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2003年02月10日(月) 亜門版『ファンタスティックス』

<幕>1幕55分、休憩15分、2幕60分だったと思う。
<演出>宮本亜門
<出演>井上芳雄、高塚恵理子、斉藤暁、岸博之、
なすび、二瓶鮫一、水野栄治、山路和弘


・・・・・えっと(^^;
ちょっと困ってます、はい。
目的はあったんですよね、山路和弘さんという。
山路さんがエル・ガヨと聞いて狂喜乱舞して、
絶っ対行くぅぅ〜!と騒いだ記憶もまだ新しく。
山路さんファンと一緒に観に行ったわけですし、
開演前にパンフレット開いて山路さんのコメント見て、
「僕のような若造には不安な訳です」に笑ったりして。

でもね。山路さんは勿論素敵だったんですけど、でも。
私の心をさらったのは、・・・・井上マットだったり(^^;

何と言うかもう「かわいい」としか言えないというか。
何に対しても素直に興味いっぱいというか、若くて青くて。
どう表現したらいいんだろう?とにかく真っ直ぐで自然。
等身大で、まんま似合っていて、驚くほど魅力的。
ロクでもないこと真剣に信じちゃってる子供なのに、
なぜか怒れなくて「お前いいかげんにしろよ(^^;」とか、
苦笑しながら見守って、時々後ろから突付いてみたい。

だからか、エル・ガヨも普通の色悪な感じとは違って。
どこかに青さも感じるエル・ガヨだったんですね。
期待していた色気と存在感だらけのものとは違うから、
最初のうちは何となく中途半端だなぁと不満に思ったり。
でも、だんだん納得して見えてきたのは、
マットやルイザに甘いエル・ガヨだってこと。
ちゃんと成長する物語だからと突き放してしまわず、
突き放した後でこっそり様子を見守ったりしてそう(笑)
後で見たパンフレットに「僕が子供を見る目線」とあって、
あぁまさにそうなのかもと妙に納得したり。

本来のエル・ガヨは、舞台上にいる演出家というか、
登場人物をエンディングまで導く話のお膳立てを整えて、
その物語を観客に見せるものだと思うんですね。
ミュートと こまめに連絡を取って小道具を出させたり。
でも「亜門です!」な演出にもう1人演出家はいらない。
だから山路エル・ガヨは、マットたちと同じ土俵上で
対等に向き合った場合に感じるものを演じたのだと思う。

お話に対する神様なエル・ガヨを期待していただけに、
最初のうち、ちょっと不満を感じてしまったのが残念。
しかも、照明過多な亜門演出、結構 苦手だったし。
舞台上に客席を置いて実質の舞台を狭くしたり、
マイクボリューム落として生っぽい舞台にしたのは
個人的に非常にOKだったのですが。

まぁでも。
高塚ルイザは、私のファンタスティックス史上最強に
生意気でキンキン声でムカつく小娘でしたが(苦笑)、
それですら、山路エル・ガヨを通してみると
「まだまだ子供だから仕方ないか」ぐらいに思えた。
そんな視線を通して見てしまったら、井上マットへの
愛しいと感じる思いは 更に8割増しくらいだった(笑)
いきなり、驚くようなことを思いついたり思い込んだり、
全く飽きずに見せてくれそうな お子ちゃまマット。
それは本当に、まんまファンタスティックスのマット。
でも、それを見守ってしまうエル・ガヨ??
やっぱり『ファンタスティックス』じゃないと思うけれど
でも、とても魅力的な人たちで嬉しかったです。



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