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2003年02月13日(木) 『ミラクル』再々演。

<幕>全2幕。各1時間ぐらいだったかと・・・。
<原作>辻仁成
<出演>あおい輝彦、横瀬竜子、駒田一、井上一馬、
鈴木輝美、小野文子、武田茂、茂木沙月、川本昭彦、森隆二、
三品英士、大塚庸介、歌納有里、今宮多力香、坂口阿紀、米谷美穂


なんか、もう、泣いちゃって泣いちゃって。
もとが絵本だし、本当に単純な話なんですけど。
母は出産で死んでしまったと息子のアル(小野文子)に
伝えられず、「雪が降ればママは帰ってくる」と言って
冬になるたび南へ旅をして暮らしているシド(あおい輝彦)。
でもある年、その町に雪が降ってしまった・・・という話。
本当にそれだけなんだけれど。

初演の時は「原作はいいんだろうな」と思った。
ただ、♪KO・TO・RIという曲だけが印象に残った。
葉っぱが1枚落ちた、それで気づいたんだと、
自分が大人になった瞬間を語る少女の歌。
「ミラクル」は、何も特別なことじゃないと、
他の人には何でもない瞬間なんだと、歌だからこその力で
納得させ、ラストのアルのセリフに真実味を持たせていて。
その構成は素晴らしいと思ったものの、他の場面には
ぶちぶちと切れる感じがあって、どうも納得いかず。

それが、小さなセリフの変更や
♪ミラクル などの曲の順番を変えたことによって
アルの中で疑問が膨れ上がり、真実を言ってくれない
大人に対する不満や嫌悪を通る道筋がはっきりした感じ。
静かに一滴ずつ溜まる心の中の水。やはり一滴で溢れる。
そんなミラクルの瞬間が自然に理解できてボロボロ泣けて。
アルにだけ見える、真剣なのに どこか抜けた幽霊たち、
ダダ(駒田一)とエラソーニ(井上一馬)の優しさが、
ひね曲がることのないようアルの素直さを支えて。

1つだけ不満があるとしたら、シドの歌ですが。
1幕では歌わず、2幕の大盛り上がりで2曲のみ。
今こそ真実を言おうと、アルにママとの出会いを語る歌。
歌い終えて言うぞ!とした瞬間に雪が降ってきてくじける。
2曲目は直後、勤める店の歌手に偽のママ役を頼み込む歌。
これがねー重すぎるんです。「感動させよう!」気分。
やたら切々と歌い上げられると、涙がひいてしまう。
そこまでの あおい輝彦、酒びたりの崩れた感じが良くて、
なかなか見直していたのに、ここでガクンと評価落ち。
2曲ともいい曲だけど、「いい曲」歌いされてもさ(^^;

でもその後アルの「ちょっと考えたいから
1人にしてほしいんだ」発言があり、エンディングへ。
ダダとエラソーニが絶妙の表情で顔を見合わせて消え、
再び♪ミラクル。アルの♪ミラクル最後のピアノソロは、
盛り上げておいて間を置き、静かなトレモロで終わり。
コトリと心に落ち着くミラクルが感じられて好き。
なんだかきれいな気持ちになれる舞台でした。大好き。
あ、一応、駒田モードのミニ感想はこちらで。

おまけ。
稽古場見学会で頂いた秘密のプレゼントは「雪」でした。
細い試験管みたいなガラスに「MIRACLE」と雪の結晶の
シールを貼って、舞台で使った雪を詰めてラッピング。
本当にこの舞台が好きでなければ出てこない発想だと
感じたら、また更にちっちゃく幸せになってました。

もう1つついでに、「各地の名産品」コーナーは、
「バレンタインチョコ買いました〜?」で、すべってた(笑)
♪もっともっともっともっともっともっと・・・のシーンは、
練習で見てたのとは違う動きになっていて ちょっと残念。



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