蛍桜 |
≪BACK | TITLE LIST | NEXT≫ |
心の海に沈んだ塊が |
会社の人が、PTSDになった。 地震当日、宮城に居て、避難所生活を送りながら ボランティアをし、最近やっと帰ってきた人だった。 その人は、とても明るくて、とてもしっかりしていて、 その人が被災地で無事だって知ったときも、 ああ、この人なら被災地でかなり笑顔を振るまいて かなり本気でボランティアでもして 帰ってきたらしっかりと現地の話をしてくれるんだろう、 と信じてやまなかった。 そんな人が、最近、夜眠れなく、手足がしびれ、 体が震えているらしい。 恋人はいるのかな。添い寝してもらえる人いるのかな。 震えたら抱きしめてくれて、大丈夫、って 言ってくれる人がいるのかな。 心配してもどうしようもないから、そうやって考えた。 本当にいい人だから、 本当に心が強い人だから、 その人がPTSDになったときいて、かなり動揺した。 そして、少しずつ遠くなってきた被災地の情景が また浮かび上がって、より身近なものになった。 昨日も書いたけど、一時期、震えが止まらなかった。 最近は、常に頭の中がぐるぐるしていて 気を抜くと、視界もぐるぐるしている。 昨日までは栄養不足かな、と思って 今日の朝、牛乳を飲んだ。 ほうれん草でも食べようかな、なんて思っていた。 それくらいのことしか考えていなかったけど、 実は私も、PTSDとまではいかないけれど、 精神的にきてたんだなと実感した。 もちろん、そんなのとても軽いものだから 私かわいそう!って言ってるわけじゃないよ。 関東の人たちは、輪番停電などに忙しくて そして、被災地の被害がすごすぎて 自分たちのことを軽視していたけれど こういった人たちはもしかしたらもっといるかもしれない。 確かにあの日の地震は大きかった。怖かった。 だけど、何よりも精神的にきてたのは、 テレビから流れてくる映像だったんだと思う。 最近になって知ったんだけど、 こういうとき、テレビをあまり見ないほうがいいんだってね。 特に子供のいる家では。 そして被災地なら尚更。 テレビは怖い感情を思い出させる。 関東に住んでいる私たちも、 被災地、とまではいかないけど、被害を被っている。 大きな地震に怯えた。崩れた建物だってある。 だからみんなその日はテレビにかじりつき、 今どういう状態なのか、情報を集め続けた。 私も地震の日は、テレビと、ネットと、携帯で、 情報を集めまくってた。 地震から一週間が経っても、くり返し見ていた。 そういう人、きっと多いと思う。 みんなが地震番組ばかりでつまらない、と思っていても 私は地震番組を選んだ。 関西の人たちは他人事だろうけど 少しでも揺れを感じた私たちは 被害者面をしたいわけじゃないけど、関係者だった。 津波の映像を食い入るように見ていたのは、 そこに人がどれだけいるんだろうって気になったから。 最初津波の映像を見たときは、人なんて一人も見えなかった。 気にしなかった。 地震が起きてしばらく経っても、死亡者は36人だった。 だけどどんどん膨れていく死亡者の数。 そして、津波の影響が大きいとの事実。 その事実を知ってから、目を凝らして津波の映像の中を 探してみると、あちらこちらで人が居た。 誰も言わなかったけど、みんなきっと気づいていた。 津波に流されていた車には人が乗っていた。 ブレーキランプがついていた。 倒されるビルの屋上にも人がいた。 でも簡単に薙ぎ倒されていた。 誰も「人」が居るとはいわなかったけど 直接的な「恐怖」を見せなかったけど 画面には隠しきれない真実が溢れていた。 そういう映像を何回も何回も繰り返してみて、 トラウマにならないはずがない。 その事実を、目に焼き付けた。 そういう行為を何度も繰り返して、 知らないうちに精神ダメージを受けていた。 私のこの精神的なダメージは、きっといつか癒えると思う。 そう遠くない日に。 だけど遠くはなれている私たちでさえ、 ダメージを受けている。 余震も含め、ダメージを受け続けている。 そのことを考えると、被災地の人達のダメージは 想像も絶するものだったんだろうと改めて認識した。 ご冥福を、とか、お祈り申し上げます、とか そういう言葉はあまり好きじゃない。 だけど心の奥底で願ってる。祈ってる。 深く深く。 何を?って言われると、よく分かんないけど。 より多くの人の無事だとか 被災地の人たちが早く安定して暮らせるようにとか。 とりあえずいろいろあるけど。 そういう願い、祈り、を少しでも叶えるのも 自分たちであるっていうことに気づいている。 やれることを、やらなくちゃ。 |
2011年03月24日(木) |
≪BACK | TITLE LIST | NEXT≫ |
My追加 ‖ メール ![]() enpitu skin:[e;skn] |
Copyright (C) 蛍桜, All rights reserved. |