ネコヤシキ日笑
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2002年03月04日(月) |
「消える」という「うつくしさ」 |
しごとでよく、学会大会の“ウラ事務局長”のような役割を、私は担う。
表向きの大会長や事務局長は、きょうぢゅたちで、 しかし彼らは実務にあたっている時間はあまりないので、 実務の仕切りや、表向きの長たちの名前で行うことのお膳立ては、 私のような立場の者に回ってくる。
そういう役割に、私はきっとけっこう向いていて、じぶんでもキライではない。かなり好きかもしれない。
たった2,3日の会議のために、2年も3年も、ときにはそれ以上もかけて、あくせく準備をする。
おエラい役職の会議、実務寄りの委員会、事務局内だけの会議…の数々、 それらのためのたたき台作成、…のためのまた会議、調査、根回し、 自治体長、○○会長、周囲の学校関係へのスジを通し、 協賛金集め、企業への挨拶、 座長選定、依頼、ゲストスピーカーの旅の手配、 演題の受付、整理、審査、割り振り、 スタッフの配置、バイト代、マニュアル作成… 会場と、器材やさんと、学会本部と、打ち合わせ、 文書、文書、文書、帳簿、帳簿、帳簿… 名簿、印刷物、郵送、メイル、電話やFAX、雑多な問い合わせへの対応 お弁当を、椅子を、指示棒を、画鋲を、あの部屋にいくつ、予備をいくつ………
本番の3日間が動き始めたならば、こんな「あくせく」なんか、 参加者やスタッフたちにとっては「消えて」しまって、全く見えない・感じられないで、するするとコトが回ることを、私は私の役割を果たすことの「うつくしさ」だと思っている。
参加者たちが、そんなウラのことになど気づかないほどに、会議に集中して用を足していられる(ように見える)とき、私はウラで ふふふ♪ とほくそ笑む。
必ずしもそんなにまで万端であることは、要らないんだ。 素人運営なのはみんなご承知なのだもの、もしも当日、あたふたしながら参加者に迷惑をかけることがあったって、みんな許容してくれるんだ。
それでも私は、私の役割が当日には「消えて」しまえるように、 誰にも見えないくらい「うつくしく」あれるように、 2年も3年も「あくせく」する。 私がそうせずにはいたくないから、私はそうする。
(…もしかしたら、やり過ぎて、誰かに迷惑をかけているかもしれない…)。
これは、私の 私利私欲 で かなり強欲で もちろん私の 思い込み にすぎないことは、わかっている(つもり)。
いま、本業ではない しごと で、毎晩「あくせく」している。 ちゃんとした組織ではないし、ちゃんと役割分担もしていないのだが、 やっぱり私は、ウラ事務局長のような役割を担ってしまっている。 本番が動き始めたとき、参加者たちが安らいで用に集中していられて、 私の役割なんかは、できるだけ「消えて」いられるように、 より「うつくしく」あれるように、 私利私欲から「あくせく」をひきうけたがっている。
(…もしかしたら、誰かに迷惑をかけているかもしれない…)。
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