蜜白玉のひとりごと
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| 2009年07月15日(水) |
ハードルを飛び越えるかのごとく |
昨日、関東地方は梅雨が明けた。毎日ジリジリと焦げる音がしそうなほどの強い日差しとドライヤーのような熱風に、もうこのまま梅雨明けするかな、と思っていたら案の定、たいした雨も降らないまま明けてしまった。さあどうする。これから夏って、長過ぎやしないか。
先週、父が緊急入院した。病院にいるとわかっていてもなんだか気が抜けない。いつ電話がかかってくるかわかったもんじゃないからそわそわしっぱなしで、さらにひどいことに月末には病院の都合で退院しなきゃならないから、その後の在宅のことを考えると胃が痛くなりそうだ。ケアマネさんと相談して策を練る。
父はこれまでに何度も余命宣告をされてはそのたびにハードルを飛び越えるかのごとく生き延びている。今の病院に転院してきたとき、あと1年くらいかなと言われ、その1年が過ぎた。次には在宅往診医に、秋か冬でしょうと言われ、冬を過ぎて春も過ぎて夏まで来た。今回主治医が言うにはそろそろ限界だそうだ。いつ急変してもおかしくないという。
そうか。だって、1年て言われたのにもうすぐ2年になるもんね。思えばこれまで風邪もひかず(!)、転んで骨折することもなく、致命的に食べ物をのどに詰まらせることもなく、おおむね安全に在宅療養できたことは運が良かった。家族もこれ以上ないくらいがんばっている。関わってくれる人たちも親身になってくれている。制度上は至らないところだらけだけれど、それは今言ったところでどうにもならないし、この状況で社会と戦う気力は湧いてこない。運が良かったこと、がんばったこと、この2点に尽きる。
これからが大変だ。今までよりもっと大変だ。ひっくり返りそうになるくらい疲れて、心身とも辛いだろうことは容易に想像できる。でも私は受けて立つ。逃げたい気持ちとともに武者ぶるいがする。変な感じだ。ともかく精いっぱい自分のできることをしたい。
当の本人は医者が限界というわりには、今は病院で(常に苦しいのとだるいのと痛いのとあらゆる不快感を我慢した上でそれなりに)落ち着いている。病室へ行くとまだ大丈夫なようにも見えるし、いつ急変してもおかしくないと思えばそういうふうにも見えなくもない。よくわからない。
ちょっとでも父のことを考えると涙がじわっと出てきそうになるのは、なんとかならないものか。泣いている場合ではないのだよ。
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