ネコヤシキ日笑
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おひなさまを出すのを忘れていた。
深夜になって、「吉野雛」を出す。奈良・吉野で買った、ちいさな土製の古代雛。すんなりした立ち姿の、華美ではなく、上品に彩色されているてづくりの人形。とても好きだ。
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「親鸞」という独り芝居。
近くの斎場を舞台にして行われるというので、出かけてみる。親鸞そのものを描いたものではなかったが、訴えるもののある内容。演じたひとは、ふだんはシェイクスピアのものや「羅生門」をやっているという方。なるほどそうだろうと思える、ドスのきいた迫ってくる声。
天竺で、小さい生きものを食べて生きていたサソリが、イタチに食べられそうになる。だが、あやういところで必死に逃げて、しかし逃げる道すがら深い井戸にはまってしまう。死にゆきながら、「じぶんは、あんなに他の生きものを食べてきたのに、こんどはじぶんが食べられそうになると一所懸命に食べられまいとした。こうして無駄に死んでゆくくらいなら、あのときイタチに食べられたらよかった。そうすればこの身が彼を一日でも生かす糧になれただろうに」と、そんな語りからはじまった。
この会は、某葬祭互助会の主催らしく、芝居のあとには「お葬式勉強会」というものがあった。つまりは、「世間体を気にするな、葬儀はもっと節約できる、元気なうちにこれこれは準備しておこう。そして、そのへん、うちの互助会に入ればこんなふうに大丈夫なんだ」という話。
互助会の勧誘からは、そそくさと逃げ帰ったが、棺のねだん、祭壇のねだん、焼き場のこと、病院で死んだとき、など、はじめてきく知識が多くて、ほおお!と聴いていた。
写真は2年に1度は撮り直して用意しておくように。撮ったのを引き伸ばさずに保存しておけば、「お迎え」が来ない。顔の左側から写すのがよい。旅行のときのスナップなど、楽しそうに笑っているのもよい。とか。
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