マニアックな憂鬱〜雌伏篇...ふじぽん

 

 

「戦争」に対して、モノワカリが良すぎじゃないのか。 - 2003年03月21日(金)

 戦争について、さまざまな言説がネット上で語られているし、僕もいろいろ書いている。
 賛成・反対はともかく「僕たちは無力だから、戦争について語っても仕方がない」というコメントを眼にすると、少し悲しくなる。
 確かに、ネット上で語っても仕方がないし、さまざまな観点からものごとを観ていると、結局何が正しいのかなんて、わからなくなってしまうけれど。
 「どうしようもないから語っても意味がない」とか「こんな時代なんだからしょうがない」
 そうやって、多くの普通のドイツ人はナチスによるユダヤ人迫害に加担し、日本では若者たちが帰還することのない飛行機に乗り込んだ。
 弾圧される以前に、自分たちから言論封鎖してどうするんだろう?

 僕は中学生のとき、学校の図書館で原爆の被害を撮った写真集を見た。
 あまりの恐怖と悲しみにかられ、そのことを同級生に話したら、
「でも、仕方ないんじゃない?おかげで戦争は早く終わって、結果的には被害が少なくて済んだんだから」というのが、同級生の答えだった。
 僕は、ただ悲しくて情けなかった。
 
 そんなにモノワカリがよくて、いいんだろうか?

 今の日本人に「戦争は悪いことだ」と信じている人が大多数なのは、僕たちの親やその上の世代が身をもって体験したことを僕たちに遺してきたからだ。僕たちが「戦争なんてどうでもいい」と思うようになれば、僕たちの子孫は、たぶんそういう意識をもつようになる。
 それはまさに、戦争をしようとする人間たちの思うツボではないのか。
 
 そんなことを考えながら、同じ映像しか流れない戦争報道に、僕は既に飽き始めている。

 人は、同じ過ちを繰り返す。



...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home