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振りむかない 急がない 立ちどまらない
2005年10月18日(火)

愛読している雑誌が、創刊十周年。
そうかあ。十年かあ。
十年前に出会っていたかったなあ。

で、十年前の自分のことを思い出してみたが、
薄汚れたボストンバッグひとつかついで、
さびれた故郷の町の片隅にある灰色の路地をひとり歩きながら、
「俺みてぇなヤツは生きにくい世の中になっちまったナ」
なんてつぶやいていたような印象があるが、
半分以上はでたらめである。

ちなみに、持病にかかってからは九年になる。
白いカーテンの中で白いベッドに横たわり、
ゆがむ視界に浮かぶ白い天井を見つめながら、
「私の人生も来るところまで来てしまったかもナ」と感じた頃。
(※語尾の“ナ”が、ここでは重要。所謂ポイント。)

…ってな具合に考えていくと、
自分、十年前の時点で相当くたびれた状態だったんだな。
そうなると今は、もうすでに働くとかいう状況の人じゃなくて
むしろ隠居するべき人間なんじゃないかと思ってしまう。
ただ、いまどきの高齢者はめちゃめちゃ元気だから要注意だ。
ひそひそと隠居生活に入ろうとしたところで、
老人パワーに圧倒されてすごいことになるような気がする。

無理ッス、って言いながらの十年。
だめかもね〜、と笑いながら十年。
ささやかに必死に、いつしか十年。
あの雑誌もそんな気分で息をし続けてきたんだろうか。