沢の螢

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山荘の隣人たち
2006年08月13日(日)

標高1100メートルのこのあたりは、空気がひんやりとして気持ちがいい。
平地で、35、6°もあるときは、さすがに、少し暑いなと思うが、直射日光に当たらなければ、汗をかくほどではない。
夏の暑さを避けるために、ここに来るようになってもう、26年になる。
最初あまり家が建っていなかったが、今年になって、向かい側に二軒建ち、だいぶ眺望が変わった。
左の一軒は、私たちより少し年代が上の夫婦、ベンツを駆って、大きな犬を二頭伴ってきている。
立派な山荘を建て、張り切っている。
車のナンバーで、東京の人らしいと判るが、まだ、挨拶をしただけである。
右側は、私たちと同世代くらいの奥さん、「娘の名前で建てました」なんて話をしていた。
精力的に、動き回っている。
雨で工事が遅れたらしく、まだ水が濁っているからとかで、先日、大きなペットボトル三本を持って、炊事用の水をもらいに来た。
飲み水は買っているが、お米をといだり、顔を洗ったりの水がほしかったらしい。
こちらも、新しい家で、何かと設えに凝っているようだ。
我が家の西側には、孫二人を預かって、代わる代わるあやす夫婦の声。
私たちより少し若そうだが、娘夫婦は、週日は仕事で別のところにいるらしい。
昨日からは、孫の親たちも来て、にぎやかである。


ここは車でなくては、不便な場所。
25年前は、子供連れの家族が多かったので、真夏は、人の声が聞こえて、結構にぎやかだった。
山荘の売り買いも、活発な時期。
10年くらいの間に、それも、ほとんど落ち着き、思い思いのセカンドライフを営んでいる。
ほとんど改装も、お金もかけていない人もいれば、周りの雰囲気と違う豪華な家を建てる人もいる。
真夏には、野外で臨時の市が立ったり、ミニコンサートが開かれたりする。
車で行けるところに、美術館、博物館もある。
今朝は散歩を兼ねて、歩いて10分の場所にある朝市に行った。
ちょうど地元の人が、臼と杵で、お餅を搗いていた。
つきたてを食べさせるというので、朝ご飯の代わりに、2個入り一皿100円のお餅を食べてきた。
25年前、働き盛りの壮年だった人たちが、次第に老齢期に差し掛かり、子供の世代になったり、遠方から来るには、体力が追いつかなくなったのか、最近はハイシーズンでも、割合に静かである。
家の前を通る人たちも、老夫婦が多い。
東京のある市で、昭和40年代後半から50年代にかけて、大々的に開発した巨大団地が、30年経つ頃から、住民が一斉に老齢化していくことが、話題になっているが、この辺も、同じような現象が起きているのかもしれない。
「車の運転が出来なくなったら、考えよう」と夫は言うが、当分大丈夫そうである。
車の通る音以外は、大きな音もせず、さわやかな風のそよぎを感じながら、過ごしている。



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