物凄い早口で嫌味炸裂させるウディ・アレンとヘレン・ハントの掛け合いは、まるで長年「あ・うん」の呼吸でやりあった漫才コンビもかくやと思わせ、実にテンポがよくて小気味良い♪
劇中のエピソードも実に会話がウィットに富んでて、言葉遊びを楽しませてくれて気持ちいいんだな(^-^)

お互いイヤなヤツだと思い合ってるハズなのに、「嫌い!」というマイナスなベクトルが、逆にお互いの関心を集める結果になってしまって、気付いたら嫌いだった相手の事を常に見つめていて、知らず知らず誰よりも嫌いだったハズの相手の事を知っているという状態になっていた・・・これは実生活でも経験する事はあるんじゃないだろうか?
正に「イヤよイヤよも好きの内」をそのまんま行っちゃえ!的な、古典的ロマンスなんだけどね。

難事件を解決させるプロセスにロマンスを絡ませ、そして映画全体に流れる空気はあくまでもコメディ。
この絶妙な匙加減は、ウディ・アレンじゃなくちゃ出来ない荒業なんだろうなぁ〜と、感心させられちゃいますわね♪


最後のオチも実に気持ち良くて、大人の恋人達のデートにおあつらえ向きの一本。
時代設定を1940年にしたというのもよかったなぁ。このノスタルジックな雰囲気が実に大人向きの映画になってますよ♪




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2003年01月25日(土) 旋風(かぜ)の用心棒

監督:川原圭敬
出演:仲村靖秀
    川原亜矢子
    大和田伸也、他
オススメ度:☆−


【あらすじ】
とある荒涼とした港町。そこは原子力発電所の建設を巡り、推進派の業者と反対派の環境保護団体と市民の間で激しい対立と利権争いが繰り広げられていた。
その町に流れ着いた正体不明の若い男「谺丈二」は、その抗争に巻き込まれていくのだが・・・


【感想】
元々は2002年春に日本テレビ系の深夜枠で放送されていた同名タイトルのアニメを、今回完全オリジナル・ストーリーで実写映画版にリメイク?したというシロモノ。
主人公の「谺丈二」役には200名のオーディションの中から選ばれたという期待の新人「仲村靖秀」が抜擢されていて、原発反対運動のリーダーで謎の過去を持つ女を演じるのが、カリスマモデルの川原亜矢子・・・何やらきな臭い3流映画の臭いがプンプンしますが(苦笑)


正直に申し上げましょう。

今年最低の映画決定ですな。


吠えてませんて。
マジで言ってますってば。(笑)

まずからして、脚本があるんだかないんだかよくわかんない・・つーか、映画見てもどういう話だったのかさっぱりわかんなかったんだわよ。これはたぶんぴよがアホだからってーんじゃなくて、脚本も悪ければ演出も、演技も、映画全体の作りも、何もかもがイケてなかったんだと思うんだ。
いや、マジでだよ?ぴよのオツムの問題じゃないんだってば!(^_^;)

簡単に言えば、謎の男がとある原発建設に揺れる町に流れついて、そこで出会ったとある少年の家族を助ける為に男が立ち上がるんだけど、男には何やらこの町に因縁がありそうで、更にこの原発の反対派のリーダーの色っぽい女にも秘密が隠されているらしい・・・って話なんだけどさ、


死ぬ程つまんねー!


・・・今度も吠えてないってば。本当なんだってば。(^_^;)

何もかもが中途半端で説明不足、主人公のキャラも見えなければ(これが謎の男だからって理由は許されないくらいヒドい)
河原亜矢子演ずる女の謎の設定も全く持って理解不能。彼女の子供時代のトラウマ?的出来事をフラッシュバックのように映画中に挿入されているんだけど、それでも何か何なのかさーっぱりわかんない。

面白味もまるでなければ、訴えかけられるものもなく、アクションも中途半端なら演技も3流、脚本・演出に到っては、そこらの高校生が学園祭の出し物に作った8mm映画だってコレほどヒドくはないだろうって出来で。

