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2004年05月01日(土) |
第七話 『烏と案山子』 |
「やぁ、ちっこいだんな。今年はうまくいきそうかい?」 「ああ、案山子。あんたのとこのお嬢さん次第だな。」 「そうかぁ。うちのお嬢さんは冒険なんて柄ではないからなぁ。」 「そうか4代目は普通のお嬢さんか。」 「ああ、先代が若かった頃のようにあちこちお供できるような年でもないから助かるけどねぇ。」 「あはは、まぁ3代目は一番はねっかえりだったなぁ。」 「いやぁ、ドロシーに比べればまだまだ・・。」
麦畑で男が独り言を言っているような格好に見えますがさきほどの小人が足元をうろうろしています。 男は呼ばれた名前どおり見た目は案山子ですが、ここはどこの国かもわからない場所なぜ動くはこの際考えないでくださいな。
「これが片付いたらおいらが様子見てこようか?」 「そうしてくれるとありがたい。何しろこれが明日までに終わらないと春の女神も決めれなくなるからな。」 「カードはみてたようかい?」 「外からでは見えなかった。」 「そうかい。」 『おら、みたぁぁ』 「お。カラスおまえみたのかい?」 『おら、くうぅぅ。』 「おい!!おいらをくおうってのかい!!」 『虫、むしぃぃ』 「おいおい、小人のだんなを怒らせないでくれよ。今年の土がいいのも小人のだんなのおかげなんだからさ。で、リトル・ドロシーお嬢さんはカードを見ていたのかい?」 『みてたぁぁ、すてたぁぁ』 「えっ!!」「なに!!」小人と案山子が同時に叫んで走り出しました。
『童話で15題』をお借りしてきました 01:配達人 02:烏と案山子 03:王様 04:盗まれた人 05:屋根裏 06:三匹の猫 07:カード 08:小人 09:箱舟 10:三つの願い 11:クジラ 12:一輪の花 13:贈り物 14:人魚の唄 15:たまご
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