2002年03月03日(日) |
サクツカと不機嫌な松潤とニノアイ【電話編】 |
楽屋に入った途端立ちこめた異様な雰囲気に、俺はうんざりした。
「おはよう、ニノ」 「おはよう。何、また?」 「そう」
相葉ちゃんが指差した先には、楽しそうに電話してる翔くんとそれを不機嫌な顔で見てる松潤の姿があった。 この頃お馴染みになりつつある光景に、俺はまたうんざりした。
「相手は塚本くん?」 「当たり」
当たったというよりわかってたことだから驚きもしない。 だいたい、あんな風な表情で電話してる翔くんなんて滅多にないし。 あんな、満面の笑顔浮かべて、声はずませる翔くんなんて超レアだ。 つか、塚本くん限定だろうし。 恋すると人はかわるっていうけど、翔くん見てるとそれがすごいわかる。 今までの頼れるアニキを演じてた翔くんはどこへ行ったんだか・・・・
「しかし、松潤の考えることはわかんないよ」
相葉ちゃんがため息混じりに言うのに、俺は耳を傾ける。
「散々塚本くんとくっつけるようにしたのに。その為に翔くんけしかけたりしてたのに」 「本人以上に一生懸命だったよね」 「そう!なのにいざくっつくとなると不機嫌な顔してるし。どっちなんだって!」
相葉ちゃんの疑問はもっとも。 自分で仕向けたのに、ああやって雰囲気悪くされたらたまったもんじゃない。
けど、松潤の気持ちもわかるんだよね。 この前あんまりウザイから松潤に言ったら
「塚本くんとくっついたのは嬉しいよ!翔くんも幸せそうだし!」 「じゃあ、いいじゃんか」 「けど!嵐の中にいるときは「嵐の翔くん」でいてほしんだよ!」
そう言われて、それ以上何も言えなかった。 その気持ちは痛いくらいよくわかるから。 つい最近の俺も、そーいう気持ちを抱えてたから。 相葉ちゃんがドラマ撮ってて、長瀬さんの話するたびに嫉妬してた。 ドラマしてても何しても、嵐にいるときは嵐のモノでいてほしい。 相葉ちゃんは、特にね。
「あ〜そういう気持ちはわかる気がする」 「相葉ちゃんも?」 「うん。俺も翔くんがドラマの話するたびに寂しいって思ったし。翔くんラブな松潤なんか余計そう思うんだろうね」 「うん、だろーね」
塚本くんに翔くんを全部持っていかれたようで、寂しいと思う気持ちはみんな一緒だと思う。 俺だって、寂しいと思ってた。
けど、いい加減あの雰囲気が続くとうんざりする。 なんとかしてほしいよ。
「多分翔くんがなんとかしてくれるよ」
言ってるそばから電話が終った翔くんが、ウザイと言いながら松潤に蹴りをいれてた。 それでも構ってもらえて嬉しそうに笑う松潤。
「松潤、単純」 「ホント」
苦笑しながら、けどいつも通りの嵐に戻ってホっとする。 いつも通りのやりとり、いつも通りの嵐の楽屋。 それが、1番いい。
「まあ、今はしょーがないよね。ラブラブだし」 「そうだね」
二人はまだ出会って四ヶ月しかたってない。 それに、ドラマが終ってバラバラになっちゃったから、寂しいと感じる時だろうし。 俺と相葉ちゃんみたいにいつでも会えるってわけじゃないから、せめて電話はしたいって思ってるんだろうな。
「当分の間、松潤には我慢してもらおう」
なんだかんだいっても、翔くんが楽しそうで幸せそうなのが1番だし。 そんな風に珍しく暖かい気持ちのまま終わろうとしたとこに、やはりというかなんというか。 本日の爆弾は投げられた。
「それに翔くんの幸せがいつまで続くかわかんないしね」
あ〜あ・・・ 相葉ちゃん、それ禁句だよ・・・・・・
|