よくこの映画を、あの巨匠「黒沢明の名作・用心棒が原案です」とコピーしたもんだと、逆に感心しちゃうね。
黒澤ファミリーは、本当にこの映画を見てから明氏の名前をコピーに使う事を許したんだろうか?
ぴよが黒沢明の親族だったとしたら、絶対に許せないけどねぇ・・・


ここまでボロカスに書いたのって初めてかも?(苦笑)
へそ曲がりなみなさんは、ぴよがここまで酷評してるんだから、逆にどれくらい面白くないのか自分の目で確かめてやろーじゃないかって思ったりしない?(笑)

チャレンジしてみてチョーダイよ!
そして、ぴよの感想が「アータの言う通りだわよぅ!」って叫んでチョーダイよぅ!!(爆)






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2003年01月24日(金) 猟奇的な彼女

監督:クァク・ジョヨン
出演:チョン・ジヒョン
    チャ・テヒョン
    キム・インムン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
まるで女の子のように育てられた気が優しい大学生「キョヌ」、ある日駅のホームで「彼女」と運命的出会いをしたのだ。彼女はキョヌのモロ好みの容貌ではあるものの、「ぶっ殺す」が口癖の、とてもその美しい容姿からは想像もつかない「猟奇的な彼女」だったのだ。だが彼女は粗暴な性格の反面曲がった事は嫌いで、電車で老人に席を譲らない若者を一喝したりする一面も持っている。そんな彼女が心に傷を持っている事を知ったキョヌは、彼女を癒してあげたいと思うようになるのだが…


【感想】
昨年夏に韓国で公開されるや大ブレイクして、韓国歴代恋愛映画の興業収入1位になったり、更にはスピルバーグ率いるドリームワークスが、75万ドルでリメイク権を獲得したとの報も伝えられる、超話題韓国映画!

映画は3部構成になってて「前半戦」はキョヌと彼女が知り合って、彼女のパワフルで奇怪な行動に圧倒されつつも2人が交際を始めるまで、「後半戦」は交際が進むにつれて彼女の環境や彼女の「謎」が少しずつ明らかにされるまで、そして「延長戦」は2人が別れたその後、という作りになってる。

何がスゴイって、この「猟奇的な彼女」のわがままで奔放なキャラクター!とにかく笑わす、笑わす!
映画はキョヌの独白形式で語られながら進んで行くんだけど、彼の独白と彼女の「お約束的」暴挙のコンビネーションは最高に楽しくて、何度も声をあげて大笑いさせてもらったわよ!!
誰がどう見ても「こんな女、許される訳ねーだろ!」ってツッコミ入れたくなっちゃうキャラなのに、彼女の奔放なわがままに振り回されるキョヌとの掛け合いにいつの間にか見てるこっちも引き込まれて、彼女を愛さずにはいられなくなってたりするんだよね♪もうこれはチョン・ジヒョンの演技勝ちって感じ!

散々笑わせながらも、締めるトコロはしっかり締める。
彼女の秘密が段々明らかになって行くにつれて、それまで笑い一色だった映画は、気が付けば切ないラブストーリーに摩り替わっている。ここら辺りBGMもすごくいい!(この映画は音楽もすごくよかった!!)

オチもお約束のハッピーエンドだし、よく考えればかなり使い古されたどーって事ないネタ落としなハズなのに、見てて全然イヤな感じがしないんだよね。むしろ「やっぱこーじゃなくっちゃね♪」「なるほどネタはここに繋がってたんすね♪」って、見てる側を安心させてくれさえする、本当に不思議なほのぼの感が漂っちゃうんだ♪(*^^*)

ぴよ個人的には、シナリオライターを目指している「彼女」が書いた脚本を、そのまま映画の中で映像化して見せてくれるんだけど、それが最高に楽しかったっすよ!!


