| 蛍桜 |
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| 旅に出ます+弱さ |
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旅に出ます どこかはるか遠くへ 誰も来ない 誰もいない 遠い遠いところへ *〜*〜*〜*〜 昔男ありけり。女のえ得まじかりけるを、 年を経て、よばいわたりけるを、 かろうじて盗みいでて、 いと暗きに来けり。 芥川という川をいてゆきければ 草の上に置きたりける露を 「かれは何ぞ」 となん男に問いける。 行く先多く、夜も更けにければ 鬼あるところともしらで 神さえいといみじゅうなり 雨もいとうふりければ あばらなるくらに女をば奥に押し入れて 男、弓・やなぐいを負いて戸口におり はや夜も明けなんと思いつついたりけるに 鬼はや一口に食いてけり。 「あなや」 といいけれど、神なる騒ぎにえ聞かざりけり。 ようよう夜もあけゆくに、 見ればいてこし女もなし。 足摺をしてなけどもかいなし。 白玉か、なにぞと人の問いし時、 露と答えて消えなましモノを。 |
| 2002年06月08日(土) |
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