ブラインド越しに夜風が吹き込んでいた 肺の底まで冷たくなって 素肌に纏ったセーターがちくちくとし始める
そんなに急かさないで 昨日の涙はもうくるぶしまで落ちているのだから 気にはならない
背中越しに散る燐光は くしゃみを一つ噛み殺して、後ろ手にカーテンを閉めた
月よりも青い部屋、凍みついた息 新手の無機質な生き物が、干からびて、日の出を嫌う
燐光は床に触れて、影をため込み 私は底で魚になる いえ、トカゲ、鮫、ああ、もう一本のコードでいい
きりと冷たい床に頬をつけて 擦り込むように打ち付けて そのまま切り落とし、燐光は私を溶かすんだ 強く逞しく
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