でもこの映画、ドリームワークスがリメイクしたらどんな風になるのかなぁ?
韓国映画らしいかなり「泥臭い」「もたついた」感じの作りが、逆にこの映画の魅力になってるとも思うんだけど、妙にハリウッドで洗練されたラブストーリーになっちゃったら、もしかしてこれほど面白くは感じなくなっちゃうんじゃないかなぁ?(苦笑)




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2003年01月23日(木) 戦場のピアニスト

監督:ロマン・ポランスキー
出演:エイドリアン・ブロディー
    トーマス・クレッチマン
    フランク・フィンレイ、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
1939年8月ポーランド・ワルシャワ。ナチスドイツの進攻により、ユダヤ人ピアニスト「ウワディスワフ・シュピルマン」の運命は大きく変貌したのだ。次々とユダヤ人に対する締めつけが厳しくなる中、一家はナチスにより「ゲットー」と呼ばれるユダヤ人居住区へ移住させられ、益々ユダヤ人迫害は熾烈を極めていった。
ついにシュピルマン一家を含む大半のユダヤ人が死の収容所へと送られる事になったのだが、シュピルマンただ1人だけその難を逃れて、労働グループに加わりながら時期を見てゲットーを脱出したのだが・・・


【感想】
実在したポーランド人ピアニスト「ウワディスワフ・シュピルマン」の手記を映画化。
映画化するに当たり監督を務めた「ロマン・ポランスキー」本人もまたユダヤ人であり、第2次世界大戦中クラフクのゲットーを脱出して生き延びたという過去を持つ・・・要するにこの映画は、シュピルマンというピアニストの半生とロマン・ポランスキー監督自身の実体験を重ね合わせた「真実の話」なのだ!
・・って、映画見終わるまでこの映画が本当にあった話だったなんて知らなかったんだけどね。(^_^;)

第2次世界大戦下のナチスドイツのユダヤ人迫害を取り上げた映画は、今までも数多く作られているけど、これほどリアリティのある映画があっただろうか?
話はあくまで「ウワディスワフ・シュピルマン」の話なんだけど、彼の思いだとか、彼の心の内面についての説明を情感たっぷりに叙情的に・・・みたいな、いかにも「観客ウケするお涙頂戴」的演出が全くないのよ。
それが逆にこの映画を、より「真実の物語なのだ」という重みを持たせていると思った。

誰だってむざむざ殺されたくない。中には勇敢にナチスに立ち向かって「名誉の死」を遂げる仲間も沢山いるけど、自分はゲットーを脱出したら戦争が終わるまで何としても生き延びて、そして自由な生活を手に入れるんだ・・・最初の頃はユダヤ人としての、ピアニストとしての誇りを持っていたシュピルマンだったのに、ゲットーに強制移住させられ、そしてそこから決死の脱出をしてからの彼は、ただただ「生き延びる」為だけに食料を求め、体と共に心も蝕まれ、そして汚れて行く。

決してシュピルマンを「素晴らしい音楽家」として、もてやはした映画じゃない。
そしてただユダヤ人迫害の悲劇だけを取り上げた映画でもない。

同朋のユダヤ人を迫害する立場にいたユダヤ人警察官が、シュピルマンの収容所行きを救ってくれたかと思えば、彼をかくまってくれていたハズの活動家が、実はシュピルマンの名前を語って私腹を肥やしていたり、そうかと思えばシュピルマンの潜伏を見つけたナチス将校が、彼の命を救ってくれたり・・・
「戦争」という大きな化け物によって翻弄された人間の、汚れた姿も、そして人としての真摯な姿も、敵だとか味方だとかいう隔たりなく「人」としての在り方を、在ったがままに淡々と映像化していて、見た人の心にストレートに飛びこんで来る。


ナチス将校に見つかって、ピアノを久し振りに弾かせてもらえたシュピルマンが、最初はおずおずと鍵盤に手を置き、そして弾くにつれて、自分の中の音楽家としての魂を取り戻して行くシーンは本当に胸を打つ。
そしてナチスがポーランドから撤退する事になった時に、将校がシュピルマンに語るセリフが・・・本当にこれが真実なのだろうなぁと思わずにいられなかったね。

戦争映画は苦手な部類のぴよだけど、久し振りに心から感動したよ。いい映画だったなぁ〜!





