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2003年06月06日(金) 『海の上のピアニスト』

再演なんだけど。
あの感動にもう一度会いたくて迷わず取ったチケット。
やっぱり良かった。笑い泣かされる舞台なんだけれど、
いやみがなく、逆に透明度が増したような気がする。

自分が観劇好きで良かったと心から思う。
舞台の上にはピアノと、高低のある可動式タラップ×2だけ。
出演者は市村正親と、ピアノを弾く稲本響の2人だけ。
市村正親は、ほんの時々、タイトルのピアニストになるが、
大抵は、ピアニストの友人であるトランペッターとして
彼の見たことを語るだけ。稲本響はピアノを弾くだけ。
あとは、観る者がどこまで彼らの世界に入り込めるか。
観劇慣れしていなかったら、抵抗があったかもしれない。
ひたすら彼らの作り出す世界への想像力が勝負だから。

船の上で生まれ、たぶん一生 戸籍を持たず、
地上に降りようとしたこともあるが、降りないことを決意、
そして、船とともに一生を終えたノベチェント。
たぶん私は、彼の生き方にはちっとも共感してないし、
理解もできていないのじゃないかと思う。
でも彼が生まれて死んだことに感動はしていると思う。
晴れ上がった5月の空とか、アスリートの跳馬の瞬間とか、
そういうものへの、言葉にできない純粋な感動というか。
「詩」みたいな演劇とも言えるのかもしれない。
何か分からないけどとにかく、すごくてすごい舞台。



あと、舞台と直接は関係ないけど、感謝。
実は私のチケット、昨日の日付でした(^^;
入場する時になってチケットもぎりのお姉さんが気づいて。
もちろん、どう考えても観られない状況だし、
どうしたらいいのか一瞬フリーズしていたのですが、
受付に手配してくれて、どこで購入したかとか言った後、
本当に有り難い事に、入れていただけてしまいました。
持ってたチケットは4列。観られた席は18列。
28列まである劇場で、割引で買ったチケットを忘れた奴に、
観られるだけでも感謝なのに、破格の扱いだったと思います。
テアトル銀座の方々、サンケイリビングの方々、
もしかしたら、市村さん後援会の方々にまで、
大変ご迷惑とお世話おかけしました。有難うございます。



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