沢の螢

akiko【MAIL

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N氏からの便り
2002年01月16日(水)

N氏からハガキが来た。
彼は20代の青年、「今どきの若者」に珍しく、携帯電話もメールも持たない。何かあるときは手紙をくれる。それも自筆である。急ぐときは電話だが、それはほとんどない。
年末に、私はあることを依頼した。年が明けてから、年賀状と別にハガキが来て、私の頼みを受けられないわけではないが、今の状況で少し無理なこと、もし受けてもかえって迷惑を掛けるであろうことを綴っていた。こちらの気持ちを害さないように、気を遣いながら書いていることは、文の隅々にまでゆきわたっていて、この一通を書くのに、どれほど神経を使っただろうと想像した。
私は、相手の状況に思い至らなかった自分の配慮の無さを、むしろ恥ずかしいと思い、どうぞ気になさらずと、返事を書いた。
今回の便りは、それに対する2度目の返信である。
依頼に応じられなかったために、計画が白紙になったことを気遣い、重ねてすまながっているのである。
なんと心の優しい人だろうと、読んでいて胸が熱くなった。最初の一通だけでも充分なのに、このように、丁寧に、こちらの気持ちを斟酌してくれている。
この頃私は、メールの手軽さに慣れてしまい、本来手紙で書くべきところまで、ついメールに頼ってしまっているが、このような便りを貰うと、その人の人柄が伺われて、とても感激してしまう。
今日は、彼に、自筆で、返信の手紙を書こう。
2002年01月16日 08時45分31秒





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