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2003年01月13日(月) フレイルティー 妄執

監督:ビル・パクストン
出演:マシュー・マコノヒー
    ビル・パクストン
    マット・オリアリー、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
「神の手」という謎の言葉を残すバラバラ殺人事件がテキサス州で発生。死体は1体しか発見されていないものの、犯人からはまだ数人殺したかのようなメッセージが残されており、全米を震撼させていた。とある嵐の夜、この事件担当のFBI捜査官「ドイル」の元へ「犯人を知っている。それは自分の弟のアダムだ」と語る「フェントン」と名乗る男が出頭して来た。
始めは話を信じなかったドイルだが、フェントンの話はそれだけではなかった。彼が語り出した過去・・・1979年の夏から始まったフェントンの父にまつわる信じられないような恐ろしい話を聞く内に・・・


【感想】
超低予算に加え、撮影日数はたったの37日。本当にB級の王道みたいな映画なのに、全米を震撼させ、そしてついには全米公開から世界公開にまで発展して行ったという、珍しいタイプのサスペンスホラー。
実際には血生臭いシーンはほとんどないにも関わらず、アメリカではR-12指定になったそーですが、これはぴよも充分納得出来るなぁ〜・・・別にスプラッタシーンなんて全然なくても、映画というのは見せ方一つで心理的に充分恐怖感が煽られる。この映画はそのお手本みたいなもんだと思うな。うん。

映画の作りは「フェントン」がFBIにやって来て、ドイル捜査官に「神の手」バラバラ殺人事件の犯人が、何故自分の弟だというのかというのを、自分の子供時代に起った恐ろしく忌まわしい過去の話の回想シーンと被せて進んで行くんだけど、この「フェントン」の子供時代の話ってのがとにかくスゴイんだ!

簡単に言っちゃえば「気の狂っちゃったとーちゃんに振り回された兄弟の話」なんだけど(笑)この話の見せ方が実にうまいんだなぁ〜!この話の作りが、実に上手に観客の目先を監督の意図する方向へ向けさせているんだ。

サスペンスホラーだと思って見ていれば「たぶんフェントンって・・・こーいう事ネ」っていう展開は途中で気付くハズ。
でもこの映画の面白いところは、
(以下、超ネタバレ?になると思うので、未見の人はドラッグしないよーに!)
最後の最後になって、今まですっかり単なる狂人話だと思わされていた観客を根底からひっくり返すオチですわ!このどんでん返しには「まさかそー来るかぁー!!」と、思わず笑い出しそうになっちゃったわよ!!(^◇^;)

話の系統としては「神の啓示を聞いた」だの「世界がもうすぐ終わる」だの・・・先頃公開になって日本では超大不評?だった「サイン」にネタは近い物がありますが、ぴよはこの映画の方が断然面白いと思ったねぇ〜!
どーせなら「サイン」じゃなくて、この映画の方をもっと大々的に宣伝して欲しかったっすわ!(笑)

お金なんてかけなくても、血しぶきが飛ばなくても、こんなにゾクゾクして、しかも面白い映画が作れちゃうんだよね。
ネタ的には日本人好みしないとは思うけど、映画の作りは充分に邦画でも参考にしてもらいたい、そんな面白いどんでん返しのお手本みたいな映画だったね。
・・・シャマラン監督にも是非見て頂きたい!!(爆)






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2003年01月10日(金) ゴーストシップ

監督:スティーブ・ベック
出演:ジュリアナ・マグリース
    ガブリエル・バーン
    デズモンド・ハリントン、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
腕利きのサルベージ海難救助用タグボート「アークティック・ウォリアー号」の乗組員たちに、カナダ空軍のパイロットだと名乗る男「ジャック・フェリマン」から、アラスカの沖合いで上空から目撃したと言う、ある謎めいた漂流船の調査を依頼される。
アラスカ沖で乗組員達が見つけた船、それは40年前に海に消えたとされている、有名な豪華客船「アントニア・グラーザ号」だったのだ。船内から大量の金塊を発見し、大喜びの乗組員達だったが・・・


【感想】
ホラーって苦手なんだよね。トラウマって言うの?子供の頃に見た「エクソシスト」があまりにも怖くて、しばらく夜中にトイレに一人で行けなくなっちゃってさ・・・(^_^;)

