ネコヤシキ日笑
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深夜に、羽音がした。居間にゴキブリが飛んできたのであった。 1年に1,2度は出くわしてしまう。 古い団地なので、しかたがないのだろう。 大の苦手で、近寄れないので、別室に避難するが、 しかし、もう眠らねばならぬ。 だいいち、こやつが我が家のどこかで生存しつづけてもらっては、困る。
殺虫剤を遠巻きに振りかける。隠れて、また出てくる。振りかける。 かなり浴びたであろう、よろよろと私の机の上に落ちてきた。 困る。近寄れないのだ。 もう、今夜は、机でやるはずだったしごとは全部やめだ。 ゴキは、もうひっくりかえっていて、手足(というのだろうか)をじたばたしてはいるものの、動き回る力はなさそうだ。
しばらく遠くにいるうちに死ぬだろう、 と思って、風呂に入る。あがる。 遠くから机の方を見る。まだ、生きている。手足をじたばたしつづけている。 見なければ、もう、気配もしないし、飛んでくるおそれもないが、 死にそうにもがいている生きたモノが、いっしょの部屋に居る。 この状態で、私は寝るのか。
殺虫剤は、ヒトと昆虫の神経伝達物質の違いを利用して、彼らの神経伝達系を支障して、選択的に殺す、のではなかっただろうか。だとすると、いま、カラダが思うようにいかずに、相当に苦しいのではないだろうか。 もう、数時間。
このまま、あと数時間もするうちには、じたばたもできなくなって、死ぬのだろうが、そんなに苦しめるくらいなら、いっそ、もっと大量の殺虫剤を振りかけるか、洗剤のようなもので窒息させるか、苦しくなく死なせるほうが、いいのではないだろうか。
苦しい、という思いはあるのだろうか。
あまり眠れずに朝になった。死んでいた。
すぐに近づくことができずに、夕方まで放置した。 見ないようにして、処分した。
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