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■ 翼をください
昨日、ふと空を飛びたくなった。 私の前に道はある。 でも私の後ろに道はない。
2〜3日に1人のペースで患者は亡くなっていく。 そして、その空きベッドはまたすぐに埋まっていく。 そして、1ヶ月もしないうちに、また空いてしまうのだ。
痛みで怒りっぽくなったり、不安で寂しくなったり、痛みが和らぎユーモアが言えるようになったり、そしてただただ眠り続け、気がつけば家族親戚に囲まれている。 かと思えば、生前の行いで家族は滅多に来なくなり、1人ポツンと車椅子に座って、談話室でTVを観ている人がいる。 怒りっぽくて危ない人、こちらの呼びかけにはほとんど返事もしない。
心配で車椅子の後ろに、そっとついて行って『点滴、大丈夫ですか?』と声をかける。 車椅子の車輪に点滴ルートが巻き込まれそうでヒヤヒヤもん。 『ありがとう』と言ってくれた。 背中越しだったから言えたのかな?
家族との楽しい思い出も、苦い思い出も忘れてしまった青年がいる。 彼には今しかない。 今しか覚えていられない。 でも、幸せそうだ。
みんな、今を生きてるんだな。 前も後ろもなく、今ここに生きてる。 それだけでいいのかも。
2011年08月27日(土)
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