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2002年10月13日(日) |
『ジャック・ブレルは今日もパリに生きて歌っている』Bチーム |
いろいろ思うところはあるのですが。 まず素直に、この作品は好きだなーということ。 何の話があるわけでもない作品だけに、私には珍しいのですが。
初演とほぼ同じ、シンプルなセット。 左手に少し段差があり、右手に高い階段とバンド。 ピアノがメイン、後はベースとキーボードだけ。 「ジャック・ブレルを知っていますか?」という言葉で始まり、 彼の歌を、4人の歌い手が年代順不同で歌っていくだけの作品。
何にそんなに惹き付けられるのか、どうにも言葉にはできない。 歌の魅力なのか、毒があると言われる歌詞の魅力なのか? 引退して姿を消したジャック・ブレルへの思いのたけを 重ねた上に作られたという作品だけに、私が彼を知っていれば、 作家の思いに同調してしまうという理由もあるだろうけれど、 そうではないから、とにかく不思議。
だからこそ、出演者の力量とか細かい点は許容できないらしく。 今回のチームの すがはらさんという方は、私は全くダメ。 1曲だけなら上手・・かな?と思って聞いていられたけれど、 全部同じ調子でムードたっぷりに響く声で歌われるので、 あっという間に、飽きるを越えて邪魔に感じられるように。 更に彼は、テンポが間に合わず遅れることも多々。 ソロ部分ならまだしも、♪女と犬 のようなデュエットでも 歌詞が間に合わなくなり ごまかされた時は、頭を抱えました。
ただこの点については、知り合いがフォローしてくれました。 今回、ピアノの鍵盤部分が客に見える位置だったのですが、 これは歌い手にとってテンポが取りにくい位置らしいです。 確かに他の歌い手も、最初のうち、すごく丁寧に一生懸命 テンポを取っているように思え、練習不足?と感じたので、 もしかしたらこの点は、むしろ演出家の責任かもしれません。 それでも、他の3人はできたことをできなかったのは彼だけ という事実は決して消えるものではないのですが。
以下、パンフレットを見ながら印象的だった曲を。 すごーーく長くなるので、どうぞ読み流してください。
<1幕> ♪マラソン 1曲目で、全員のアンサンブルによる明るい楽しい曲。 ・・だけど、痛烈な皮肉の曲で放送禁止になったらしい(^^; 歌詞聴いちゃいなかったんだな、私(苦笑) ♪マドレーヌ 3曲目。やっぱり全員の速いテンポの曲。 このテンポの曲の歌詞でも聞き取れるということで、 やはり『Mozart!』の訳詩は悪いんだろうなと実感(笑) 少年の恋の可愛い曲なのに、なぜか思い出したのは、 『Miss Saigon』の♪American Dream。そういう皮肉なんだろうな。 ♪マチルド すがはらさんをダメだと実感した曲(をいをい(^^;) ちなみに彼の出演3曲目、ソロ1曲目(大苦笑) ♪独り者のダンス 禅さんがお嫁さんを探しながら客席から登場。 客を指差しては「No,君じゃない」と歌うという(^^; 舞台に上がる直前に「すみません」と言っていったのが、 妙に禅さんで、すごくツボでした。 ♪臆病な人たち 真織さんの可愛いのに情感の乏しい感じの声が、 ブレルの世界には逆に非常にハマる気がします。 普段は苦手なのに、今回すごく全体的に好きでした。 ♪ジャッキー 前回、最高に印象に残った曲。 真矢武さんが歌っていて最高にかっこ良かったので。 禅さんも良かったけど、記憶には負けてしまったかも。 美化されてるのかなー?う〜ん、悔しい。 前回は岡さんが歌ったという説もあり。じゃあ、私の記憶はいつのもの?(汗) ♪絶望した人々 老夫婦を歌った淡々とした曲。 前回も好きだったことを、今回、聞いて思い出したし、 今回 好きだったことも、パンフレットを見て思い出した。 何となく、私の中のブレルは、この曲かもしれない。 ♪息子たち 前回 記憶に残った2番手。毬谷さんでした。 今回は安奈さん。好きなのは前回の方が好きだけれど、 安奈さんの方が情に流れすぎない感じで曲に合っていた気も。 <2幕> ♪ブリュッセル 何にせよ頭につく曲です(^^; ♪ブルジョワども 前回、岡さんが「豚野郎」と歌ったのがショックだった曲(笑) 岡さんが歌った皮肉な記憶は一生忘れられないな、きっと。 でも、禅さんの方が歌詞はしっかり届いてきて印象的でした。 ♪次! 今回 一番、記憶に残った曲。 「次!」という無表情な声だけで3人が出演する、禅さんのソロ。 声に順番に追い立てられて、だんだん狂って絶叫になるソロに、 最後まで無表情に「次!」という声がかぶるのが、すごくらしい。 ♪華麗なる千拍子 だから、無邪気に無表情な真織さんの声は怖いのよ(^^; 明るく楽しく。戦争も何もかも巻き込んで世界は回る。 4人でラララ・・とか歌われて、ショーは終わり。
でもこの後に、アンコール曲が真のエンディングとして あるんですよね・・・。だから私にはブレルは分からない。 パンフレットによれば、アンコールの曲は、ブレルが 宗教的・観念的作風で知られた時代のものらしいので、 私が理解できなくても仕方ないのかもしれませんが(苦笑) でも、何か好きだから、それでいいんですよね。
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