蛍桜

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思考するのも仕様です

地元を離れて、都会に出てきて、
失ったものはないと思っていた

地元を離れるときも
心残りは母親くらいなもんで
同級だった友達も、元彼も、会社も、
なにもかも置いていっても大丈夫だと思っていた
都会は地元よりものが溢れているから
不自由することはないだろうと高をくくっていた
大好きなマクドナルドも絶対どこかにあるだろうし
大好きなしまむらもあるだろうから
私はまた何不自由なく過ごせる、と想像していた

私は何かに執着するほうじゃないし
誰かとすぐ仲良くなるわけじゃないから
そこらへんに自分の居場所を作っていたわけでもないし
そこらへんに知り合いが居たわけでもない

でも
行きつけのカフェも、行きつけのカラオケも、
行きつけの服屋も、確かにあった


○○したい〜
ってなれば
じゃあ、あそこいこう!
って繋がるリンクが頭の中には出来上がっていた


地元を離れるまで気づかなかったけど
自然と「行こうかな」と思える場所が地元にはあった

それがただそこにあるから行っていただけだったけど
気が付けばそれは「私の知っている場所」であり
「自分のテリトリー」になっていたんだなぁって実感した

一人でレジさえ行けない子だったから
カフェは会社の先輩が連れて行ってくれたところや
後輩が付いてきてくれたところ、お姉ちゃんが教えてくれたところしか行かなかった
一人でここ行きたい!と思って、行く勇気なんてなかったから
いつも誰かの力を借りて、カフェめぐりをしてた

その中で好きなカフェを見つけて、ふと気が付いたら
また行こうかなーって考えれるようになった

都会にはカフェなんてたくさんあるから
私はまた、ふと行こうかなーと思えるカフェが出来るもんだと信じていた

だけど、違った
教えてくれる人がいない
付いてきてくれる人がいない
何より、馴染みのない土地で馴染みのないカフェへ
入ろうっていう勇気がまだ湧かない

だから私はまだこっちで、お気に入りのカフェさえ見つけられていない

こっちで友達や、知り合いが出来たら
またいろんなところを知ることが出来るのだろう

だけど、地元には適わない

ドライブだって、前よりはものがたくさんあるこの都会で
テレビで見ていた地名のところへ、どこにだって行けるから
大好きだったドライブも、楽しいはず、と信じていた

箱根も、逗子も、千葉も、湘南も、江ノ島も、行った
遠くなれば静岡まで行った

だけど、地元には適わない

友達だって、ネットの知り合いが何人かいるし
大会の知り合いだってたくさんいるから大丈夫だと信じていた

だけど、やっぱり違った


私は21年間かけて、あの場所で築き上げてきたものが
確かにあったんだ

ドライブが楽しかったのも、知らない道を開拓出来たからだ
どこにどう迷子になろうと必ず帰れる安心感があったから
車を運転していても、不安なんてなかった

だって21年間、母の助手席でいろんな道を見てきた
それに21年間ずっと育ってきたところだから
知らない地名なんてそんなになかった
迷子になってもどこかにいけば、知ってる地名に出くわして
地名さえ分かれば方向も大体分かって、
家に帰る手がかりになった
ナビなんてなくても、自由にうろちょろできた

でも、こっちの地名なんてほとんど分からないし
地名が分かったところで、私は家には帰れない
だって、その地名が自分の家からどの位置にあるかなんて
全く分からないんだから

ナビがないとドライブに出かけられない
でも私の可愛いミラっ子にはそんな高価なものつけてないし
一人で気が向いてドライブ、だなんて出来ない


友達も、地元には大した友達なんていないと思ってた
居たとしても、それは地元を離れても寂しくならない程度だろうと踏んでいたし、
人によっては、地元を離れることによって、距離を置きたかった人も居た

だけど実際離れてみると
ふと休日に、友達の職場に訪ねることも出来ない
ふと休日に、メールをして何気なく暇なら遊ぼう、って言えない

休日に誰も居なくても、あそこに出かけよう〜って思うことさえ今は出来ない

こっちにだって友達らしきものはいる
大会の知り合いは同じ神奈川に住んでいるし
こっちにくれば遊べるね、なんて話していた
私の家は2LDKだから、遊びにおいでね、なんて話していた
猫も居るから癒されにいくよ、って言ってくれてた
東京にだっているのに、私の家に遊びに行く!とか言っていたのに
いまだに来たことないし
私がこっちに住み始めてから遊んだのも数回
引越し祝いしなきゃね!とかって言う言葉もやっぱり社交辞令だった

ネットの友達だって、実際詳しくどこに住んでるかも分からないし
多分「会って遊ぼう!」ってなっても私は勇気がなくて出来ないかもしれない

だから誘えなくて、結局いてもいなくても同じになってる

結局、私が望んでいた結果にはならないんだ、と最近悟った
いろんなもの捨ててきたことに気づかなかった
21年間築いてきたものを甘く見ていた

地元のほうが好きだという気持ちはあっても
やっぱり都会に行けば地元ほどはいかなくても
満喫した生活ができるものだと思い込んでいた
ほんと、思い込みだけど


新しい世界に浸ることで、何かが変われる気がしたし
新しい世界を見ることで、視野が広がると思った
新しい地で仕事をすることで、少しは大人になれるかもと錯覚した

だけど、そんなの、得たことにはならない


私は築いてきたもの全部捨ててきたんだ、って実感した

もちろん、何かを失ったわけじゃない、と思う
思いたい

こっちで得るものもたくさんあった
あったと思いたい

地元を離れたこと、親のことを除いては後悔していない
多分

地元に帰りたいという気持ちはそんなにない
まだこっちでやっていける、とは思っている
でも機会があれば、時間が経てば、いずれは戻りたいとも思考している

こっちが嫌になったわけでもない

だけどなんのためだっけー?とかなる
そんで答えはない

別になんのためだとかは関係ないけど
私があの時選択した道はこっちだっただけのことで
あの時の道の先に私がいるっていうだけで

別に、大したことはないんだけど


あれ?
こんなんだっけ?

って振り返っちゃうのは仕様です




多分こっちであと21年過ごさないと
私は安心して住めません


でもそしたら42とかありえません

2008年06月23日(月)

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