蜜白玉のひとりごと
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立春。二十四節気(にじゅうしせっき)の簡単な説明が書いてある紙をデスクマットにはさんである。それによれば、「立春 二月四日頃 冬と春を分ける節分の翌日で、春の訪れを告げる。梅の季節。立春後に吹く強い南風が春一番。」とある。ちなみに節気とは陰暦による季節の区分のことで、その名の通り24個ある。最近は天気予報でも二十四節気について触れ、いろいろおしえてくれる。
春と言われてもまだ風はキンと冷たくて、そう簡単に力を抜くわけにはいかない。それでも昼間、日の当るところに出れば、空気の中に薄っすらと春の気配がするときがある。ああ、ちゃんと春が近づいてきてるんだ、と安心する。いつまでも冬じゃない。もうしばらくの辛抱だ。こういうのは人間よりも植物の方が敏感で、梅はもうあっちこっちでポコポコと楽しげに咲いている。
川上弘美『センセイの鞄』を読む。頭の中で想像するツキコさんはどうしても写真で見た川上さんに似る。背が高くて髪が長い。どうやら話の中でのツキコさんはもう少し背が低いようだ。そうでなければセンセイが大男になってしまう。
ツキコさんの仕事は「OL」だとわかった。母校の花見会で再会した同級生に仕事は何をしているのかと聞かれて、「OL」と答えていた。そうか、そうだったのか。なんだか働いていないような人を思い描いていた。でもそれではどうやってひとり暮らしの生活費をまかなっているのかわからなくなる。まっとうなOLでよかった。
それにしても、ツキコさんのこだわりのなさ、執着のなさにはあきれる。私には到底無理だ。ひと月もふた月も会わないでいられるのはなぜだろうか。
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