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2005年02月21日(月) 阿佐スパ『悪魔の唄』

何だか好きで、もうずっと観に行っている劇団。
でも、大はまりすることはなく、毎公演1回ずつ観る。
たまにもう一度観たければ、当日券でふらりと行く。

そんなつきあいが嬉しい劇団だったはずが、
今回は、とてもお世話になった人の送別会が重なって
まあすぐに手に入るだろうと気軽に手放したところ、
もしや人気劇団だったのかもと、思わされました。
掲示板に「譲」チケットが少ない。出てもすぐ決まる。

ちょっと本気入れなきゃ手に入らないんだろうかと
慌てて、残業ぶっちぎって当日券の列に並び、何とか、
当日券最後から2枚目、最後列の補助席をゲット。
そういえば少し前にファンクラブも出来たようだし、
あんまりチケット取り、なめてちゃいけないのかも。
主宰は、カルチャーセンターで講師やったり、
テレビでもトークしちゃうくらいなんだもんな。はああ。


阿佐ヶ谷スパイダース『悪魔の唄』

作・演出:長塚圭史
出演:吉田鋼太郎(山本壱郎)、伊勢志摩(山本愛子)
   長塚圭史(牧田眞)、小島聖(牧田サヤ)
   中山祐一朗(立花伍長)、山内圭哉(平山上等兵)
   伊達暁(鏡石二等兵)、池田鉄洋(サヤの弟、朝倉紀行)

振り返って思うと、タイトルが結構JARO。
確かに小劇団系では珍しいことじゃないけれど、
長塚圭史は割と納得いくところに落ち着かせられる
妙な技を持っている気がしていたから不思議な感じ。
各プレイガイドなどで予告される あらすじと、
こんなに大幅に違ったのも久々じゃないかな。

だからといって、彼の書く本の物語性は
薄まっていないと思うけれど、焦点は少しブレ気味。
誰の何を描きたかったのか、主役に誰を据えた
つもりなのか、視点が定まらなかった印象はある。
エンディングからすると、鋼太郎さん視点でいいの?
一番描けていないのが彼だと思われるのに。

そんな中、一番心が動いたのは、山内さん。
彼はいつもおいしいとこを持っていって、かっこいい。
今回も、現れる瞬間にはホラーびっくりさせてくれ、
妻子に会えるならばと語っては、男らしく 泣かせ、
「ちゃんと化けてみましたー」と笑いまでとっていく。
この明るく男っぽい温かさが、血まみれスプラッタな
メイクをしていても、やっぱり魅力なんだよなぁ。

最後の鋼太郎さんのアップは、すごかった。
もちろん、映像じゃないからアップにはなってないけれど
他に表現しようがないくらい迫ってくる演技と演出だった。
他の時も、演技としては良かっただけに、何か後少し、
脚本がしぼり切れていないために視点が浮気しまくり、
腰の落ち着かない舞台になっていたのが残念です。
こういうのこそ、リテイクして再演が観たいなぁ。
まあ今回、演技と演出だけでも面白かったですけど。
せっかく買ってきたから脚本読んでみようっと。



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