ひなまつり


小さい頃 
何時間も雛壇の前にいて
その遠いような近いような目を眺めてた

学業の意味
ちょっとだけ判ってきた高校生活は
いつも窓の外に見える
桜の木が全てで

誰しもが
学生生活が一番愉しかったよ
何て言うけれど

この苦しさや心地悪さから
開放される事ばかり思う


家では
もう出す事さえ何年も躊躇った雛飾りを
母がこっそりと出していた

遠いような近い目が
僕の気持ちを見透かすようだった



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