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2003年06月13日(金) |
来日公演『CHICAGO』 |
帰り道、腹を引っ込め胸を突き出し、あごを上げて下目かげん、 腰を振り気味に歩いている自分に気付いてしまいました(^^; すっごく素晴らしい舞台だと思ったつもりもないし、 いちばん期待していた雰囲気あふれるダンスについては ちっとも満たされていないのに、何かハマったというか。 ストーリーの単純さとか、善悪の問題とか、 そういうんじゃなくて、単に その気になっちゃう舞台(笑) 満足度はさして高くないんですけど、悪い気はしない感想かも。 だから、細かいことを書き始めると、本当に満足したの? という文章になりそうなのですが。以下、細かい話。
久しぶりの来日公演。思い切り久々の英語(苦笑) 内容知らないままだと辛いかもしれないからと、 わざわざ映画の前売りまで買っておいたのに、 やっぱり見逃して、話を知らないままで行く私。 なんかスラングとか多くて分かりにくそうな舞台だし、 しかも今回前方の席だから字幕読むのが辛いのよ(^^;
でもまずその点は、全く心配要らなかったようで、 合間でちらちら見る程度でも理解できる、 聞き取りと推測で何とでもなる分かりやすい英語でした。 話自体が単純だからかな?一番 分からなかったのって、 最初の方の、女囚たちが中に入った理由を歌う場面かも。 単語そのものが理解外のものが多かったようで、少し 辛かったけど、他の場面はまぁそこそこ大丈夫だった。
肝心の内容。正確に言うなら、イマイチ。 アンサンブルが良くないのかな?色っぽくないんだもん。 体型的にも、筋肉が浮き出してお腹の割れた女性とか、 細い体全てが筋肉っぽくて人体模型のような男性とか、 好みにもよるんだろうけど、私には美しいと思えない人が多い。 最初に殺されたロキシーの愛人・フレッド役を演った背の高い人は、 体型的には好みだったけど、踊りがフォッシースタイルを こなし切れていない印象が強かったし。かっこよくて イマイチうまくない人と、好みじゃないけどうまい人。 どっちを観たらいいか悩んじゃうアンサンブルはちょっと嫌。
主役さんたちは良かった。 背の高いヴェルマがスター然と歌い踊る場面は 見事だったし。 華っていうのはこういうのを言うんだなぁ!という目を引く感じ。 手足の長さを存分に使って迫力あって、ソロはどれも好き。
ただ、ロキシーと一緒になると彼女に負ける感じがある。 もしかして話的にも、それでいいのかな?分からないけれど。 ロキシーの徹底した人生哲学にやられてしまうのかなぁ? 最後のショーの場面も、2人で踊っている割には、 ヴェルマの華が消えまくった感じだったのは、 それでいいの?本当に?主役「たち」でなく、 ロキシー主役の話でいいのかどうかは私には不明。 ただ肝心なのは ただ1つ、私が2人ともを 「可愛い女」「手に入れたい女」だと思ったことかと(笑)
でも一番好きだったのは、実はエイモスかも。彼が良かった。 ビリー役はイマイチ。あまり敏腕さが感じられないし、 自分のポリシーで人を切り捨てる酷薄さが見えないせいか、 この街でスターとして渡っていってる人間だという印象が どうにも薄い。つまんない甘い色男イメージが強いだけ。 でもエイモスは、この作品中唯一の「善人」を意図的にやっていて。
もしかしたら本来この役は、もっとバカにされる役なのかとも思う。 とことん、エイモスを騙して いいように利用するロキシーとかと 一緒になって、彼を笑いまくるのが客の立場のはずなのかもと。 でも私には、彼もポリシーを持って善人なのかと感じられた。
♪Mr.Cellophaneでも、自分と価値観の違う世界に生まれ、 そこの女性を愛してしまったけれど、それでも愚直に誠実に そして、ロキシーたちに負けず劣らず強く信じて、 自分のポリシーに従って生きているという印象を受けて。 「僕は皆に見えないんだ」とおどけて見せてはいても、 私ごときには嘲笑や哀れみの対象にできない強さがあって、 もしかして、現代的な演出なのかもという気がしました。 自分の生き方が「善」であれ「悪」であれ、 それを意識して確信して生きているという意味では、 彼もしっかりこの街の人間なんだなぁと感心したり。
♪誰にでも良い所はあるのよ〜と歌い上げる、 お涙頂戴記事の得意な女性記者さんが、実は・・・!とか、 いわゆるアメリカらしさが多々見られる舞台でしたが、 最後にロキシーとヴェルマに「私達がアメリカの良心よ!」 みたいなことを言われて、さすがにうわぁと一瞬 引き気味。 でもまぁ確かにそれは、相当の部分で真実なのかも。 だからアメリカって、私にとっては どうしようもない国で、 同時にやたらと魅力的な国なのかなという気もするし。
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