徒然彷徨
つらつらと……思いつくまま。

2002年11月02日(土) 物語

「……」
頬に伝う雫が何を物語っているのか。
「……ごめん」
ただ、それだけを繰り返し顔を伏せる。
「……」
僕は何もいわない。
何も――言う事が出来ない。
「ごめ…ん」
苦しげに繰り返されるその言葉。
その先は紡ぐ事を躊躇うように口が閉ざされる。
「……」
「……」
僅かな沈黙。
そして、彼は頬を拭い決心したように告げる。
「君に会えて良かったよ」

それが最後の言葉だった。


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