重荷になるなら。
(分かっている)
その荷物を川に捨てて いいんだよ。
振り向かないでいいんだ。
(君が見えなくなるまでずっとここで見守っているから)
(そういえばずいぶん僕は同じ事を繰り返してきた気がする)
君の気持ちは 十分すぎるほど分かっている
次の風に 幸運と手紙を。
だから受け取って。 そのまま最後の街角へ。 | |
水たまりに 統一した色彩の世界が映える 豊かな現実より 確かな存在を強調してる
雨を理由に傘をさすことが煩わしくなった
けれど 水たまりの世界に 心を奪われることが どれだけ危険か もう若くない私は気付いている だから呼吸を整えて 大人になって 雨が止むのをここでじっと待つ | |
笑いながら駆けて行く 突然振り向いて 溢れる幸せ言葉にしたら 君は 笑顔なのに片足一歩退く | |
この森に出口はないけれど ついて行けばきっと何かあるだろう そう思って踏み出した時の草の音が 頭の遠いところで聞こえる | |
曇り空なのに傘をさす 悲しい気持ちだから
ところが突然突風が吹いて 私の青い傘は大きく揺れながら飛んでいってしまった 待ち構えていたかのように重たい灰色の雲からは 葉っぱの上から朝露がこぼれるみたいに 最初の一粒を零し それから一斉に降ってきた
前は見えないし 音も聞こえない とてつもなく寒い | |
瞼を閉じて その気配をさがすけれど 私のどこにも居ないのでした
蓮池の傍に育った 蜜柑の木も 今朝方すっかり消えうせ
私は朝靄の光の中 笑顔の優しい 愛するあの人に逢いに行くために 歩き出しました | |
少しだけ遠い明日を考える
淡く願うだけ 余計な力など抜けば良い
流れる電車の窓に 映るものなんて 本当は誰も見ていない 例えば恋人の 笑顔や 言葉や 意志を 思い出したりしている そして自分の過去を辿り 今日に繋がる今までの全てこそ 光だったという考えに 到達したりする
そして最後にこれからの 遠い明日のことを 少しだけ考える
君がずっと笑っていればいいと思ったりしながら。 | |
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