a Day in Our Life


2002年03月30日(土) 初ジュニコン参戦記念。(勘違い田口亀梨)

 
 「田口!」


 バタンと乱暴にドアを開けて、亀梨が入って来た。
 脇目も触れず俺の所までやってきて、すとんと座り込む。頬を膨らまして、一言。

 「…仁と喧嘩した!」

 …うん。見りゃ分かるよ(笑)。
 言ったっきりムッツリと黙り込んだ亀梨は、無言のまま”慰めろ”と訴えて来る。同い年なのに亀梨のこうゆうところ、ちょっと信じられないくらいに子供っぽい。
 亀梨とは同じユニットになってはじめて口を聞いたんじゃないかと思う。見れくれそのままの人懐っこい性格で、先輩ジュニアなんかにはよく可愛がられているような印象だった。年上、っていう人種が好きなのかも知れない。甘えるのが可愛がられる好きな、そんな印象。
 とりあえず手のひらを頭に乗せて、わしわしと撫でた。いつもならちょっと頭を触っただけで『セットが乱れるだろー!』なんて怒る亀梨は、今はされるがままになっていた。
 ゆっくりと、ことさら何度も頭を撫でてやって、ちらりと目線を落とすと亀梨の頬の膨らみが萎んでいくのが分かる。
 「落ち着いた?」
 手を離して、にっこりと笑ってやった。笑顔は大得意な俺の、中でも極上の笑い顔を向ける。
 「…うん」
 名残りみたいに口だけまだ少し尖らせたまま、亀梨が小さく呟く。さらに小さくごめん、と続いた。
 「別に?俺は頭撫でただけだもん」
 言うとやっと頭を上げた亀梨がへにゃっ、と表情を崩して情けなく笑った。
 亀梨は笑うとブサイクだ、って言ったのは誰だったっけ?錦戸くんだったかな。そういえば聖は泣くとブサイクだって言ってた。俺は亀梨がブサイクだと思ったことはない。むしろ表情豊かなその顔を、見てるのは飽きないと思う。
 「俺もさー、悪いんだけどね」
 言い訳をするみたいにそんなことを言う。
 「でも仁だってさ!だからってムシることないじゃん?アイツいっこ上のくせにちょー心狭いの!」
 堰を切ったみたいに愚痴を繰り返す亀梨の話を要約すると、遊ぶだか一緒に帰るだか約束をしていたのに亀梨がすっかり忘れて、それに怒った赤西が口を聞いてくれない、そんなところか。そんなのもいつものことで、聞かなくても分かった。
 日常茶飯事みたいに行われる、亀梨と赤西の喧嘩を見るのももうすっかり慣れてしまった。
 赤西と喧嘩をすると、亀梨は決まって俺のところに走って来て。かと言って別に、放っておけば勝手に仲直りをするので俺は別に何もしない。何も出来ない。それでも亀梨はまた俺のところに来る。来てただ、愚痴る。その繰り返し。
 「…あっ、ごめんね。田口には関係ない話なのに」
 関係なくはないよ。俺はお前が好きだからね。そんなこと、お前は知らないだろうけどさ。
 「田口には迷惑かも知れないけど俺、仁と喧嘩すると――仁じゃなくても――田口の所に来んの」
 「うん」
 「喧嘩とかして心がささくれだつでしょ、そしたら田口の笑顔を見るの。落ち着くよ!」
 だから田口も試してみなよ!なんて明るく笑われて。俺が怒ってる時に俺の笑顔を見るのは至難の技なんじゃないかと思うんだけど、そんなこと亀梨が気付くはずもない。
 「まあ。いいっか」
 「え?」
 「ううん、なんにも」
 勝手に一人ごちて、また笑う。
 その顔に亀梨が、安心したようにつられて笑うのを見た。



 お前が見たいって言うならさ、俺はいつでも笑ってるよ。



■■■田口さんと亀梨くん。

いいんだかなあ・・・。
すみません、夢見るかつん小説です。夢を見すぎたことを平にお詫びという感じで。ああでも、なにを隠そう私は田口さんの笑い顔がとても好きでですね、だから亀もその顔が好きだったらなーという、夢というより願望だったのでした。しみじみこのひとたちが同い年ってどうよ、と思いつつ、そんなふたりが仲良しだったらいいのになあという、やっぱり希望なのでした。すみません。でも思い込んでしまったのでこの路線で続きますたぶん。エー。田口担禁、亀担禁の方向で。あ。微妙に仁担も禁で宜しくお願い致します(笑)。

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