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2005年04月10日(日) 『ルルドの奇跡』(2日分まとめ)

まず最初に。
岡@以仁王様、ご冥福をお祈りいたします。
さすがに、あそこまで秒殺されるとは思わなかったです。
「以仁王様はお逃がし申し上げた」とか言われてて、
彼らの死は結構かっこよく描いてもらっていたから、
ちょっとは期待したんだけど、ナレーションだけですか(^^;
でも、鎧姿も亡霊姿も(笑)凛々しくて良かったです。

以下、同じ演目を2日続けて観た感想をまとめて。
キャストが違ったのですが、数個の役以外は、
違うということを認識するまで観られなかったので、
キャスト違いにはほとんど触れていない感想です。


『ルルドの奇跡』

<場所>芸劇中ホールC-14(4/9)、D-15(4/10)
<時間>1幕75分、休憩20分、2幕70分
<主な出演(総勢49名)>
 ・Wキャストは、前半が星組(4/9)、後半が月組(4/10)
ベルナデット:伊東恵里
父親:林アキラ、さけもとあきら、ペラマール神父:宝田明
ブーリエット(目の悪い石切り職人):竹本敏彰、高原達也
アントアン:中本吉成、佐野信輔、ドズー医師:戸井勝海
市長:山形ユキオ、警察署長:さけもとあきら、林アキラ
検事:高原達也、竹本敏彰、巡査:菅野良和、本田和男
クロワジーヌ(赤ん坊の母):深沢美貴子、青島凛
ジャン(クロワジーヌの夫):桜井章、中本吉成
マダム・ミレー(金持ちの有閑夫人):萩原かおり
マダム・ミレーの使用人:向井玲子、三辻香織
ムッシュ・カステロー(ルルドの紳士):佐野信輔、桜井章


実は、5年前の初演で、くそみその感想を書いた舞台です。
二度と行くものかと思っていましたが、戸井さんが出演。
ミュージカル座が、戸井さんクラスのゲストを呼ぶなら、
必ず曲数を増やすだろうと思ったら観ないのも悔しくて、
ちょうど戸井モード入っていた友人がつきあってくれると
言うので、それならばと1回だけ、チケット取りました。

結果。あら、思ったよりずっといいわという感じ。
前回は、どうにも感情移入できない主役が1人いて、
それ以外は、描ききれていないキャラクターがぞろぞろと
3人組、4人組とかで出てくるだけで、どうにも散漫な印象。
いかにも「皆さんに均等に見せ場を作りました」という脚本で、
やたら多いキャスト(今回も同じくらい いることはいます)と
相まって、劇団研究生の発表会という雰囲気がありあり。
そこで「奇跡」を演じられても、はい〜?という感じで、
嘘くさい学校演劇を見た気分にしかなれなかったのですが。

多分、戸井さん演じた医者の2曲だけじゃなく、他にも
追加されて大幅に脚本も変わってるんじゃないのかな?
ブーリエットやマダム・ミレーなど、すぐに「奇跡」を信じる
村人たち側の話は、あれくらいはあったと思うのですが、
市長側の人々や神父も多く描き、懐疑的だった医師が
変わる姿も描いたことで、少し舞台を信じやすくなった。
もともと、「ルルドの奇跡」を信じている人だけに見せるなら
別だけれど、それが何だかすら知らないような客たちに
「奇跡」を信じさせるためには、必要な脚本だと思う。

まあ、医師の役は「戸井勝海だから付け足しました」という
感じが有り有りで、歌にも付け足し感が強かったですが。
戸井さん自身も、似合いの役だし普通にこなしていましたが、
もう一声何かが欲しい印象もあったのは、そのせいかな?
彼とムッシュ・カステロー辺りがもう少し書き込まれると、
もっと入り込みやすくなるんじゃないかなと思います。
今回、村人の中でも、赤ん坊を泉に浸けようとする妻を
止めようとするジャン・ブオオールが割と印象に残ったのは、
演じ手が、知った役者さんだったからだけじゃないと思うし。
2人とも良かったけど、中本さんは9日のアントアンの方が
より雰囲気に合っていて、個人的には好きだったかな。
修道院に行くベルナデットを見送った後のアントアンによる
テーマソングの短いソロ、切なく温かくて良かったです。

そうなると、ぜひ削りたいと思うのが、
ミュージカル座定番の音楽とともにあるコメディ担当ですが。
♪薪拾い とか、♪エリザの亡霊 とか、サクッと削りたい。
結局、姉妹なんだか隣の家の子なんだか区別もつかない
扱いしかしないなら、中途半端に見せ場を作らないで欲しいし
キャスト表の名前も分からない状態で、「エリザって誰?」と
無駄な疑問を感じさせるほど、名前を連呼する歌も要らない。
(結局エリザって、少し前に死んだ村の子ってことなの?)
ホッとさせる笑いは、わざわざ作らなくても演出で入れられる。
9日、ベルナデットが市長の部屋に呼ばれた場面で、
さけもとさんの警察署長がやる気なさげに爪を磨いていて、
市長がいきなり「署長は恐ろしい男だ。猫のように爪を砥いで
お前をひきさくぞ」みたいなことを言った時の驚きかげんとか、
すごい好きだったし。今回、さけもとさん良かったな〜。

そんな感じで。
批判的な気分で行ったはずが、ついうっかり、
本当に奇跡が起きたかもしれないと思ってしまったし、
最初から最後まで信じることしか知らないという、およそ
つきあいづらい主人公を、ふと愛おしいと思ってしまったので、
戸井さんの歌たくさんあるし、もう一回ぐらい観てもいいかなと
出来心を起こして楽日を追加してしまうくらいは好きでした。
ちょっとホロッと泣いてしまったりもしたし、良かったと思う。
それでも、最後にベルナデットに♪すべては愛のために と
歌われると、「そんな話だったっけ?」と思ってしまうのは
変わらなかったし、戸井さんが出なければもう一度は観ないかな。
カトリック教理と思うと、信仰=愛ってのは、つながるのですが、
普通に観客として観ていると、まだ「あれ?」って思うんだもん。
私の理解力が足りないだけなのでしょうかね?



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