泡とガラス玉


2005年09月27日(火)      テガミ


重荷になるなら。

(分かっている)

その荷物を川に捨てて
いいんだよ。

振り向かないでいいんだ。

(君が見えなくなるまでずっとここで見守っているから)

(そういえばずいぶん僕は同じ事を繰り返してきた気がする)

君の気持ちは
十分すぎるほど分かっている

次の風に
幸運と手紙を。


だから受け取って。
そのまま最後の街角へ。



2005年09月24日(土)      コドモトオトナ


水たまりに
統一した色彩の世界が映える
豊かな現実より
確かな存在を強調してる

雨を理由に傘をさすことが煩わしくなった


けれど
水たまりの世界に
心を奪われることが
どれだけ危険か
もう若くない私は気付いている
だから呼吸を整えて
大人になって
雨が止むのをここでじっと待つ



2005年09月23日(金)      ユメ


理解の限界
人間の限界



2005年09月21日(水)      ギモン


笑いながら駆けて行く
突然振り向いて
溢れる幸せ言葉にしたら
君は
笑顔なのに片足一歩退く



2005年09月17日(土)      アシモト


この森に出口はないけれど
ついて行けばきっと何かあるだろう
そう思って踏み出した時の草の音が
頭の遠いところで聞こえる



2005年09月16日(金)      アメ


曇り空なのに傘をさす
悲しい気持ちだから


ところが突然突風が吹いて
私の青い傘は大きく揺れながら飛んでいってしまった
待ち構えていたかのように重たい灰色の雲からは
葉っぱの上から朝露がこぼれるみたいに
最初の一粒を零し
それから一斉に降ってきた


前は見えないし
音も聞こえない
とてつもなく寒い



2005年09月10日(土)      ケツマツ


瞼を閉じて
その気配をさがすけれど
私のどこにも居ないのでした

蓮池の傍に育った
蜜柑の木も
今朝方すっかり消えうせ

私は朝靄の光の中
笑顔の優しい
愛するあの人に逢いに行くために
歩き出しました



2005年09月09日(金)      トオイアシタ


少しだけ遠い明日を考える

淡く願うだけ
余計な力など抜けば良い

流れる電車の窓に
映るものなんて
本当は誰も見ていない
例えば恋人の
笑顔や
言葉や
意志を
思い出したりしている
そして自分の過去を辿り
今日に繋がる今までの全てこそ
光だったという考えに
到達したりする

そして最後にこれからの
遠い明日のことを
少しだけ考える

君がずっと笑っていればいいと思ったりしながら。


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