マニアックな憂鬱〜雌伏篇...ふじぽん

 

 

「GOOD LUCK!!」の二律背反。 - 2003年03月16日(日)

 いや、最近年のせいか、すっかり涙腺弱くなっちまった。
 映画やドラマ観て感動するなんて、全然なかったのに。

 それで「GOOD LUCK!!」の話なのですが、このドラマ、今日観ていて思ったのは、やっぱりキムタクは存在感あるなあ、ということと、柴咲コウの眼の力だ。ああいう「泣きそうもない女の子」が、眼を見開いたまま流す涙、というのは、すごく説得力がある。

 ところで、僕にとっての「GOOD LUCK!!」の裏感想は「石黒賢も、大変だろうなあ」ということだ。
 仕事柄「医者の許可が必要」だといって病院に相談に来られる患者さんというのはけっこういるのだけれど、正直「医者として太鼓判を押す」というのは、とても難しい。たとえば、糖尿病でインスリンを使用している患者さんに「車の運転をしてもいいですか?」と言われたら、コントロールがいい人の場合で「保証はできないけれど、自分の判断で」というのが関の山だ。
(低血糖のおそれもあるし、他人の運転に「保証」なんてできないよな、だいたい)

 キムタクががんばって、正常に近いほどの回復をみせたとして、では、医師としてはどうするべきか?というのは、非常に難しいことなのだ。
 患者さんの人生を考えて、職場復帰を許すのか、それとも彼の努力を知りつつも、そういう怪我や手術の既往は、多数の客をのせる大規模交通機関の運転士としては通常の場合よりも明らかにリスクが高いと判断し(少なくとも、プラス材料ではないわな)不適格と判断するか?というののどちらかを選べ、と言われたら、それは悩ましい選択だろう。
 スポーツ選手なら、競技を実際にやってみればいい。
 でも、操縦士はTRY&ERRORでは、許されない。

 というわけで、これはもう、非常に難しい問題なのです。
 「保証人なんかにゃ、なるんじゃないぞ」というのは、いつの世でも真実だと思う。



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