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ル・テアトル銀座、 9列16番(前をつぶしているため6列目) <出演> ラズロ・サボー:近藤正臣、イローナ:星奈優里 アンドラーシュ:吉野圭吾、ハンス:増沢望、 店主、画家:安原義人 タイデルバウム教授:戸井田稔、夫人:長内美那子 有馬光貴、スズキマリ、伊東千啓、後藤ひろゆき 三村晃弘、原田篤、大橋てつじ、三根志乃ぶ 坂元宏旬、川口貴弘、中川和泉
映画の舞台化としてはいい方かもしれないけど、 それでもやっぱり、特に1幕は暗転が多かった。 しかも、1つ1つの暗転が長い。「その夜」とか 「数日後」とかの時間の経過を表すのに毎回、 暗転して人が出入りして机を並べ替えたりする。
ハンスが恋に敗れてドイツに戻っていき、 ラズロとイローナとアンドラーシュは三角関係のまま 誰も恋しい相手を失わずに生きていくことを選択する 話が、淡々と進む85分。1幕の最後に暗転した時も、 まだ続くんだろうと何の疑いもなく待っていたら、 突如、リピーターらしき人たちから拍手が起きて、 なんだ終わりだったんだと思っただけだったし。
最初に出てきた時の近藤正臣の厚化粧と 無理な若作りっぷりに衝撃を受けてしまったので、 星奈さんの恋人で、圭吾くんと増沢さんと争うって、 何歳の設定なんだろうと悩んでセリフをたぐったり、 そんな事ばかり考えている1幕でした。 でも相変わらず近藤正臣、セリフかみすぎで、 理解しづらいセリフが多かったのが、結構 残念。
それに比べれば、2幕65分は十分に劇的でした。 はまりきることはできなかったけれど、いい感じ。 イローナに想を得て作られた、アンドラーシュ唯一の 作品♪暗い日曜日は、世界中で人気となり、彼が ピアノを弾くラズロの店に一層の繁盛をもたらすが、 この曲に関わる自殺者が増え、放送禁止にもなる。 ナチスの足音はハンガリーにも押し寄せ、 ユダヤ人であるラズロの身にも危険が迫る。 ナチスの幹部としてハンスが戻ってくる。
ラズロが言ってたことは よく分からなかったけれど、 ♪暗い日曜日 という曲が人に迫ってくるのは、 「人としての尊厳が失われた時、どう対応するか」かな? 自分の曲が人を自殺させると言われることに苦しみ、 それだけは二度と弾かないと決意したアンドラーシュに、 ナチス将校が力で弾かせようと迫った時の、彼の自殺。 笑って、収容所行きの電車に乗り込んだラズロ。 アンドラーシュが死に、ラズロが収容所に送られ、 一度は死を選ぼうとするが、お腹の子に気づいて 生き続けることを選んだイローナ。♪暗い日曜日 を、 繰り返し聴いていたはずの彼らの人生。ハンスに 関しても、もう一度オープニングが観たいなぁ。
何となく 気だるいような1幕の雰囲気が、 どうにも好みでなかったのですが、思ってみれば、 3人の男に愛される説得力のあるイローナの美貌と そこから作られた音楽に似合った雰囲気といえたのかも。 その曲がもたらした効果が、私が考える範囲内においては 全く違う方向性であったので、ちょっと混乱したけれど。 もしかして「人としての尊厳」とかに引っかかりすぎず、 男女4人の愛憎劇という方向性だけで見ればいいのかな。 心配してた圭吾くんの演技も特に2幕は良かったし、 笑いをとってくれる増沢さんの変化も、もちろん○。 もっと素直に観るべきだったのかなぁと、どうも 理解しかねたまま悩んでます。私には合わないって事?
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