さて、この映画は『マトリックス』のジョエル・シルバー、『フォレスト・ガンプ/一期一会』のロバート・ゼメキスらが経営するホラー専門製作会社「ダーク・キャッスル・エンターテイメント」の3作目!
・・でもねぇ。過去2作「TATARI」「13ゴースト」も、噂ではかーなーりーB級ちっくらしいから、それなら大丈夫かなぁ〜・・なんて、ちょっと期待(?)しながら見ちゃったりして♪(あは♪)

まあ正直言うと、そんなに怖くない・・つーか、全然怖くない(苦笑)
本当にこの映画はホラーなんだろうか???
多少「ギョッ」とする映像はあるものの、それ程怖いとは思えず、心理的にゾクゾクさせてくれるっていう訳でもなく、効果音で驚かすシーンもなくはないけど、それ程びっくりする訳じゃない・・・一応この「ゴーストシップ」の謎解きは用意されているものの、ミステリーとしても弱い&魅力的じゃない・・
言い方が悪いな。どちらかと言うと「あまり日本人ウケしなさそーな」「おとぎ話チックな」オチって感じがしたんだけどさ。
(ちょっと言い過ぎ?だって映画見ながら「なんだかなぁ〜」って言葉が頭の中でリフレインしまくってたっすよ!苦笑)

予告編でかなり恐怖感を煽ってくれた「少女」の幽霊なんだけど、彼女の使い方(と言うか役ドコロ)が全然想像していたのと違ってたのは、意外と言えば意外だったかな。
それにしても、全然怖くないホラー映画って、どう評価すればいいんでしょうかねぇ?(^_^;)


端的に言うと、やっぱり「超B級」だった、って所でしょうか。(苦笑)





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2003年01月07日(火) ウォーク・トゥ・リメンバー

監督:アダム・シャンクマン
出演:マンディ・ムーア
    シェーン・ウエスト
    ピーター・コヨーテ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
「ランドン・カーター」は父親の裏切りで両親が離婚した事で、父を恨み反抗的になって、学校でも派手な友達と無軌道な遊びにふける毎日を送っていた。ある日悪ふざけが過ぎてクラスメイトに怪我を追わせた罰として、学校の奉仕活動と演劇部の春の発表会に参加をさせられる事になったランドンは、そこで自分とは正反対で地味で目立たない、ボランティア活動に積極的に参加する真面目な優等生で、幼馴染みの女の子「ジェイミー」と接近遭遇する。
ジェイミーに出会った事で、今までの生き方に疑問を持つようになったランドン。それと同時にジェイミーを愛するようになったのだが、2人には過酷な運命が待ち受けていたのだった。


【感想】
映画「メッセージ・イン・ア・ボトル」の原作として知られるニコラス・パークの著書3作目「奇跡を信じて」の映画化。
もう予告編から「泣かせ」入ってますし、予告編見ただけで大体の話の筋は予想着いちゃいますけど。

ヒロインの地味な女の子を、今全米で最もホットなアイドル・アーティストの一人「マンディ・ムーア」が、実にキュートな魅力を振り撒きながら演じていてグーよっ♪(*^^*)
彼女のラブリ〜な歌声も、ちゃんと映画中で聞かせてくれるし(もっと沢山唄うのかと思ったけど、それほどでもなかったなぁ)地味に押さえた演技もなかなか上手ですわ。彼女が演劇発表会の中で唄う時はやっぱり目を惹きましたわねぇ♪

さて、話の筋自体が非常に古典的かつ不変的ネタ「愛し合う2人の運命を切り裂くヒロインの不治の病」だし、特にひねりも入れずに堂々とこの古典ネタをやってのけちゃうので、ある意味安心して「泣き」に入れる映画って感じです。
(こうやって書くと、ぴよってすっごく意地悪な感じするわぁ…ま、確かに性格悪いんすけど。苦笑)

古典ネタながらもきちんと肉付けはしてあって・・・例えばジェイミーと出会った事によって、自分の生き方がまるで生まれ変わったかのように変わった少年「ランドン」の横顔。
自分と母親を捨てて行った父の事がどうしても許せなかったランドンが、彼女の病気を通じて自分から父に歩み寄り、そして素直な心を取り戻して「ありがとう」「ごめん」を口にするシーンは、さすがの冷血漢ぴよもホロリとさせられましたわさ!

