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2003年11月10日(月) |
『そして誰もいなくなった』atシアターアプル |
<幕>1幕50分(20分)2幕45分(10分)3幕40分 <作>アガサ・クリスティ、<訳>丹野郁弓 <演出>小島靖 <出演> ロンバード:山口祐一郎、ヴェラ:匠ひびき エミリー:沢田亜矢子、ウォーグレイヴ元判事:天田俊明 マーストン:今拓哉、アームストロング医師:金田賢一 マッケンジー将軍:長谷川哲夫、ブロア元刑事:井上高志、 エセル(ロジャース夫人):中島ゆたか、ロジャース:三上直也 ナラコット(船頭):野本博
何というかな・・・、軽い舞台でした。 クリスティがどうとかいう以前に、何ともアメリカ〜ン。 次々に人が殺されていって、自分も危ないというのに、 こんなに緊張感がなくっていいのか?特にロンバード(笑) まあ、山口祐一郎なら、そうかなと思っていたとおりで、 全員がそれに合わせてくれて良かったねというべきか。
特に後半になるにしたがって 緊迫感をそぐかのように お遊び的な部分が増えていったように感じたのは、 単に人が減って、祐一郎さんの出番が増えたせい? たった1人で敵陣を突破して生き残ったという、話に忠実な 大胆不敵で男っぽいロンバードなんて期待してなかったけど、 「女神の恋」龍之介状態のロンバードを目の当たりにすると さすがにちょっと、寂しい気分になるのは・・・私だけかな。 小心なくせに おちゃらけというブロアの方が適役だったかも。 アームストロングでも悪くないけど、今回の金田さん好きなので。
ただ、彼のせいばかりとは思えないのは、演出や翻訳もあるかも。 マーストンの「〜じゃん」とか「マジ〜?」という、 妙に「今どきの若者」を記号的に意識したようなセリフ回しとか、 堅くて口うるさいクリスティ定番キャラの筈のエミリーが妙に若くて、 スリットの大きく開いた、足が透ける生地のドレスを着てるとか、 (単に舞台衣装代をケチっただけなのかもしれませんが(^^;) 細かいところが気になる気になる。クリスティらしさを諦めても、 せめてセリフに忠実なキャラ設定をしてほしいと思うのは求めすぎ?
「山口祐一郎が歌い、匠ひびきが踊る」ってチラシに 書いちゃった以上、やらなくちゃならなかったんだろうけど、 エミリーが死んだ直後、その死体がすぐ後ろにある状態で、 いきなりピアノを弾き語りで歌い出しちゃうロンバードとか、 別のシーンだけど、彼のピアノでマーストンと一緒に踊っちゃう ヴェラとかも不思議。マーストンは踊ってもおかしくないキャラ なんだろうけど、ヴェラって、マーストンと踊るキャラかなあ? まあ、開演前の挨拶から始まって、全てが山口祐一郎&匠ひびき ファンのための、ファンサービス舞台だから仕方ないのだけれど。 話の流れを無視してまでサービスされてしまうと、「こうやって おけば文句ないだろ」と、馬鹿にされている気分も少し・・・。
良かったところの一番は、セットかな。 劇場入った時から、ロビーに出窓風のセットが配されてるし、 シャンパンやワインが飲めたり、雰囲気作りには余念がない感じ。 ちょっと上流の人たちの舞台を、ゴミゴミした街の古い劇場で 上演するにあたっては、なかなか嬉しい配慮だったかも。 舞台上のセットも爽やかな印象で割と丁寧に作りこんでいて ○。 でも、剥き出しのピアノの上に飲み物を置いても誰も気にしない ってのは、演出として どうかと思わなくもないのだけれど。 衣装も、とっかえひっかえしていて、見てる分には楽しいけれど、 それぞれが安っぽいし・・・。あと、最後に降りてくる首吊りの縄が 綱引きのように極太なのも あまりに笑えてしまうので、どうかと。 あ、もしかして、緊張感を殺ぐのが目的なのかな?(悪笑)
まあ、それなりに楽しかったです。 最初から過大な期待はしていなかったし、期待どおりかと。 普通の演劇ファンが、値段分楽しめるとは全く思えませんが、 ちっと祐一郎ファンの私が1度観る分には、十分楽しかったです。 その割に文句たれたけれど、それも楽しみのうちなので(^^;
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