ネコヤシキ日笑
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「お遍路返し」とよばれる山道を登る一日。
きょうの道は、歩きでしかゆけないちょっと険しい道で、弘法大師のころから残っている数少ない遍路道らしい。古い時代に行き倒れた人たちを祀るお地蔵さまが途中にたくさんあった。この道を通らずにゆける別のバス道ルートがあり、たいていの人たちはそちらを通ってゆく。
きょうび、もともとの遍路道を歩いてゆくのは、ゆけるのは、ぜいたくをさせてもらっていることだ、と思う。
私たちのグループには、何度もこの道を歩いた経験があって山にも詳しい先達(リーダー)たちがついていて、ルートどりやペース配分はもちろん、歩き方や靴のアドバイス、休憩やトイレ、宿、食事やお菓子の配慮まで、すっかりお任せしていられる。それで、私のほうはといえば、グループのペースに合わせることは気にするにしても、ほとんどの時間、じつはじぶんの脚の心配や、途中でお地蔵さまをみつけて拝んだりすることばかりを気にしていられる。かなりぜいたくなことだと思う。
曇り空で気温もちょうど好い。脚は意外と軽く動く。歩くことでかえって血行がよくなって脚は喜んでいるかのようだ。途中の無人の庵で、朝もらったおにぎりを食べ、置いてあるお茶や生姜味の砂糖菓子をいただく。美味しい。
山のお寺には予定より早く到着できて、宿坊泊。 お風呂、洗濯、草餅と外郎のおやつ。 炬燵で微睡む。 精進料理がとても美味しい。
ついて歩くこと、休むこと、食べること、ばっかりを考えていられる。 ありがたい。
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