最初は地味なジェイミーにベッタリになったランドンを小バカにして、仲違いしていた派手な友人達も、いつしかランドンに歩み寄り、そして素直な心でランドンを傷付けた事を詫びる。
ランドンの事を「札付きのワル」呼ばわりして敬遠していたジェイミーの父も、変化して行くランドンの姿を見て、いつしか優しいまなざしで彼を受け入れるようになる。
・・・この映画には、まるで楽園の住人達の物語のように、悪人が一人として出て来ない。

だからこそ安心して見れる「古典的泣かせ映画」なんだと思う。うん。


とてもステキなラブ・ストーリーではあるものの、あまりに手垢にまみれたネタだけに、評価のしようがないなってのが正直な感想かもしんないな。(^_^;)

でも見て損はない。
マンディ・ムーアの天使の歌声を聞き、そして判り切った展開にも関わらず涙する・・・
泣きたい気分の時、それからカップルがデートで見るには、最高にイカした作品だと思うな。





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2003年01月06日(月) 遥かなるクルディスタン

監督:イエスィム・ウスタオウル
出演:ニューロズ・バズ
    ナズミ・クルックス
    ミズギン・カパザン、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
イスタンブールの街角で、トルコ西部のティレの町出身のトルコ人青年「メフメット」は、東部ゾルドゥチ出身のクルド人青年「ベルザン」とひょんな事から知り合った。肌が浅黒い為にたびたびクルド人と間違われて、あらぬ差別を受ける事の多いメフメットは、ベルザンの窮状が理解出来、お互い固い友情を交わすようになる。
ところがクルド人差別に対する抗議デモに参加したベルザンが、警察に逮捕され拷問を受けた末、殺されてしまったのだ。


【感想】
トルコはぴよが前々から「死ぬまでに絶対にどうしても行きたい国ナンバー1」と言い続けている国なのです。
そのトルコが舞台になってる映画なら、見ない訳にはいかないっしょー!てな訳で、もうすぐ上映終了しちゃうので急いで映画館に行って来ました♪(^-^)

トルコという国は、長い間、同国の北東部に住む山岳民族「クルド人」を迫害し続けて来た歴史があり、そして今尚クルド人の差別や迫害は続いているそうなのです。ぴよはニュース等で「クルド人問題がどーのこーの」という言葉を耳にした事はあったのですが、それがどこの国の、どんな問題なのかすらも知りませんでした・・・

この映画はトルコ、ドイツ、オランダの合作映画なのですが、トルコのクルド人問題を理解している事が大前提で作られているので、映画中にトルコ人が何故クルド人を差別するのか、クルド人が何故こんなに不遇な目に遭わされているのか、についての説明が一切ありませんでした。
だから・・・トルコのそういう人種問題を知らないと、映画見ててもピンと来ないんだ。(^_^;)

でもクルド人がトルコ国内で、どれほどヒドイ扱いを受けているのかは、映画を見ればよく判る。

家の扉に大きく赤い×印が書かれる。これはこの家にクルド人がいるというマーク。
本当はトルコ人なのに、クルド人に間違えられただけで、隣人や職場から差別を受ける日常。
クルド人が住む村は、トルコ警察、トルコ民兵、軍隊によって占拠され、破壊される。
住む場所を失ったクルド人達は、都会に出るしか生きる術がないものの、町にはクルド人にロクな職を与えず、あちこちで検問があり、身分証明書を提示させられ、クルド人だと判った途端に逮捕、拷問が待ち受ける。

ベルザンの遺体を引き取り、彼の故郷の村へ彼を帰してやろうと、トルコ人青年メフメットは長い旅を続けるんだけど、やはり行く先々のどんな小さな村でさえも、クルド人に対する迫害と差別を目の当たりにする事になるのだ・・・

あまりに殺伐として切ない映像が続くんだけど、この映画は日本人には難しい・・と言うか、理解や共感がなかなか出来ないんじゃないだろうか?
この映画の評価が低いのは、決して映画の作りが悪いのではなく、ぴよにはこの国の特殊な民族差別についての知識があまりに乏しく、そして気の毒には思えても、どうしても身に詰まる思いになれなかったから・・・


