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2003年01月16日(木) 『被告人』初日。

『被告人』初日、観てきました。
面白かったです。でも脚本は多分 面白くないみたい。
私は裁判というものが非常に好きで、法廷物のドラマや本は、
舞台が法廷であるというだけでも面白く感じるので、
その分、結構 真剣に傍聴して考え込んだりしていたのですが、
途中で時計をチラチラ見る隣の人の気持ちも分かったから。

何しろ、ありがちなネタの脚本を真面目に演出している。
役者さんたちは 非常にしっかりした演技をしているし、
後で「有罪」「無罪」の判定を聞かれるのだと思うと、
好きな役者だけ観ているというわけにすらいかず、
ひたすら真剣に証言を聞き、証言者の態度を見、
その時の被告の態度を見ることを考えてしまう。
だから、退屈している暇は無いし、ある意味面白い。
でもそれって、舞台の面白さとは違いますよね?

ただ、有難いことに目当ての戸井さんの役は検事で、
検事や弁護士は、手持ちカードを全部など見せずに
相手の出方を窺いながら話を進めていくものだけに、
結構チェックしなきゃならない人物だったのが助かりました。
しかもねー、なんか、ヤな奴なんですよ、この検事が(^^;
大抵、裁判中の検事やら弁護士やらっていうのは、
隠していることを掘り出そうとする姿が嫌だけれど、
それだけじゃなくって、紫のシャツとタイを合わせたり、
机に寄りかかって長い(長く見える!)足を組んだポーズで
助手の女性と ひそひそ話してみたり、無性〜にヤな奴。
エリート若僧でやり手の厭味な奴なんだなと分かりやすくて、
でも かっこ良くて、嬉しいやら悲しいやら。
ファンとしては、随分と幸せな思いができる役かも。

でも、模擬裁判に参加しているようで、参加していない。
裁判長が入室してきて舞台上の皆が立ち上がったら、
私も腰を浮かせたくなるけれど、自分は客席だからダメ。
検事と弁護士が証言に突っ込みを入れていても、
多分、「有罪」「無罪」どちらの舞台も観られるように
するためにか、どうにもイライラする進み方の脚本。
本当の裁判って一度しか傍聴したことないけれど、
こんなんだったっけ?と、腹立てて、
こんなんじゃ結論出せるわけないじゃんよー!
こいつ殺ってるよ、でも証拠がないんだもんーと腹立てて。

陪審しているかどうかはともかく、
傍聴くらいはしている気分になれたから、面白かった。
でも、客席の判断により「無罪」となった後の展開も、
それまでの本自体も、役者にだけ見せてもらった感じだった。
でも、何か違うだろ〜?という気分にはなった舞台でした。
本自体よりも、役者に見せてもらった感が強かったかな。
だから、面白かった。でも何か違うかな〜と思った感想です。



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