蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2008年10月21日(火) 定点観測

仕事はたまっているけれど、ふうわりふうわりやさしく吹く風に誘われてちょっと休憩。

秋晴れの続くこの数日、どこに行けるわけでもないのになんだか気をよくする。昼間にはせめて窓から外の景色が見えたらいいのに、と毎度同じことを思う。もし、もし今度新しい職場に移ることがあれば、そのときは窓から外の景色が見えるかどうか絶対チェックしよう。

江國香織『左岸』の発売の話をチラチラ耳にする。小説すばるの連載は一度も読まなかった。どうも辻仁成が苦手なのだ。『冷静と情熱のあいだ』ですら、青い方を読んだのは1度きりだ。話がそれた。ひさしぶりに江國さんの文章が読みたくて、少し早かったかもしれないけれど、『ホリー・ガーデン』と『流しのしたの骨』を本棚の奥から引っ張り出してくる。秋から冬にかけて読めば、とにかくじんわりしみてくるいい小説だ。そして私には定点観測の意味もある。記憶をたどってゆっくり読み進めば、いつのまにか自分が『ホリー・ガーデン』の果歩や静枝の年齢を超えていることに気づく。今でも「大人のお姉さんたち」の物語だと思って読んでいたというのに。

雨はいちんちめがねをかけて・・・の伊達眼鏡がなつかしい。この伊達眼鏡にまつわるエピソード(私に実際に起きた出来事)は今でも時折ひとに話すことがあって、話を聞いた人は驚いたり気持ち悪がったりくつくつ笑ったりしてくれる。たしか、以前このひとりごとのどこかにも書いたはず。『ホリー・ガーデン』の話の筋とは全く関係がない。ただ伊達眼鏡つながりというだけのこと。

この小説は食欲も刺激してくる。今日のおやつは早速ドーナツとコーヒーだ。少なくともドーナツは2つ以上で。


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