思うこと
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2002年03月13日(水) |
アフガニスタンは復興できるか? |
はっきり言って、残念なことに、アフガニスタンの「復興」には、100年単位の年月が必要になると思う。
しばらく前に、アフガニスタン(以下アフガンと略)のカルザイ議長が、アフガン復興会議で日本に来て、「今、わが国は、終戦後の日本のような状態にありますが・・・(以下略)」 と言った筈だけど、残念ながらかの国は、まだ終戦直後の日本どころじゃなく、数百年遅れてると思う。今後2、30年のうちに、かの国が、終戦後の日本のように高度経済成長を成し遂げる可能性はゼロだと思う。
第一にかの国の識字率。読み書きが出来るのが、男性3割、女性に至っては僅か1割!つまり、国民の5人に4人は字が読めない! 既にほぼ全ての人が読み書きできた終戦直後の日本はおろか、江戸時代の日本(男女合わせての識字率が4割)にすら遠く及ばない。
そして、地方に群雄割拠する「軍閥」の存在。軍閥という言葉を使うと本質が見えてこないんだけど、要するにこれは戦国時代の日本の「大名」、中世ヨーロッパの「領主」と同じ存在。
「勝手に道路を封鎖して『検問所』を設け、『通行税』を取っている」と、新聞記事にあったけど、これはまさに、日本の戦国大名や瀬戸内海の海賊組織、それに、中世ヨーロッパの領主が行なっていたことと同じ。要するに、あの国は国土がまだ「天下統一」されてないんだよ。 カルザイ議長の命令は、首都であるカブール周辺でしか届いていない。彼はまさに、京都とその回りでしか支配力を発揮できなかった、室町幕府の末期の将軍のようなもの。そして、「タリバン政権」に当たるのが要するに「信長」と見れば分かりやすいだろう。
あの国が本当に民主国家になるには、一度、中央政府が圧倒的な軍事力で地方の「軍閥」を押さえ込み、一旦、中央集権的統一国家をつくるという「回り道」は避けては通れないだろう。中央集権の中で、今はひとりひとりの国民が、それぞれの部族に向いている帰属意識を、国家に対する帰属意識に変えることが出来た後に、初めて中央集権のタガを緩めることが可能となり、地方の意見をも尊重する、民主国家の道を歩めるものと俺は思う。 そしてそれには、どんなに早くても百年、長ければ数百年の年月が必要だと思う。
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