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2005年07月02日(土) 『LAST SHOW』(初日)

7月になりました。
ゆったり過ごせていた6月に対して今月は、
ええかげんにせえやってぐらい舞台が詰まっていて、
それでもまだ、取りそびれたままの舞台もあったりする。
役者追っかけでリピートする舞台が3種というのが、
何より問題なんだけど、どれもこれも連れがいて外せない。
実はまだまだ気分はゲームモードなのですが、SMAPコンサも
始まるし、体力保存のためにも家では寝るようにしなきゃ。
でも面白い舞台続きなら、意外に気力でもつんですよね。
とりあえず一本目。昨日観てきました。
これは、大当たりで幸せ♪


阿佐ヶ谷スパイダース『LAST SHOW』

<場所>パルコ劇場、D-26
<時間>19時〜21時(休憩なし)
<作・演出>長塚圭史
<出演>
 石川琢哉(夫):北村有起哉、美弥子(妻):永作博美、
 中島(カメラマン):中山祐一朗、勝哉(父):風間杜夫、
 渡部トオル(動物愛護家):古田新太、ワタシ:市川しんぺー

長塚圭史というのは、もともと「うまい」作家で、
同時に若く青臭さいところが好きだったんだけれど、
なんか・・・、この舞台はすごく「越えた」感じがした。
「30歳にして『LAST SHOW』です」というのが、
この舞台の売り文句だったけれど、本当かもしれないと
思ってしまうくらいの作品を、ポンッとただ置かれた感じ。
今までは、作者自身の魅力が透けて見えるのがいい、
小劇場の面白さだったのかもしれないと、こうなると思う。
今回は完全に、物語が作者から独立していたと思う。

それでいて長塚ワールドなのは、暴力とか人肉食いとか
とんでもない人物ばかりなのに、そこらにある風景を
ただ切り取って舞台に乗せるよりも遥かにリアルなところ。
普通に考えれば異常なはずの行動をする人たちも、
その理由が、真摯でごくまっとうな欲求と感じるから、
行動に抵抗を感じるよりも、感情に共感してしまう。
もしや、彼には今の世界がこう見えてるんじゃないかと
ふと不安になるほど、すべてが咀嚼されている。

女性の描き方も、今までは割とファンタジーだったと思う。
それこそ若い男の子の夢と理想と欲望ごちゃまぜって、
母だったり女だったり友人にもなろうとしていたり。
女性として、その視点も気持ちのいいものだったけれど、
今回、ファンタジーから抜け出した強さを持つ女性がいて、
誰が演出しても大丈夫な作品となったと感じられる。
寂しいなんて思っちゃいけないんだろうなぁ(苦笑)
ちょっとだけ、子離れしなくちゃいけない親の気分も。

全然、現実の風景とは違うけれど、
再構成された現実はやたらとリアルなだけに、
相変わらず、何がどうとか明確なテーマは見えない。
現実を一つ切り取って、何も足さず引かず、自分の中で
解体して料理して、皿の上に乗せて、はい召し上がれ。
現実同様に、簡単に是非やテーマなんて言えない世界。
でも何か、それを切り取った理由は見えるような気もする。
役者陣もきっと、何かどこかですごく「自分」なんだと思う。
中山祐一朗はもちろんだけれど、古田さんも有起哉さんも、
今まで観てきた中で、いちばん魅力的だったと思うし。
ああ、チクショー。もう一度観たいけれど、
簡単にもう一度観るのは勿体ないような気もする。
・・・つか、体力と財力ももたないし(オチがそこかい(^^;)



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