もしこの映画を見る機会がある方は、トルコ人とクルド人の差別・迫害の歴史をきちんとお勉強してから見る事を是非オススメしたいっす。





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2003年01月03日(金) ゴスフォード・パーク

監督:ロバート・アルトマン
出演:マギー・スミス
    マイケル・ガンボン
    ケリー・マクドナルド、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
1932年11月、イギリス郊外のカントリーハウス「ゴスフォード・パーク」に、客人が次々とやってきた。この屋敷の主、ウィリアム・マッコードル卿夫妻主催のキジ撃ちと、退屈なお喋りの続くパーティーに参加するためだ。集まった客達は英国貴族や誘われてやってきたアメリカ人映画監督など。更に彼らはそれぞれ従者やメイドを従えていて、このカントリーハウス内で色々な思惑が飛び交うのだ。
事件はキジ撃ちを楽しんだ夜に起こる。この屋敷の主人、マッコードル卿が何者かによって殺害されたのだ。容疑者はもちろんこの屋敷にいる客人と使用人。果たして事件の真相は・・・?


【感想】
今年最初の映画鑑賞は、2002年アカデミー脚本賞受賞のこの作品。
オスカー撮ってても、何故か単館上映なんだな。不思議だなぁ・・・日本の映画配給会社の考える事って。(^_^;)


ゴスフォード・パークに集まるのは、英国貴族達がメイン。彼らの自尊心の高さは並大抵の事ではなく、鼻持ちならない選民意識に凝り固まっている。だから同じ客人であるアメリカ人映画監督(次回作がイギリス貴族の館を舞台に設定しているので、取材の為にやって来た)の事も小バカにしているし、もちろん自分達の使用人に到っては人間以下の扱いだ。

話は、階上の貴族達の退屈でつまらない会話や人間関係の部分と、それを冷めた目で見る階下の使用人達の人間模様の部分の2層が、互いに入り組みながら進んでいるんだけど・・・登場人物の名前が多すぎて、かなり話が進んでもまだ誰が誰だかよく判ってない状態だったわよ。って、これはぴよの頭の方に問題があるんだよねぇ?やっぱり。(はふぅ〜)

貴族達に人間扱いされていない使用人達が、それぞれ色んな環境で、色んな人生を歩んで来ている事を、事細かに見せている反面、本来ならこのパーティーのメインのハズの貴族達の事は「つまらなく退屈で、そして意地悪で金に汚い」という1つのカテゴリーに当てはめて見せている感じがして、これはかなり面白いと思った。
貴族達のパーティーが舞台になっているのに、彼らではなく、その使用人達の人生にスポットを当てる…貴族の選民意識を痛烈に皮肉っていて、セリフ回しもなかなかウィットに飛んでて見せられましたわ♪

が、多少ダレる。(^_^;)
「事件」が起こるまでの伏線にかなりの時間を割いている為に、なかなか話が展開しない。もう少し登場人物を減らすか、登場人物の描き込み方を、重要人物によりスポットを当てて、あまり瑣末なところまで細かくエピソードを加えない方がよかったかもしれないなーと思ったんだけどな。


事件の真相は実にシンプルで、この映画は決してサスペンス物ではないんだという事を認識しておかないと、肩透かしを食らうかもしんない。
でも全体を通して、使用人側から見た「貴族」という鼻持ちならないヤツらを痛烈に皮肉るというスタンスは、そのオチにまでしっかり生きていて、すごく巧みだなぁ〜と、ぴよは評価しますけどネ♪





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2003年01月01日(水) バンド・オブ・ブラザーズ 

製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、トム・ハンクス
出演:ダミアン・ルイス
    ロン・リヴィングストン
    ドニー・ウォールバーグ、他
オススメ度:☆☆☆☆?


