白い鳩の夢をみるように 安堵の眠りにつけるように 願いを込めよう
君が曇らないように 僕はきっと努力するから | |
白い飛行機がゆっくり飛んでいます
突然、2機の白い戦闘機が爆音と共に、空気を切り裂く矢のように並んで飛んでいきました
やがて静けさが戻り 遠い笑い声や、誰かのくしゃみや、落ち葉を掃く箒や、優しいエンジン音が聞こえました
僕は桃色の花びらが足元に降る藍色のベンチに座り 瞼に光を感じながら 今この瞬間に人生が終わるとしても 穏やかでいられるような気がしました | |
夢をみた。
青に。白い綿。 その少しだけ後ろに霞む形。 彼は悠然と羽ばたいた。
泣きたかった。
混雑した駅のホームから見上げるととても小さくなったように思える。 ビルとビルに区切られた水色に小さな黒。 窓の向こうで風に乗る。 何かに躓き立ち止まるといつも思い出すのは。
空と鳥。 | |
唇に。冷えた指先に。足元に。 花がこぼれる 嬉々とする
笑う月。 道路の向こう側には 一人でいつまでも見上げる昔の私がいた 彼女は、落ちていた石を 満月に向かって思い切り投げた。
世界に裏切られる それでも今、彼らは半分しかない 今なら勝てる あの憎たらしい月。
私も今、その小石を拾いあげる。 隣には君がいた。 | |
知らないところで 知らないことが起きて 知らないふりをして 心を閉ざす 気づかれないうちに また開いて風が入る
そんな風に繰りかえし 扉はやがて草臥れて壊れてしまう | |
人魂のようにひらりと舞い てん。てん。としてその森へ消え 遠い昔と繋ぐ また星になった一つには 次の時代を繋ぐ | |
道沿いに忘れもの。 私はそれを拾うべきか迷って立ち止まった。 雨が。水溜りが。うるさくて泣きたかったのだけど 今はそれを忘れて。迷っているところ。 指先で触れると その忘れ物はとても懐かしい匂いがする。
涙だけが頬に暖かくて。雨が降っていることをまた思い出した。 後ろの足跡には雨水がたまっていく。 | |
遠い、目をしていました。 透明な、声をしていました。 それは夕方のことでした。 月は青と紫の間に浮かび 白く雲が散る少し肌寒い日でした。 黒い鳥の群れが海を渡った瞬間。
彼は大きく空を見上げました。 私はその姿を見ていて いつまでも焼きついて離れず 宇宙の時間に刻まれてしまった彼を思い出し 永遠を思うのです。
きっとその時、風が吹いていた。 雨は柔らかに降り続け、 私はそれを肌に感じながら生き続けるのかも知れない。 | |
西の街から来た人は複雑な線路に乗って 私のいる街に来た。
無気力だった私は5月の新聞からはらりと床に落ちたチラシを手にして あまり行きもしない隣の隣の隣の街へ電車に乗ってでかけた。 決められた白い部屋の椅子には誰も居なかった。
ドアを開ける。一人だけ言葉が変だとか。思ったりして。 お昼の食堂で手にしてた紅茶。も。年上だって驚いた顔も。 すごく心を冷たくして生きていた時期でもあったことも。
そういうことを 11月の真ん中に立って思い出し、安堵に寄りかかって眠くなったのです。 | |
ここに立っていても何も聞こえない。 どこかで彼女が彼のことを言う。 彼は彼女と交わり泡のように浮かんで、沈む。
拭いたって拭いたって 視界は濁っていく。
当たらない的 見えない心 響かない言葉
行きたくなったら行ってもいい 私は退屈だって自分でも痛いほど分かっているから | |
幸福の一点を居場所にすると 結局ぼやけたときに迷う
隣に座っている時の 空気と温度以外の情報や予測を排除して欲しい。 | |
青い透明な空に、淡いピンクと、白の花びらが舞散った。 それは、尽きることがなく 野原はやがて雪の色に覆われた。 私達はこんな奇跡に笑っていたけれど それでも心は晴れないし 君は遠い目をしたままだった。
私は誰と居ても孤独だった | |
声と息が止まる。 瞬間、青空の黒い鳥を思い浮かべる。
そして諦めてしまう。 | |
夜風に、雲が散る 僕たちは足もとの赤と黄色の夜をもてあそびながら 最初の口づけをした | |
言葉の裏を読もうとする力
自分を不幸にするだけに過ぎない
愛しいほど、増す力
信じる力を忘れないように。 | |
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