蛍桜

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死んでしまったら

たとえば
私が死んだとしても
私のことを一生忘れないと
いってくれる人がいない
もし言ってくれたとしても
もし本当に忘れなかったとしても
その人が死んでしまったあとは
私の存在なんてない

たとえば
君が死んだとしても
私は泣いたりはしないだろう
かわいそうね、と笑いながら
お葬式で正座して
もう帰りたいなんて思うだろう


たとえば
世界がすべて死んでしまったら
私だって死んでしまうから
どうしようもないだろう

だけどこんな世界
全部死んでしまえばいいのにと思う




必ず死は来て
その死はそのうち忘れられる

死なんて尊いものっていう言う方さえ
間違っているように思えてくる

命は尊いの?
たった一つの命

どうしてこんなに消したいと
願ってしまうのだろう





2002年05月14日(火)

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