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2003年04月16日(水) |
Parco版『青ひげ公の城』 |
<幕>全1幕、2時間強 <出演> 第二の妻:三上博史、第一の妻:荻野目慶子、第五の妻:秋山菜津子、 男優:河原雅彦、プロンプターにんじん:佐藤誓、付人コプラ:横田栄司、 第七の妻(少女):藤岡杏、第四の妻(踊る):蘭香レア、 第六の妻(人形):沙智、第三の妻(声楽):浅井美保、第八の妻:江本純子、 アリスとテレス:FLIP FLAP、魔術師:Shin、衣裳係:蘭妖子、 舞台監督:根本豊、親方コッペリウス:井内俊一 <作>寺山修司、<演出>シーザー
Parco版(万有引力版ともいう)の『青ひげ公の城』観てきました。 2月の流山寺版の感想はこちら。前回が寺山体験2回目、 今回が3回目になるのですが、感想は「やっぱり、よく分からん」。 寺山苦手だと分かってるのに役者目当てで行くなって(^^; でも演劇好きを名乗るのに寺山を語れないのも悔しい気もするし、 せっかくの機会なら、行っておこうじゃないかと思うから努力。 チケ取ってた日は行かれなかったから、当日券のキャンセル待ち。 まぁ今回も分からないなりに、前回とは違う面白さがあったかも。
前回は、ストーリーを追う舞台に慣れた私に、 その面での違和感は感じさせない上で、見せてくれました。 あくまでもメインで走り回っている7人目の妻が存在して、 何も分からない状態が続くなりに、だんだんと、 彼女の兄がどこへ行ったか?という話に集約されてきて、 最後の彼女の長セリフは、たくさんの人が合戦する中で、 何度も殺され倒れ、また立ち上がりながら言われる。 観ている私自身も否定されているような居心地の悪さを 感じながらも、何かしら残るものがあった。
今回は、残るものなんて見事に何もなかった。 何よりも目立っていたのは、役者の恐ろしいまでの下手さ。 上手な人は上手だけれど、初舞台の人たちを含む数人の ヘタレ加減には、最初のうちは本気であきれ返ってしまった。 第6の妻の人形の動きや魔術師のマジックは、宴会芸でも白けそう。 第3の妻も歌はいいが他は×だし、第4の妻も蹴りしか見るものはなし。 大体が、第2の妻や第7の妻自体、存在感に欠けるのが問題だし、 最後の長セリフときたら あまりに下手で苦痛なほど長く感じられた。 目当てだったはずの河原さんも、恐ろしくエロっぽいけれど、 それ以外は演技らしいものは全くダメ。
でもそれでいいのかなという気が途中からしてきました。 ストロボが多用されたり、壊れたオルゴールのように 同じフレーズを繰り返す双子の声を聞いたりしているうちに、 この ごちゃまぜな感じに浸ればいいだけなのかという気がしてきて。 見世物小屋の異形を覗きに来たのだと思えばいいのだという納得。 やたら背の高い男、双子、嘘くさい人形、女装の男、 異国の雰囲気を漂わせるが腕はどうしようもない魔術師。 何だか不安定だけれど、耳に残る気持ち良さもある音楽たち。
何をもってして演劇というのか、 自分の中で確固とした基準があるわけじゃないけれど、 前回のが、演劇の手法の中から演劇というものを問い掛けられた ような気がするのに対して、今回は演劇という枠を無視された気が。 想像(or期待?)していたものは、全く観られなかったけれど、 この散漫さや稚拙さが、演出の意図したところであるならば、 これも ありなのかなぁという気も少しはしていました。 でもやっぱり私は好きじゃないぞ。結構 苦痛な時間も長かったし。
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