「今日はとても風が強いのね」 天にも昇る気持ちで舞い踊る皆を見送る わたしは昔からノリの悪い女の子だった
「私の瞼はとても器用なの」 そう言って彼女はパチパチ拍手する 「瞬きひとつで人を殴る事だって出来るのよ」
「いたいのいたいのとんでいけ」 優しい手が囁いて 見る間に痛みが遠のいた そうして私の目玉は今も 私の身体を見下ろしている
落ち着きのない私を お母さんはぐるぐる縛って お父さんは目隠しをして 妹たちは嘲笑い続けている
ふざけないで オママゴトじゃないのよ 痕が残るくらいしっかり縛って 身動きできないように雁字搦めに 目だけじゃなくて耳も塞いで 毒を注いで喉元に刃を突き付けて でないとオバサンになる前に 王子様が迎えに来てくれないわ
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