さいたま芸術劇場に「ペリクリーズ」という芝居を見に行った。 シェイクスピア原作だが、これは読んだことがない。 運命に翻弄されるヒーロー、ヒロインのちょっとギリシャ悲劇風の展開だが、最後は大団円になるもの。 内野聖陽と田中裕子、それに芸達者な白石加代子と市村正親が狂言回し、嵯川哲郎も加わって、豪華な舞台だった。 終わってバスがないので、25分の早足歩きで帰宅。 この芝居は、3月に、ロンドンのナショナルシアターで公演することになっているらしい。 一昔前、かの地に在住中にも、蜷川演出の「近松心中物語がかかり、見に行った。 やはり田中裕子が出て、なかなか良くできていたが、惜しむらくは、日本語の字幕がなかったこと。 開幕前と幕間に、芝居の筋をアナウンスしていたが、やはりセリフを逐一追っての字幕は、必要ではなかったか。 イギリス人にとって、セリフの意味の分からない芝居は、さぞ歯がゆかったろうし、不親切な感は免れない。 今度のロンドン公演は、是非字幕を付けてほしいと思う。 昼は葬式、いったん帰って服を着替えての出直しで、忙しい一日となった。 告別式のあと、精進落としにと、たまたま居合わせた6人でパスタの店に入り、ちょっと一杯やった。 ところが、6人の中に私の嫌いな人がいて、案の定言葉の遣り取りにかちんと来たことがあり、すっかり不快になってしまった。 いい見送りが出来て良かったと思っていたのに、残念だった。 夜は芝居見物に出直すのだからと、思っていたのに、誘われてつい、付き合ってしまったのだった。まっすぐ帰れば良かったと、後悔した。 この人(私より10年ほど年下の女性だが)、頭の良さ、ある種の才能は認めるが、その自信の故か、ちょっと人を見下したものの言い方をするので、好きになれない。 同席すると、必ず一度はイヤな思いをする。 だから、なるべく一緒にならないようにしているが、今日は行きがかり上、一緒になってしまった。 無神経というのか、人を傷つけるようなことを、シラッと言う。 美人だから、異性には人気があるが、彼女を「天敵」と言った女性を知っている。私もそう呼びたい。 いささか不快な気持ちで、家に帰り、喪服を脱いで、明るいものに着替え、「ペリクリーズ」の会場へと向かったのであった。
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