文月最後の日、両親のところへ。 母好物の最中を買って持っていく。 午後から出かけて、ちょうど三時のティータイムに着くぐらいが丁度いい。 父は昼寝していたが、しばらくして母が声を掛けると起きてきて、一緒にお茶を飲んだ。 母は私が行くことを言ってあったので、昆布の佃煮や、サラダ、炊き込み御飯を作って、待っていた。 父は、あまり自分から喋らないので、母の話を聞くことが主になる。 ケアハウスの住人の噂や、私のきょうだいのこと、孫のこと・・。 わずかに健在の、親たちの友人、知人の話もある。 ほとんどは、皆あの世に行ってしまったが、九〇歳を過ぎていれば、残っている方が珍しいのだろう。 5時半になったので、帰ることにした。 母の手作りの料理をタッパーウエアに入れてもらって、ハウスを出た。 道路から、2階の母達の部屋が望める。 二人が、ベランダから手を振るのに応えながら、見えなくなるまで、振り返りつつ、角を曲がった。 いつものように、もしかしたら、この次は、こんな風景は見られないかも知れないと言う思いが、脳裏をかすめながら・・。
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