2002年01月18日(金) |
キッカケ(弟×アニ アニ視点) |
中学生の時から野球をやってた俺のあとを純は着いてきてた。 日曜とかダチと練習するときも、ついてきて見てた。 ウザイからって置いていこうとしても泣きながらついてきたりするもんだから、仕方なく連れてきてた。 見てるだけなのに何が楽しいんだかわかんねえけど、嬉しそうに見てるからそのままにしてた。
それから純も大きくなって野球が出来るようになったらしく、気づいたら近所の野球チームに入ってた。 「兄貴みたいになるんだ!」 尊敬の眼差しを向けられて、悪い気はしなかった。 つーか、むしろ嬉しかった。 実は、純が野球を始めて1番喜んでたのは俺だった。 俺の部屋でテレビで野球見ながら話したリ二人で野球見に行ったり。 そういうことが出来て、正直かなり嬉しかった。
けど。 そのうちアイツのがうまくなって、俺が「アニ」と呼ばれるようになってからは、二人で野球の話することがなくなった。 俺は野球好きだけど、がんばってうまくなろう!とかいう気持ちは持ってなかったし。 甲子園目指してがんばろう!とかいう気持ちもなかったし。 はっきり言って趣味程度だった。 だから俺は純がどんどんうまくなっていくのが素直に喜んでた。 アイツもなにかあったら俺に1番に言ってきたし、俺が「すげえな」って言うと嬉しそうな顔してたし。 俺達の間はうまくいってた。
けど、周りが勝手に比較して、親まで比較すっからむかついて。 気づけば純と話すことはなくなった。 一緒にいれば比較されるから、避けるようになった。 そのうち1番苦手なヤツになった。 純が悪いわけじゃねえのはわかってっけど・・・・・避けてしまう。 その度に純が責めるような視線を投げるのに気づいてたけど、俺は何か言う事が出来なかった。
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