【あらすじ】
第2次世界大戦、ヨーロッパ戦線を戦い抜いた米陸軍101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊の中でもとりわけエリート部隊だった「E中隊」の、1942年から1945年までの3年間の苛烈な戦いのプロセスを、兵士たちの人間模様を軸に描く。全10話


【感想】
寝正月だからぁ〜、お約束通りレンタルDVDでも借りて見ようかな、と。
てな訳で、前から評判だったドラマ「バンド・オブ・ブラザーズ」を借りて来ました。
今回は映画じゃないので感想UPしようか迷ったんだけど、一応↑上の「ぴよの映画めった斬り」の説明文に『新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬る』って書いてある事だし、今回は特別編って事で♪

この「バンド・オブ〜」は、スピルバーグとトム・ハンクスが共同指揮を取って、毎回違う監督さんが製作している全10話のケーブルTV用の番組なんですわ。
つーかね、こんなすげー話がTV番組として製作されちゃうってのが、ショウビズの国・アメリカのパワーなんだなぁ、とつくづくその底力に圧倒されますわ。

大体からして、この原作を映像化しようと決めた2人が「これは真実を語るには、映画の尺では短過ぎる」って理由で、10話のドラマにしたってんだから驚きですわ。日本人にはこういうスケールのデカイ企画なんて誰も考えようがないし、ましてや考えたとしてもスポンサーが付く訳もない(苦笑)
なんてったって製作費150億円だっちゅーんだもん。もうTVドラマの粋越えまくりっすわ!

話はパラシュート歩兵連隊「E中隊」が新兵として訓練するところから、いよいよヨーロッパに入り、ノルマンディ上陸作戦前夜のパラシュート降下作戦から始まり、終戦間際のヒトラーの山岳隠れ家占拠までを10話に分けて見せるんだけど、ぴよはまだPart.1(1本のDVDに2話入ってる)しか見てねーんだ。(笑)
Part.3まで借りて来てるんだけど、あまりに濃い内容にちょっと疲れちゃって、続けて見れなかったさ(^_^;)
(いや、明日・明後日ちゃんと見るっすよ!)

とにかくすんごい迫力のある映像!あくまでもE中隊のメンバーが軸に話は進んでいるんだけど、誰かに特別スポットを当てるという撮り方ではなくて(一応ウィンターズ中尉が主人公だろうけど)その中隊で生き抜いた全ての人達の人間模様を、戦争を通して実に淡々と見せてる。
逆に泥臭い人間ドラマを極力排除して淡々と見せる事で、この戦争の激しさ、過酷さが実に切実に見た人に襲いかかって来て、2話続けて見ただけでちょっと食傷気味になってしまいましたわ・・・

感想らしい感想が書けなくて申し訳ないけど(何しろ全話見てないのでー)2001年度ゴールデン・グローブ賞最優秀作品賞受賞(TVドラマ&ミニシリーズ部門)を受賞したのはさもありなん、の超大作なのは間違いないっす!


いやぁ〜・・こーいうTVドラマって日本じゃ絶対に作れないね。うん。
本当にこのスケール、この映像、この迫力、アメリカという国の大きさを改めて実感しますわぁ〜!




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【追記】

結局、この感想を書いてから4日間かけて全編鑑賞しました。
久し振りに、見応えがあり、そして素晴らしい作品に出会えたなぁ・・・

正直言って、最初の2話を見ただけではこの話に入りこめなかった。「ちょっとタルいな」くらいに思った。
それが3話目、4話目、5話目・・・話が進むにつれて惹き込まれて行って、最終話を見る頃にはすっかり虜になっちゃってましたわよ。特に7〜9話目あたりなんて何度涙した事か。
ドラマの本編が始まる前(後の場合もあった)に、「証言」として、E中隊の今現在生き残ってる主要メンバーが当時の事を語るんだけど、もうその証言聞いただけで泣けて来ちゃったもんねっ!!

そう。これは実話なんです。
登場人物の役名も、そのまま実名を使用しているようです。

あくまでもアメリカ側から見たヨーロッパ戦線の話だけど、よくある「アメリカ万歳」な作りでは決してなかったのも好感が持てた。戦争映画にありがちな、「お涙頂戴」をふんだんに盛り込むというような臭い演出もせず、本当にこれが「戦争」というものなのだ、そしてそこで戦ったE中隊の男達が運命を共にする事で、どれだけ固い絆で結ばれていたかを、このドラマを目にした人は思い知らされる事になる・・・


「バンド・オブ・ブラザーズ」のタイトルの意味が、ひしひしと伝わる名作。

(2003.1.8・追記)




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