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2004年04月05日(月) 阿佐スパ『はたらくおとこ』

開演前に、戸井ファンに会いました。びっくりした〜。
阿佐スパでミュージカルファンに会うなんて思わないし。
聞いてみたら、成志さん目当てで初阿佐スパらしい。
少し話して、じゃあ お手洗いに行くからと別れてから、
余計なお世話かもしれないけれど、一言 忠告しておく
べきだったかなと後悔。「多分、結構グロいよ」って。
戻ってから少し探したけれど、ロビーには見当たらず。
大丈夫だったかなぁ・・・。

<注>
キャスト表の下から、いきなりエンディングネタバレです。



『はたらくおとこ』

<幕>全1幕、約2時間半
<位置>本多劇場、A列5番
<作・演出>長塚圭史
<出演>
潰れた工場社長:中村まこと、東京者の社員・夏目:池田成志
東京者の社員・前田:中村祐一朗、その弟・愛(出奔中):伊達暁
地元のアルバイト:池田鉄洋、その妹:志甫真弓子、
その兄でリンゴ農園主:松村武、地元の人:富岡晃一郎
トラック運転手:長塚圭史

・・・え〜と、夢オチ?
多分、トラックが突っ込んできてから後は、
意識を失った夏目の夢だったってことなんだよね?
そうなると、夢の中で夏目が告白したことについて、
社長が「許す」というのは、同じ夢を共有してたから?
なんか、最後に いきなり放り出されてしまったようで、
どうもエンディングがすっきりしなかったのが残念。
その前のグロが安易に使われたように感じてしまったし。

それまでは、感動してたんだけどなぁ。
やっぱり、長塚圭史の作品は野郎がかっこいいなと。
産廃の詰まったトラックのドアを閉めに行く、体が溶けてる前田、
その声に合わせて、♪ガラスの林檎 を大合唱する野郎ども。
ここをリンゴが育たない土地にしないために、ドロドロの
産廃を食らう社長。それに感じ、過去を告白して食らう夏目。
馬鹿馬鹿しくてグロテスクで、カタルシス。
有り得ないリアルな世界を顔を歪めながら観る快感。

でも、現実に戻ってきたからいいとも言えるのかも?
戻ってみれば、彼らはやっぱり、社会的には落伍者。
「死んだ妻が最後に買ってきてくれた記憶どおりの、
しぶくて歪んだリンゴを作る」なんて夢を持って
リンゴ園も工場もつぶした社長と、その社員たち。
借金に追われ、傷害事件も起こし、逃げる場所もない。
さっきまでの夢は、やはり夢でしかないかと思う状況で、
全ての発端である ひき逃げ犯に「許す」と言う社長。
それが、夢の中での彼らの精神が やはり事実だという
リアリティになると感じるべきだったのかもという気も。

反芻してみれば、もしかして、よく出来てたのかなぁ。
でも、観終わった時点では本当にガッカリしていた。
アンケートは書いただけで、出さないで帰ってきたけど。
たくさん笑ったし、中山さんは期待に違わず怪演してるし、
まことさんにも成志さんにも、ものすごく惹き込まれた。
だから、良かったんだけど。だけど。う〜んう〜ん・・・。



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