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2004年02月28日(土) バレエ『ドラゴン・クエスト』

しばらくバレエまで時間もお金も回ってなかったのですが、
友人たちと行くはずだった新選組史跡めぐりが流れて、
時間が空いたところにe+から割引チケットのお知らせ。
そういえば青劇で上演した時に友人が褒めていた演目だし
ドラクエなら話が分からないこともないだろうと思い、
久々にバレエにチャレンジしてきました。


<幕>1幕:50分、休憩:20分、2幕:50分
<席>ゆうぽうと6列12番
<音楽>すぎやまこういち
<出演>
 白の勇者:西島千博、黒の勇者:新村純一
 王女:福島昌美、魔王:横山忠滋、賢者:本多実男
 戦士:小山恵美、武器商人:高谷大一、
 伝説の勇者:東秀昭、他スターダンサーズ・バレエ団

実は、最初の感想は「短い!」かも。
というか、近頃3時間超の舞台が多すぎるし、
2時間なら下手するとようやく1幕終わったところ。
1幕終わって「え、もう?」幕間に上演時間を確認して
驚いて、子供向けだからかと思ったら、来月上演予定の
『真夏の夜の夢』ほかも、軒並み2時間で終演予定。
バレエって3幕構成でド長い印象があったけど、
近頃そんなものなんでしょうか。軽くカルチャーショック。

そして次の感想は「子供たち静かすぎ」(苦笑)
ドラクエのテーマソングが東京フィルハーモニーの
生演奏で流れた瞬間、思わず「わあ!」って声を上げて
しまいそうになったのは、私だけなんでしょうか?
まんまの姿のトルネコ(商人)が彼のテーマソングと共に
ころころと出てきて、とんでもない代物を売りつけてる
場面で笑ってしまっても、周りの笑いはパラパラッと。
誰にも抜けなかった剣を白の勇者がサクッと抜いて、
感動的な音楽とともに彼にスポットが集まった瞬間、
私は思わず拍手したのに、周りの子供は無反応。
数回叩いた後は無音拍手で我慢しましたよ、ええ。

だから本当に、周りがどうなんだかは
全く分からないけれど、私は個人的に楽しかったです。
音楽もキャラクターたちも、まんまドラクエ世界だし、
思わず「勇者の剣を手に入れた!」とか「トルネコが
仲間に加わった!」とか、頭の中でテロップ出ちゃうし。
ドラクエシリーズは3か4までしかやってないけれど、
シリーズ通しての曲やキャラクター以外は
オリジナルなので、何の違和感もなく見られたし。

バレエとしてどうかと言われると、
正直、全然分からないのですが、良かったと思います。
ドラクエを知らない人でも、多分、楽しめると思う。
私にしたところで、最近の話は全く知らなかったから
最初に保護者っぽい人が西島@白の勇者を王宮に連れてきて、
いかにも庶民な服装の西島さんとお姫様が、いきなり
一緒に踊り始めた時には何のこっちゃ?と思いました。
西島さんを置き去りにして保護者は出かけちゃうし。

確かドラクエ5では、最初の主人公は「伝説の勇者」で、
その息子が最後の敵を倒す主人公だったと聞いた記憶が。
それを知っていれば簡単に分かるはずのことなのですが、
私がそれを思い出したのは、終演後数時間経ってから。
でも、彼が白の勇者の前代の勇者なんだということは、
話を追ううちに何となくは理解できたし、大丈夫。
まあ、開演前にあらすじを読んでおくべきだったかなと、
ちらりとは思いましたけど。

この伝説の勇者さんがねぇ、いまいち。
前回までとキャストさんが変わっているようなのですが、
何でこんなに ずんぐりむっくりな方なの?似合わない。
多分、身長の割には跳んでいるんだと思うんですが、
どうしても跳躍も低く見えるし、安定感も良くない。
下手すると思いきり着ぐるみ付けたトルネコの方が
きれいに跳んでいるように見えるのは どうだかなぁ。
おかげで、真打勇者様がより華麗に若く見えましたが。
あと、女戦士も高身長のせいか不安定に見えたかも。

でも、他の方は文句なく良かったな〜。
特に黒の勇者!1幕、西島@白の勇者より先に、
ちらっと顔見せ程度に現れるのですが、そこの跳躍で
悪役らしいスマートな彼に一目惚れしてしまった私は、
その後出てきた ちょい田舎者な白の勇者なんぞには
どうも惹かれるものを感じず見ることになってしまって。

友人は「おバカな王子」キャラクター好きなこともあって
王女様を一目見るなり「僕は恋に落ちたぞ〜!」な役が
あんなに似合う人はいないと西島さん絶賛だったのですが、
確かにこのバカバカ笑顔はかわいいけれどねえ…と思う。
その幸せ〜笑顔状態から、いきなり王女様さらわれて、
僕はどこに行けばいいの…?と、さ迷う様もホントにバカ。

対して黒の勇者は、出てくる度かっこいい!
襲ったりする側だから、振付のおかげかなと思っていたら、
2幕頭で踊る王女とパ・ド・ドウも すごく良くって。
王女が、この人は他のモンスターたちと何か違うと
思いはじめる場面なんですけど、情感が溢れて切なくて。
トルネコ登場と並んで、この舞台で1-2を争うくらい
好きなシーン。マイムとか全然分からなくても、
こんなに気持ちが伝わるもんなんだなぁと思ったし。

でも、その後、拾った兜を身に着けた白の勇者が何故か
いきなり強くなり(この辺よく分からず)魔物を倒すんです。
この兜が何だかは、観ている最中は分からなかったのですが、
白の勇者のかっこよさが100万倍にアップしたのは分かった。
「いきなり強くなった」のは後に戦っている間に分かったことで、
兜をかぶった瞬間の私の感覚は「いきなりかっこ良くなった」。
心の中で西島さんに めちゃめちゃ謝りましたね、本気で。
今までのダメダメおバカ君は演技だったんだ〜!って。

もちろん黒の勇者様はその後もかっこ良かったんですが、
話の流れ的に粗末に扱われてしまったので、残念。
とにかく主人公を好きになれないと相当辛いという辺りは、
RPGらしい単純ストーリーなので、ドラクエ知らなくても
いいけど、白の勇者的な人を好きになれないと観辛いかも。
ま、最終的には「黒の勇者のぞんざいな扱われ方も、
ドラクエだから仕方ないよね」と思えるくらい
白の勇者がかっこいいと思えるようになったし、
お姫様もきれいだったので、満足な舞台でした。



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